ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 615番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/2/13
日本文化の抽象化 as/615.html
森川林 2009/08/31 12:11 

 ↑ ドングリの木、マテバシイ

 20世紀は、アメリカ発のグローバル化の時代でした。その象徴は、マクドナルド、コカコーラ、自動車、IT、金融テクノロジーなどでした。

 工業国としては衰退したアメリカは、金融による日本支配で覇権の延命を図りました。一時期は、実質的に日本が国力ナンバーワンの時代がありました。しかしやがて日本は老人国家になっていきます。その結果、現在、世界の覇権は、米国から日本を通り越して中国に移りつつあります。

 しかし、中国にアメリカのようなグローバル化する文化はあるのでしょうか。中国は人口と領土で自国の影響力を強めています。しかし、その影響力によってどういう世界文化を広げるつもりかといえば、その中身はないようです。

 けれども、今後、中国によるグローバル化が進展することは止められないでしょう。そのときに、日本が中国のグローバル化に飲み込まれないようにするためには、どういう道を選択することができるのでしょうか。

 アメリカは、マネーの力によるグローバル化を押し進めました。中国は人口の力によるグローバル化を押し進めようとしています。

 日本には、日本文化を守るために鎖国をするという選択肢もあります。しかし、それは日本が年老いた風流人の箱庭国家になって衰退していくことです。未来の日本は、移民の流入も含めてグローバル化の流れは止められないという情勢のもとで考えていく必要があります。

 そのときに問題なのは、守るべき日本文化の輪郭が不鮮明だということです。

 明治時代、欧米文化に遭遇した日本には、和魂洋才という返し技がありました。それは、江戸時代に蓄積した膨大な日本文化があったから可能だったのです。

 しかし、今の日本は敗戦によって文化の根を切られている状態です。大事なことは、曖昧でムード的な否定形の日本文化ではなく、明確で理論的な肯定形の日本文化を打ち立てることです。

 日本文化がそのような普遍性を持つためには、つまり日本以外の人にも通じる文化となるためには、日本という特殊で具体的な条件を離れた抽象化が必要になります。

 この抽象化は、主に言語によってなされるものですが、言語以外の抽象化もちろんあります。例えば、行為による抽象化というものがあります。只管打座、江戸しぐさ、トイレ掃除の文化などは、行為を通して伝える日本文化です。

 21世紀のグローバル化には、四書五経のレベルの文化では不十分です。また、キリスト教や仏教という宗教のレベルの文化でも対応しきれません。現代の科学技術の成果をふまえた新しい世界観、社会観、自然観、そして、人生観、人間観を提唱する必要があります。

 この新しい文化が、これまでの西欧のデカルト・ニュートン・ダーウィン・アダムスミス・マルサス的なパラダイムをのりこえた、新しい日本文化的なパラダイムになると思います。

 そういうパラダイムの創造が可能なのは、日本文化が、これまでの歴史の中で穏やかな人間性と科学技術の先進性を両立させてきたという面を持っているからです。

 中国を中心とした世界のグローバル化は止められません。日本は、土地や人口のグローバル化ではなく、文化のグローバル化を担う役割を持っています。この世界に広げる日本文化という道が、日本の文化を守りつつ世界の平和と発展に貢献する道です。

 言葉の森の作文教室も、この大きな流れの中に位置づけて行っていきたいと思っています。



(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 

記事 614番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/2/13
言葉の森読書暗唱クラブ as/614.html
森川林 2009/08/30 20:56 


 今、言葉の森の作文教室とは別に、言葉の森読書暗唱クラブという教室を計画しています。

 その内容は、付箋読書による読書指導と、長文暗唱と筆写の指導です。読書については、読んだあと読書図を書かせるということも考えていますが、あまり複雑にすると時間がかかるので、読書と暗唱のチェックが中心になると思います。

 なぜ、こういうスタイルの教室を考えたかというと、今の子供たちの国語力、思考力、表現力をもっと向上させる必要があると感じたためです。国語力さえあれば、英語や数学はすぐにできるようになります。逆に、国語力がないと、英語や数学が今いくらできているように見えても、やがて限界が来ます。

 しかし、現在行われている国語の指導のほとんどは、問題を解くような形のものが多く、国語力をつけるにはあまり効果がありません。国語力をつけるためには、実際に読んだり書いたりすることが大事で、問題を解く形での練習は能率が悪いのです。

 不況の深化によって、これからの社会は収入の二極分化が更に進んでいくと思われます。しかし、教育のように人間の生活に欠かせないものは、平等に機会が与えられなければなりません。

 今、教育にお金がかかるのは、教材と教え方がコストのかかるような仕組みでできているからです。しかし、読書と暗唱と筆写であれば、教材や教え方をかなりシンプルにすることができます。読書については、本の貸出というところにコストがかかりますが、これは、近所の数家族が共同で本を購入し回し読みするような形でいくらでも安くすることができます。

 読書暗唱クラブは、今はまだ案の段階ですが、できるだけ早く全国に通学教室を開く形で広げていきたいと思っています。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言の葉クラブ(2) 
コメント181~190件
……前のコメント
読書感想文コン 森川林
 ChatGPT時代には、大勢の人数の中から一人を選ぶとか順 5/29
記事 4751番
声掛けは否定語 森川林
 あと、言わない方がいい言葉のひとつは、でも。  子供が何 5/27
記事 4748番
スマホの使用を 森川林
 時どき、「読書をしないので先生からも言ってください」と言わ 5/25
記事 4743番
40数年前、日 森川林
 言葉の森が作文教室を始めたころに来た子の多くは、「勉強はで 5/24
記事 4742番
壊れるものを見 森川林
 今、勉強の中心だと思われている数学、英語、国語などのほとん 5/23
記事 4740番
高校入試でも大 森川林
 昔、大学入試の改革で、国語に150字程度の記述問題が取り入 5/22
記事 4738番
ものたりない作 森川林
 勉強は、点数で成績がわかります。  作文は、点数ではなく 5/21
記事 4737番
創造力のある子 森川林
 自分自身を振り返ると、脱線の連続でした(笑)。  しかし 5/20
記事 4736番
生きがい 森川林
 昔の生きがい論は、世の中の役に立つことをすることと結びつい 5/19
記事 4735番
ChatGPT 森川林
 世の中は、ほとんどいい人だけで動いている、というのが大きな 5/19
記事 4734番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Xの使い方 森川林
・見たくない記事や動画は、右上の…で「このポストに興味がない 2/11
森川林日記
2月分 よこやまりょう
高校二年生の読解検定について質問です。 問1と問2がわかり 2/4
国語読解掲示板
Glitchの 森川林
https://hnavi.co.jp/knowledge/ 1/22
森川林日記
2026年1月 森川林
●作文について  忙しい中学生高校生が作文を能 1/22
森の掲示板
読解検定のやり 森川林
====読解検定のやり方 1.オンラインクラス一覧表の「全 1/16
国語読解掲示板
小4の12月の 森川林
問3 ○B すずめは、見慣れみな ないものが立っている 1/9
国語読解掲示板
2025年12 森川林
 12月8日から、中根が休講してしまい、いろいろな連絡が遅れ 12/22
森の掲示板
3I/atla 森川林
日本にはかつて穏やかに何万年も続いた縄文文明があった。そのよ 12/12
森川林日記
Re: 11月 森川林
 これは、解き方の問題ではなく、読む力の問題です。  読解 12/5
国語読解掲示板
Re: ICレ 森川林
 ChatGPT、あまり文章うまくないなあ(笑)。  音声 12/5
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●思考力を育てる作文教育
●本で最も進んでいるオンライン教育――少人数の対話と個別指導 無料体験学習 受付中。
●詰め込む学習から、創造する学習へ。小1から高3のオンライン少人数教育。小1から高3のオンライン少人数教育。

●担任制で対話のある、5人以内の少人数オンライン教育
●小学1、2年生は作文を始める適齢期です
●小学3・4年生は、作文がいちばん伸びる時期です

●小5・小6から、作文は「考える作文」に変わります。
●高校入試につながる作文力を、中学生から
●入試小論文に対応した作文評価を提供する作文検定(高校向け)

●入試小論文に対応した作文評価を提供する作文検定(塾高校向け)
●学校のための日本語作文検定(学校向け)
●学年ごとの「書く力」が一目でわかる(学校向け)

●総合型選抜・小論文評価業務に関するご提案(大学向け)
●学習塾のための日本語作文検定(塾向け)
●「書ける」ことが塾の強みになる(塾向け)

● 小1からのオンライン作文で、「読む力・書く力・考える力」を一生ものにします(生徒向け)
全国初の本格的な日本語作文検定作文の客観的評価で、誰でも作文が好きになり実力がつく。特許取得の独自のアルゴリズムとAIによる対話型600字講評。(学校塾向け)
●担任制で対話のある、5人以内の少人数オンライン教育 言葉の森

●詰め込む学習から、創造する学習へ。小1から高3のオンライン少人数教育。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく

●志望校別の受験作文対策
●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法

●父母の声(1)
●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)

●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)
●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集

●大学受験作文の解説集
●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強

●小学1年生の作文
●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準

●国語力読解力をつける作文の勉強法
●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策

●父母の声(2)
●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策

●父母の声(3)
●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導

●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信
●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準

●国語力は低学年の勉強法で決まる
●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から

●いろいろな質問に答えて
●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで

●父母の声
●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1

●作文の勉強は毎週やることで力がつく
●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応

●作文の通信教育の教材比較 その2
●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート

●森リンで10人中9人が作文力アップ
●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習