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思考力・記述力を高めるための会話
森川林 2006/09/05 10:42 
 子供たちの思考力・記述力の低下が指摘されています。

 朝日新聞7月15日の記事より。
「国立教育政策研究所は14日、全国の小学4年〜中学3年の約3万7000人を対象に初めて実施した国語と算数・数学の「特定課題調査」の結果を公表した。難点として浮かび上がったのは、論理的に考えたり、筋道立てて考えを表現したりする力。答えは出せても、そこに至る過程を説明できない傾向もあり、研究所は「国数ともに、文章をもっと書かせる指導が必要」と指摘している。」

 同じく、朝日新聞9月1日の記事より。
「単純計算よりも理解力に難点——。文部科学省所管の財団法人「総合初等教育研究所」が全国の小学生約9000人を対象に実施した計算力調査で、単純に数式を解く計算技能よりも、計算技能を支える「理解力」に課題があることがわかった。理解力を試す問題では、正答率が3〜6割と低いものもあった。単純な計算技能については、98年の調査結果とほぼ同じ水準だった。」

 教室の子供たちを見ていると、考える問題に喜んで取り組む子と、考える問題を最初から放棄する子に分かれるようです。
 その差は、ひとことで言えば日本語力の差です。考えることが苦手な子は、考える問題に対して、自分の日本語力がついていかないために考えることをあきらめてしまうのです。

 その原因は、単純な技能や記憶が評価される一方、じっくり考える力が評価されない今の教育環境にあります。
 学習教材のほとんどは、単純な技能や記憶の再現を評価する形で作られています。eラーニングというと、名前こそ新しいように聞こえますが、その中身は旧態依然の知識の定着度を調べるだけのものです。
 基本的な技能や知識を習得することはもちろん大切ですが、問題は、そこに重点が置かれすぎていることです。漢字の書き取りや、算数の計算問題は、先生も教えやすいし、子供も取り組みやすいし、親も満足しやすい勉強形態です。そしてまた、そういう教材は作成が容易です。
 このために、現在の日本では、理解を伴わない単純な反復型の勉強が主流になり、その結果が思考力低下という教育調査として表れているのです。
 では、家庭ではどのように対策を立てたらいいのでしょうか。
 いちばんやりやすいのは、日常生活の中で、親が子に理解力を必要とするような会話をすることです。
 例えば、「たまごやきを作ったこと」などの作文課題で、たまごやきを親子で作るときなどに、「はい、たまご」「ほら、割って」「ふた、しめて」「それ、できあがり」というような言葉の羅列だけで会話をしていてはだめです。
 「たまごの殻というのは、ヒナが割って出てこられるぐらいにやわらかく、でも、親鳥が温めるために上に乗っても壊れないぐらいにかたくできているんだよ。だから、たまごを割るときはそのヒナが殻を割るぐらいの力加減でやる。それ。あ、失敗しちゃった」などのように、子供が実際の必要性から聞きたくなるような場面で、理由や原因がわかるような長い文を、面白おかしく楽しく話してあげることです。
 小学生のうちに、このような会話の環境で育った子は、自然に理解力・思考力が備わってきます。
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