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国語力の不思議(その2) as/1019.html
森川林 2010/09/15 00:53 



 算数・数学の勉強は、できるかできないかが、問題が解けるか解けないかという形で表れます。だから、解けない問題が解けるようになるように、教え方をブレークダウンしていけばやがて解けるようになるという道筋があります。

 しかし、国語はそうではありません。できるかできないかということが、白黒はっきり決着がつくような形で表れるのではなく、その子の読解力に応じて、浅くわかるところから深くわかるところまで限りなく曖昧に広がっているのです。

 それは、ちょうど同じ健康体でも、すごく元気のいい人と、あまり元気のない人との差のような形で表れる差異です。原因の特定できる病気であれば、人工的な治療が成功することもしばしばあります。しかし、元気のない人をもっと元気よくするというのは、人工的な治療ではなく、自然の対応が向いています。

 健康で元気のいい人は、野菜を中心に食べる、適度の運動をする、自然に接する、明るい心でいる、など共通する特徴があります。

 国語の勉強も、これに似ています。国語の得意な子に共通しているのは、特に国語の勉強などしていないということです。国語の得意な子は、本が好きで本をよく読んでいるうちに自然に国語が得意になったというケースがほとんどです。

 このように考えると、逆に国語の勉強法がわかってきます。それは、いい文章を繰り返し読むことです。マンガを繰り返し読んでも国語の力はつきません。逆に、難しい文章をたまに読むだけでも国語の力はつきません。難しくて面白い文章を何度も繰り返し読むというのが、国語の力につながっています。

 算数・数学のできない子は、前の学年まで戻って勉強することで力がつきます。算数・数学は、低学年から高学年に向けて積み上げていく勉強だからです。

 国語のできない子は、前の学年に戻るという方法が取れません。国語は、低学年からの積み上げの勉強ではないからです。

 国語の力の土台は、前の学年ではなく、その子の家庭の国語環境にあります。家庭で、読み聞かせや読書や対話のある子は、国語力の土台が自然にできています。それらの中でも特に重要なのが読書です。受験生の場合は、通常の読書の時間はあまり取れなくなるので、読む勉強の密度を高めるために、問題集読書などを取り入れていく必要があります。

 国語の学力と、算数・数学の学力とは、性質が根本的に異なります。国語の勉強は、文章を読む練習をすることで、算数・数学の勉強は、問題を解く練習をすることで進めていくものです。しかし、国語のテストも、問題を解く形で出されるので、多くの生徒は国語の勉強も、問題を解く形でやろうとしてしまうことが多いのです。

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森川林 2010/09/13 21:55 



 言葉の森が、30年前、作文教室を始めたとき、この教室を国語教室のようなものにはしないという一種の信念のようなものがありました。なぜなら、国語は普通に生きていれば自然にできるもので、教えたり教わったりするものではないという確信があったからです。

 ところが、作文教室を始めてみると、国語が得意で作文が好きという子も多くいましたが、国語が苦手で作文が嫌いという子もかなりいたのです。

 そこで、学習塾というものの話をよく聞いてみると、国語教室というような国語を専門とした教室はほとんどないということがわかりました。むしろ、学習塾は、成績を上げやすい算数、数学、英語などを中心に教えていて、国語は、一応全教科をカバーしているということを示すだけのおまけのような位置づけでした。その証拠に、「塾に行っても、結局国語の成績は上がらなかった」という声を多くの保護者から聞きました。

 国語は、できる子は自然にできる、しかし、できない子は教えてもできるようにはならないという不思議な教科だったのです。

 ところが、よく考えてみると、練習して上達するというのは、ある意味で人為的な分野です。現代の社会は人工的なものに囲まれているので、練習して上達するということが当然のように思われがちですが、自然のものについては、練習ということ自体が成り立たないのです。

 例えば、見た目をよくするために服装を変えるというのは、だれでもすぐにできます。衣服は人工的なものだからです。しかし、見た目をよくするために顔つきを変えるというのはまずできません。顔は自然のものだからです。

 これが、病気と健康の関係になると、もう少し微妙になります。人間の健康とは、本来自然のものです。しかし、近代医学は、そこに治療という人工的なものを導入しました。

 風邪を引いたら、ゆっくり寝ていれば治るというのが自然の対応です。しかし、薬を飲んで治すとなると、これは人工的な対応です。風邪ぐらいであれば、どちらで治そうが大した違いはありませんが、これが自然治癒率のきわめて低い感染症になるとそうではありません。

 医療の世界では、パスツールのワクチン治療のように人工的な対応が際立って成功する場面がしばしばあったため、その成功が過大に評価され、それが人間の本来持つ自然治癒力の意義を忘れさせる方向に進んでいきました。

 これと似ているのが教育です。英語や数学というものは、教えなければ自然に身につくものではありません。その意味で人工的な教科です。しかし、国語という教科は、これらの人工的な教科と違い、生まれたときからの環境で自然に身についてきたものです。

 この自然に育ってきたものに、人工的な教科の学習で成功した方法をあてはめようとしたところに、これまでの国語学習の混乱があったのです。(つづく)

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