すでに言葉の森の記事でもお知らせしましたとおり、10月から、作文の電話指導に関しては固定電話が月額396円、携帯電話が月額1100円の有料となります。
https://www.mori7.com/as/4500.html
 9月23日が10月分のZOOM受講受付の締切日になります。
 現在、電話受講になっているか、ZOOM受講になっているか確認されるには、検索の坂で生徒コードを入れてごらんください。
https://www.mori7.com/kennsaku/
 電話受講からZOOM受講に切り替えられる場合は、事務局にご連絡ください。(10月分の締切は9月23日です。)
※このご連絡は、オンライン新聞のページより、該当される方に、個々にメールでお知らせしました。
 
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●動画:
https://youtu.be/aaqn3eLrBn8
 昔、身近な家電製品は、日本が圧倒的に優れていました。
 今、身近な家電製品のほとんどは、日本では作られず、中国などから輸入されたものばかりです。
 日本の主要な生産の分野が、身近な工業製品から、より高度な機械工業製品に変わったと考えることができるのかもしれません。
 しかし、大きくは、工業生産自体が衰退したのです。
 アメリカは、GAFAに見られるように、情報ネット産業で世界をリードしています。
 しかし、そこで提供されているものは、単なるインフラです。
 やがて、その成長自体が止まると思います。
 インフラがこれ以上高度に発展することはないからです。
 今、人間社会が、というよりも資本主義社会が行き詰まっている原因は、社会を牽引する需要がなくなったことです。
 かつての、カー、クーラ―、カラーテレビのようなすべての人が求める高額な工業生産物がなくなってきたのです。
 そして、需要がなくなったことに対応して、供給側が生み出していた雇用もなくなっています。AIやロボットは、その雇用の喪失を加速しています。
 買いたいものがなく、働く仕事もないという状態が、これから広範に広がっていくのです。
 このような時代に、日本はどの方向に進むべきでしょうか。
 私たちは、物の生産や、情報の流通が価値を生み出した時代は終わったのだと考える必要があります。
 農業時代も、工業時代も、情報時代も、いずれの時代にも共通しているのは、供給者が少数で、需要が多数だという構図でした。
 未来は、この構図自体が変わります。
 それは、多くの人が、需要の側だけでなく、供給の側にも回る社会です。
 それはすでに、ブログやFacebookやyoutubeによって、半ば実現しています。
 人によっては、すでに、需要のために使う時間よりも、供給のために使う時間の方が多くなっている人もいるはずです。
 この個人が何かを供給する時代が、これからの時代なのです。
 江戸時代に、職を失った武士階級が、供給の側に回ろうとして行った仕事は、傘張りの内職ような地味な仕事でした。そこで、武士の商法などという言葉も生まれました。
 未来の社会で、個人が供給の側に回るときに、提供する仕事は傘張りのようなものではありません。
 時代はすでにインターネットテクノロジーの活用によって、誰もが、資金負担なしに世界のグローバルマーケットを対象にする仕事ができる時代になっています。
 しかも、副業が基本的に認められるようになることによって、土日だけの独立起業などということが誰でもできるようになってきます。
 そのときに大事なのは、資本ではありません。
 資本が必要だったのは、工業生産時代に、生産設備に多額の投資が必要だったからです。
 未来の起業には、多額の設備投資が不要なものの方がむしろ主流になるでしょう。
 だから、世の中のお金の向かう場所は、見返りの多い工業生産を生み出す生産設備への巨額の投資ではなく、個人が自分の仕事を作り出したいというときの個人起業の出発点となる少額の投資す。
 それが、無数の大衆に求められるようになるということが大事なのです。
 各人が、自分の個性を生かして仕事を始める分野として最もふさわしいのは、文化的な分野です。
 そして、文化的分野には、必ずその文化を引き継ぐ教育が必要になるので、文化と教育が結びついた教育文化産業が、未来の産業の中心になっていきます。
 教育文化産業は、日本のお家芸とも言えるものです。
 長い江戸時代の停滞の中で、日本ではさまざまな教育文化産業が生まれました。
 そして、その中のいくつかは、日本的な道の文化へと発展していきました。
 茶道、華道、俳句、剣道、書道などは、これらの文化産業のひとつの到達点です。
 これから来る未来の社会でも、このような新たな道の文化が次々と生まれます。
 そのために大事なことは何かというと、第一は個性と創造力です。第二は学力と思考力です。第三はそれらは社会にとってよりよい方向に発展させるための人間性や共感力です。
 だから、今大事なのは、未来の社会を担う子供たちに、創造力、思考力、共感力を育てる教育を行っていくことです。
 言葉の森は、これを単なる標語として称えるのではなく、実践の中で実現するために、作文教育、創造発表教育、暗唱教育、そして、発表と対話のある発表個別教育を行っています。
 そのための教育プラットフォームが、オンライン4人クラスです。
 オンライン4人クラスというプラットフォームがなければ、個性と創造力のある発表や、友達との対話による思考力の成長は、言葉だけの目標になってしまうからです。
 情報技術の発達によって、今は、言葉の違う外国の人どうしが、ZOOMを使って話ができるようになっています。
 まだ、このサービスは有料で、一部でしか使われていませんが、技術の進歩は方向さえ決まればすぐに加速します。
 やがて、世界中の人たちが、ZOOMなどのウェブ会議システムで、海外の人とも自由にやりとりできるインフラが登場します。
 オンライン海外留学というと、今は、日本の子供がアメリカやイギリスなどの海外の大学に行くイメージがありますが、将来は、日本の教育機関にいろいろな国の子が海外留学に来るようになります。
 この時代に大事なことは、日本だけに通用するガラパゴス的な学力ではなく、世界標準の学力を持つです。
 そして、学力以上に重要なのが、創造力、思考力、共感力を育てることなのです。
 
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 明日の日本を支える子供たちを育てることが、これからの教育の目的になると思います。
 昔、近くの塾が、その塾の企業理念として「教育サービス」ということを挙げていました。
 しかし、今の時代に、保護者のニーズに合わせた教育サービスを行うということは、受験競争に勝つということです。
 多くの講師は、このことに矛盾を感じていると思います。感じていない人もいるかもしれませんが。
 その矛盾とは、受験には、勝つ子もいれば、負ける子もいるということです。
 勉強の本来の目的は、勝負に勝つことではありません。
 そして、今後、そういう勝敗の社会はなくなっていきます。
 だから、私は、言葉の森の教育の目的をそういうところには置きませんでした。
 教育の目的は、よりよい日本を作るために、その日本を支える、創造力、思考力、共感力のある子供たちを育てることなのです。
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https://youtu.be/Xl-HVA32AEk
 桃太郎の話を、昔、私は、いろいろな個性のある仲間がその個性を生かして協力することで敵に勝つという話だと思っていました。
 しかし、その後、考えが変わりました。
 犬と猿と雉(きじ)が仲間になるのは、物語の前半の重要な箇所ですが、なぜかれらが仲間になったのかというところの考えが変わってきたのです。
 それは、桃太郎がたまたまキビダンゴを持っていて、犬と猿と雉がおなかがすいていたから仲間になったという単純な話ではありません。
 大事なことは、桃太郎が、まずひとりで出かけたということなのです。
 出発する時点で、桃太郎には、道の先に、犬と猿と雉が待っているという情報はありませんでした。
 たったひとりで出かける覚悟で出発したあとに、たまたま犬と猿と雉がやってきたのです。
 あとから振り返ると、まるで桃太郎が、みんなの協力を計画的に考えて行動を始めたように見えますが、本当はひとりの行動が最初にあり、その行動に引き寄せられて、偶然犬と猿と雉がやってきたのだというのが真相です。
 大事なのは、行動の一歩を踏み出したことであって、入念に計画を作ったことではないのです。
 だから、若い人で、これから何かを始めようとするときは、詳しい計画や協力できる仲間を最初に考えるのではなく、まず自分ひとりで出発することです。
 もし、桃太郎の目的地が鬼ヶ島ではなく、その先にあるもっと遠い困難なところであったら、どうなったでしょう。
 犬と猿と雉のあとに、今度は馬がやってきたのです。たぶん。
 そして、更にもっと遠い困難なところが目的地であったら、どうなったでしょう。
 馬のあとに、今度は龍がやってくるのです。
 このように、「桃太郎」は、ひとりの行動が次々に新しい展開を生み出す物語として読むことができます。
 大事なことは、まず桃太郎がひとりで歩き出したということなのです。
 
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https://youtu.be/iItWEmMi-08
 オンライン4人クラスの授業を、どう家庭学習に生かしていくかということについて説明します。
 家庭学習を主に親がコントロールできるのは、小学1年生から3年生ぐらいまでです。
 だから、この時期に、家庭学習の習慣をしっかりつけておくことが大事です。
 総合学力クラスの国語の家庭学習は、問題集読書の音読です。
 毎日2ページから5ページぐらいを目安に、問題集の問題文を音読します。
 ページの途中で文章が切れて、次のページに行っている場合は、その切れているところで止めてかまいません。
 人間の頭は、途中までしか読んでいない文章の続きを翌日読むことになっても、頭の中で前の文章と後の文章をつなげることができるからです。
 もちろん、最後まで読みたいという場合は、次のページまで読んでもかまいません。
 しかし、自習で大事なのは、やることがはっきり決まっていることですから、その日の文章の長さによってやることがまちまちになるよりも、決めたページ数まで読むとしておいた方がいいのです。
 音読については、近くで保護者がその音読を聞くことがあった場合、決して注意しないことが大事です。
 子供の音読を聞いていると、ほぼ百パーセント、親は何かひとこと言いたくなります。
 しかし、注意をすると、音読は上手になりません。
 ときどき、「読み間違いがあっても注意しないのですか」と聞かれますが、私は、いつも、「そうです」と答えています。
 注意するかしないかということよりも、親が注意しようとする姿勢で聞いていることに問題があるからです。
 親は、いつも笑顔で子供の音読を聞いていて、子供が読み終えたら、それがどんなに下手な読み方であっても、「読むのが上手になってきたね」とか、「難しいのよく読んでいるね」とか言って褒めていればいいのです。
 褒めていると、子供の音読は必ず上手になります。
 オンラインクラスの国語の授業では、先生は、その子がそれまでに読んだ範囲の文章について、どんなことが書いてあったか質問します。
 問題集読書で同じ文章を何度も読んでいる子は、もとの文章を見ないでも、どういうことが書いてあったかを言えます。
 文章を見て、先生に聞かれたことを探さないと答えられない子は、文章を読んでいません。
 問題集読書は、1冊を5回以上繰り返して読み、どの文章のことを聞かれても大体の内容を言えるようになることが目標です。
 このような問題集読書の復読という勉強法を家庭だけで独自にやることはまずできません。子供が飽きるからです。
 だから、ほとんどの子の国語の勉強法は、国語の問題集を解くことになるのです。
 国語の問題集を解くのは、一種の作業ですから、子供に任せておけば勉強をしているように見えます。
 しかし、問題集を解くだけでは国語の力はつきません。問題文を繰り返し読むことだけが読む力をつける方法です。
 家庭では、「来週の国語の授業のときに、先生にちゃんと答えられるように、問題集は毎日音読していこうね」という声掛けをして、子供の音読を続けさせ、音読が終わったら、「難しいのをよく読んでいてえらいね」と毎回褒めてあげるようにします。
 これが、国語の家庭学習の方法です。
総合学力クラスの勉強(1)――家庭学習のきっかけとして授業に出る
総合学力クラスの勉強(2)――国語の勉強法 
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 国語の勉強法でもあり、頭をよくする方法でもある「難読の復読」は、超簡単な勉強法でありながら、家庭で続けることが最も難しい勉強です。
 なぜ続けることが難しいかというと、第一は退屈な勉強だからであり、第二は成果がすぐには見えない勉強だからです。
 昔、読解マラソンという方法で、この「難読の復読」をやるようにしましたが、それでも長続きする子はいませんでした。
 しかし、今度は、オンラインクラスで問題集読書のチェックができるようになったので、子供たちの難読力は日に日に高まっています。
 もし国語の力がなかなかつかない子がいるとしたら、それは家庭学習での問題集読書が不足しているからです。
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https://youtu.be/AWvaV9eqme4
 思考語彙、知識語彙について述べてきました。
 森リンの点数で、もうひとつ重要なのは、表現語彙です。ある意味で、これが最も文章力というものに関係していきます。
 表現語彙とは、語彙の多様性のことです。
 例えば、見本の作文では、表現語彙は、次のように集計されています。
 これを見ると、「プレゼント」という言葉が最も多く、13回使用されています。
 しかし、「プレゼント」だけではなく、同じ意味の「贈り物」も3回使用されています。
 このように、同じ内容を異なる言葉で表すことが語彙の多様性です。
 語彙力のある人は、ひとつの文章の中で同じ言葉を何度も使いたがりません。
 同じ言葉が近くにあって続いていると、あまり美しく感じないので、言葉を変えて書きたくなるからです。
 森リン点を上げるためには、できるだけ多様な言葉を使って書くといいのです。
 ただし、多様すぎると、バランス上の減点になることがあります。例えば、固有名詞をたくさん並べて書くような場合は、表現語彙だけが不自然に多くなるので、かえって全体の点数が低くなります。
 中学生以上の意見文では、書き出しの意見と結びの意見を対応させることが重要になります。そのことによって、文章に一貫性が出るからです。
 しかし、書き出しの文章と同じ言葉で結びの文章を書くと、文章全体の密度が薄くなります。
 同じ内容を違う言葉を入れながら、しかし、キーワードは生かして書くというのは、書き出しと結びを対応させるコツです。
 表現語彙の点数が高い作文を読むと、人間は、豊かに書いてある作文という印象を受けます。しかし、もちろん、なぜそう感じるかはわかりません。
 森リン点の表現語彙は、その人間の感覚を数値で表すものなのです。
【表現語彙】| プレゼント(0.8) | 13 | 母(0.44) | 8 | 描い(0.83) | 7 | 気持ち(0.35) | 4 | 心(0.29) | 4 | こもっ(0.82) | 4 | ジム(1.49) | 3 | お話(0.58) | 3 | 贈り物(1.17) | 3 | 伝える(0.62) | 2 | 
| 覚え(0.47) | 2 | 包む(1.24) | 2 | 手段(0.72) | 2 | ことわざ(0.56) | 2 | 言葉(0.28) | 2 | 髪の毛(1.02) | 2 | 大好き(0.55) | 2 | 聞い(0.32) | 2 | 父(0.52) | 2 | 特別(0.66) | 2 | 
| 木の葉(1.2) | 2 | 絵(0.62) | 2 | 人間(0.18) | 2 | 売っ(0.75) | 2 | 特別大好き(6.08) | 2 | お金(0.56) | 2 | 相手(0.42) | 2 | 買っ(0.47) | 2 | 8歳(1.39) | 2 | 似合う(1.16) | 2 | 
| 答え(0.47) | 2 | 物語(0.66) | 2 | 感情(0.57) | 2 | 宝石(1.02) | 2 | 贈り(1.49) | 1 | 妻(1.08) | 1 | 時計(0.85) | 1 | 喜ん(0.72) | 1 | きれい(0.5) | 1 | すれ違っ(1.23) | 1 | 
| 買う(0.64) | 1 | 思い(0.55) | 1 | 志(1.04) | 1 | 櫛(1.49) | 1 | クリスマス(0.86) | 1 | 正直(0.73) | 1 | 使っ(0.41) | 1 | かけ(0.46) | 1 | 母いわく(6.08) | 1 | 思い出し(0.63) | 1 | 
| 伝わり(0.95) | 1 | 迷っ(0.85) | 1 | 伝え(0.55) | 1 | 真心(1.39) | 1 | 心温まる(1.49) | 1 | 誕生日(0.86) | 1 | 習慣(0.7) | 1 | 贈る(1.23) | 1 | 夫(1.04) | 1 | 姫差(6.08) | 1 | 
| 成長(0.47) | 1 | ささやか(1.17) | 1 | 自慢(0.85) | 1 | たくさん絵(6.08) | 1 | ママ(0.85) | 1 | 正直その頃(6.08) | 1 | 存在(0.43) | 1 | 金時計(6.08) | 1 | ・ヘンリー(6.08) | 1 | 見せ(0.65) | 1 | 
| 共感(0.86) | 1 | 個人(0.64) | 1 | 表れ(0.88) | 1 | 紙きれ(6.08) | 1 | 祝い(1.34) | 1 | 意味(0.37) | 1 | 1枚(1.14) | 1 | 感謝(0.66) | 1 | 立派(0.7) | 1 | 意見(0.44) | 1 | 
| 、(0.66) | 1 | 賢者(1.49) | 1 | 夫婦(1.02) | 1 | 驚い(0.68) | 1 | 出せ(0.8) | 1 | 旅行(0.72) | 1 | 程度(0.75) | 1 | 髪(0.9) | 1 | 読ん(0.37) | 1 | 似顔絵(1.31) | 1 | 
| 家族(0.47) | 1 | 裏紙(6.08) | 1 | 鎖(1.26) | 1 | たくさん人間(6.08) | 1 | バッグ(1.23) | 1 | 結末(1.1) | 1 | 
 | 
森リン点の解説(1)――高得点の作文はどのようにして書くか
森リン点の解説(2)――高得点の作文はどのようにして書くか
森リン点の解説(3)――高得点の作文はどのようにして書くか
森リン点の解説(4)――高得点の作文はどのようにして書くか
森リン点の解説(5)――高得点の作文はどのようにして書くか 
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https://youtu.be/eMFu8MIhWr4
 総合学力クラスの勉強を教えていて、気が付いたことがあります。
 これは、他の国語読解、算数数学、英語などのクラスでも同様です。
 それは、家庭学習を毎日していて、週1回の授業のときは、その延長で参加している子と、家庭学習をほとんどしていずに、週1回の授業に出ることが勉強だと思っている子の違いです。
 小学1年生から4年生までの勉強は、難しいところはほとんどありません。
 大人が見れば、すぐに答えられるようなことばかりです。
 だから、この時期は特に、家庭で毎日勉強する習慣をつけることが大事なのです。
 子供が勉強した結果を、親があとで見て、本当に理解できているかどうかを、いくつか質問してあげればいいのです。
 もし、子供がうまく答えられないときは、軽く教えてあげます。
 決して、その場で理解させようと思って、重く教えないことが大事です。
 理解というものは、時間のかかるものです。大人から見てどんなに簡単に見えることであっても、初めてそのことを知る子供にとっては、理解するまでに時間がかかります。
 だから、軽く教えて、また別の日にも軽く教えてと、何度も同じことを軽く教えているうちに、理解できるようになります。理解には時間がかかるのです。
 そのような家庭学習を、どの教材でやるのかは、迷うところです。
 その場合、市販の教材にもいいものはたくさんありますが、塾専用の教材を使った方が安心できます。
 学年と難易度に応じて1冊の問題集を決め、それを毎日の家庭学習でやっていけばいいのです。
 家庭での学習は、決して長くやらないことが大事です。親がものたりないと思うぐらいの時間がちょうどいいのです。
 勉強時間を長くとれば、子供の学習は進みます。
 しかし、低学年のときに親のペースで勉強させられた子は、学年が上がり、小学4年生ぐらいになると、親の指示に従わなくなることがあります。
 自分の意思で勉強しなければならない時期に、勉強に飽きてしまうことがあるのです。
 だから、低学年の勉強は、できるだけ子供の意思を尊重して、子供のペースでやっていく必要があります。
 ときどき、子供は、「面白いから、もっとやる」と言うことがあります。
 このとき、親は、それを止めさせた方がいいのです。勉強だから、長くやる分にはかまわないと思って、子供の希望のとおりにやらせると、その勉強にやがて飽きてしまうからです。
 これは、ペットのしつけをするときと似ています。
 犬に面白いおもちゃを与えると、夢中になって遊ぶことがあります。
 それをそのままずっと、犬が満足仕切るまで遊ばせておくと、やがてそのおもちゃには興味を示さなくなります。
 大事なことは、やりすぎてはいけないということなのです。
 こういう家庭学習のコツは、お父さん、お母さんが、自分自身も家庭学習をしていた経験があればわかります。
 しかし、今のお父さん、お母さんは、塾に通って勉強していた人が多いので、家庭で自分のペースでやるということが今ひとつよくわからないということがあります。
 塾に行くと、宿題を出してくれるところがあります。というか、宿題を出す塾がほとんどです。
 すると、その宿題をこなすことが、家庭での勉強になります。
 これは、学校の宿題でも同じです。宿題があるから勉強をする、宿題がないから勉強しないという家庭が意外と多いのです。
 2014年、千代田区立麹町中の校長になった工藤勇一氏は、着任2年目に夏休みの宿題ゼロを打ち出し、以後は段階的に減らして、4年目に宿題を全廃しました。
 宿題は、提出することが目的になってしまうと考えたからです。
 そして、定期テストを廃止し、固定担任制を廃止し、行事を生徒主体にすることで、それまで無気力だった子供たちが、主体的に学習や行事に参加するようになりました。(「致知」10月号)
 塾の宿題にしても、学校の宿題にしても、出される宿題は全員一律です。
 その宿題が必要でない子がほどんどだからです。
 そして、その宿題をこなすことが、学習の目的になります。これは勉強というよりも、単なる作業です。
 勉強は、自分のペースでやるものであって、学校や塾から言われたことをそのままやるものではありません。
 だから、あくまでも家庭学習が基本です。
 その家庭学習のきっかけとして、学校や塾があるのです。
 それをどう生かしていったらいいかは、次回に。
総合学力クラスの勉強(1)――家庭学習のきっかけとして授業に出る
総合学力クラスの勉強(2)――国語の勉強法 
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 勉強の中心は、家庭学習です。
 その家庭学習のきっかけとして、学校や塾があるのです。
 ただし、家庭学習は、できるだけ短い時間で終わらせることです。
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https://youtu.be/PukRruOGJ6Y
 思考語彙とは、考える力を評価するものでした。
 森リンは、この思考語彙のほかに、知識語彙、表現語彙という面も評価しています。
 知識語彙とは、密度の濃い文章が書かれているかという評価です。
 わかりやすく言うと、難しい言葉もある程度使って書いてあるかということです。
 ある程度というのは、難しい言葉を使いすぎると文章が重くなり、かえってバランスの面で点数が低くなるからです。
 この難しい言葉を書く力というのは、書く人の語彙力とも言えます。
 難しい本を読んでいる人は、自然にそういう言葉を使えますが、本をあまり読んでない人は、日常会話的な言葉しか使えません。
 小6までは、複数の実例という書き方をしますが、中学生になると、複数の理由とか、複数の方法とかいう構成を重視した書き方になります。
 すると、理由や方法のところで抽象的な言葉が出てこないために、そのまま実例を書いてしまう人も多いのです。
 例えば、「宿題はよいか悪いか」というテーマで、複数の理由を書くときに、「宿題はよくないと思う。その理由は、この前、出された宿題は、面白くない上にとても時間がかかり……」などと実例をそのまま書いてしまう人が意外に多いということです。
 語彙力のある生徒は、「宿題はよくないと思う。その理由は生徒が自主的に勉強する姿勢を持てなくなるからだ。例えば……」と、「自主的」「姿勢」などという抽象的な理由のあとに具体的な実例を書くことができます。
 この知識語彙を増やす方法は、根本的には、問題集読書や説明文の読書をすることですが、作文の上だけで工夫することもできます。
 それは、調べた実例を引用することです。
 見本の作文では、「嬉しかったプレゼント」というテーマで、第二段落に、「賢者の贈り物」を引用しています。
私はオー・ヘンリーの「賢者の贈り物」という物語を読んだ事がある。ある夫婦がクリスマスにプレゼントをしあうお話だ。妻のデラは長くきれいな髪の毛が自慢だが、夫のジムへのプレゼントのために髪の毛を売ってしまう。そのお金で買ったのはジムの金時計によく似合う鎖だった。だが、ジムはデラの髪に似合う宝石の櫛を買うために時計を売ってしまったのだ。すれ違ってしまった2人のプレゼントだが、私はこのお話が大好きだ。このお話では2人とも心のこもったプレゼントをしたからこそ、心温まる結末になったのではないかと思った。相手のことを考えて買ったものだからこそ、特別嬉しい気持ちになるし、相手のことも大好きになる。そんな物語が「プレゼント」という存在でできているのだと感じた。
 この引用は、それほど難しい言葉が使われているわけではありませんが、引用する話題によっては、知識語彙が増えるようになります。
 また、引用に、データとしての固有名詞や数字が入ると、文章の説得力を増す効果があります。
 高学年の生徒は、自分の作文にあった話を、両親などに取材をするとともに、適宜、インターネットで調べた話などを引用して話題を広げて書いていくといいと思います。
 ちなみに、この作文で、森リンが評価した知識語彙は次のようなものです。
【知識語彙】()内は語彙のウェイト。
プレゼント
 
(5.95) | 13 | 存在
 
(0.38) | 1 | 習慣
 
(0.65) | 1 | 家族
 
(0.47) | 1 | 真心
 
(1.28) | 1 | 金時計
 
(5.95) | 1 | 感謝
 
(0.62) | 1 | 裏紙
 
(5.95) | 1 | 自慢
 
(0.79) | 1 | 感情
 
(0.54) | 1 | 
旅行
 
(0.65) | 1 | 立派
 
(0.65) | 1 | 物語
 
(0.63) | 1 | 賢者
 
(1.39) | 1 | 姫差
 
(5.95) | 1 | 人間
 
(0.2) | 1 | 成長
 
(0.47) | 1 | 意見
 
(0.4) | 1 | 時計
 
(0.75) | 1 | ・ヘンリー
 
(5.95) | 1 | 
クリスマス
 
(5.95) | 1 | 宝石
 
(0.96) | 1 | 結末
 
(1.01) | 1 | 手段
 
(0.65) | 1 | 似顔絵
 
(1.22) | 1 | 意味
 
(0.33) | 1 | 言葉
 
(0.24) | 1 | 共感
 
(0.8) | 1 | 誕生日
 
(0.8) | 1 | 夫婦
 
(0.96) | 1 | 
正直
 
(0.68) | 1 | 個人
 
(0.61) | 1 | 特別
 
(0.62) | 1 | 相手
 
(0.38) | 1 | 程度
 
(0.7) | 1 | 
 | 
森リン点の解説(1)――高得点の作文はどのようにして書くか
森リン点の解説(2)――高得点の作文はどのようにして書くか
森リン点の解説(3)――高得点の作文はどのようにして書くか
森リン点の解説(4)――高得点の作文はどのようにして書くか
森リン点の解説(5)――高得点の作文はどのようにして書くか 
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 森リンは、大学入試の小論文を評価するために作られています。
 だから、小学生の生活作文よりも、中学生や高校生の意見文の評価に向いています。
 難しい言葉を使って書くほうが点数は高いのですが、社会人の書く文章に求められるものは、できるだけ平易な言葉でわかりやすく書くことです。
 難しい言葉が多すぎると、文章全体の印象が漢字で黒っぽくなってしまうからです。
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