人間は、中学3年生ぐらいになるまでは、勉強の自覚がないのが普通です。
それは、まだ自分というものがはっきりしていないからです。
このころまでは、向上心によって勉強するのではなく、人に言われるから勉強するというのが勉強の動機です。
だから、中学3年生まで義務教育になっているのです。
子供は、中学3年生ごろから次第に自覚によって勉強するようになります。
だから、自覚によって勉強する前の時期、小学校高学年から中学生の時期にかけての勉強の仕組みを作ることが大事です。
今の教育の多くは、宿題とテストによって勉強の動機付けを行っています。
以前、宿題とテストを廃止した中学があり、かえって成績が上がったという例がありました。
しかし、それが続いているかどうかはわかりません。
フィンランドの教育が、一時、宿題もテストもない教育として話題になりました。
しかし、そのときの生徒の学力は、それまでの宿題やテストがあった時期に作られた学力でした。
だから、宿題とテストをやめてから、フィンランドの教育は急降下しました。
宿題とテストがなければ、生徒は勉強しません。
しかし、宿題とテストだけで勉強させようとすれば、生徒の自主性が失われます。
宿題とテストという強制に頼らずに、生徒が自主的に勉強に取り組む仕組みが必要です。
私(森川林)が考えているのは、次のような学習システムです。
対象は、主に中学生です。
まず、全員が、国数英理社の参考書又は問題集を用意します。
勉強の基本は、家庭での自学自習ですから、毎日計画的に勉強を進めます。
しかし、中学生のころは、学習の仕方がわからないうちは、無駄なことをしたり、わからなところを飛ばしたりします。
そこで、週に1回、学習チェックの時間を作ります。
学習チェックは、オンラインクラスで、同学年の同レベルの生徒が4~5人集まる状態で行います。
そこで、勉強の状態をチェックするとともに、読書紹介や、勉強や、学習相談や、生徒どうしの交流を行います。
ここで大事なことは、先生の役割です。
先生がひとりで勉強を教えようとすると、中学生のレベルでは教科担任になりがちです。
中学生の国語も数学も英語も理科も社会も、全部教えられるという先生はあまりいないからです。
しかし、ここで、ChatGPTが助手として参加します。
先生は、生徒の勉強の全体的なバランスを見てアドバイスをします。
個々の教科の指導や質問は、ChatGPTのAIが行います。
そのために、参加する生徒は、できるだけChatGPTの有料版(月20ドル)を使えるようにします。
国数英理社の教科の勉強は、ChatGPTを使えば十分にできます。
先生の役割は、生徒の全体の状態を見ることです。
しかし、国数英理社の勉強は、吸収する勉強です。
これからは、吸収だけでなく、創造し発表する勉強が必要になってきます。
そこで、月に1回は、創造発表の週を作ります。
この創造発表のテーマは、主に、理科と社会とプログラミングです。
週1回の学習では、家で勉強する時間が不足するという場合は、自習室を使うようにします。
このような自学自習と創造発表ができるためには、学校成績がオール3.5以上であることが必要です。
学校の成績がそれ以下になったら、国数英の確認テストが連続3ヶ月70点以上になるまで自分で勉強をするようにします。
こうすれば、無駄のない、そして友達との交流もある楽しい勉強ができます。
これを4月から行っていく予定です。
この勉強の目的は、どこかいい大学に入るようなことではありません。その大学を出たあと、社会で第一人者として活躍できる人間になることです。わかりやすく言えば、独立起業をすることと言ってもいいでしょう。これが、教育の目標です。
世の中にある価値の源泉は、創造です。
資源でも、土地でも、人口、ゴールドでもありません。
例えば、最初に光合成を創造した生物がいたから、自然はこのように豊かになりました。
今の植物たちはすべて、その最初の創造をコピーして繁栄しています。
もっとぐっと身近なところでは、あるとき、亀の子だわしを発明した人がいたから、それから掃除の能率が格段と上がりました。
こういう例は、いくらでも出てきます。
だから、日本を豊かにする道は、さまざまな創造が次々と生まれることです。
この点で、日本には土台となる文化があります。
その文化が、例えば、万葉集を生み出しました。
ところが、今の教育は、創造とは正反対の詰め込み競争を行っているように見えます。
クイズ番組のような知識をいくら覚えても、世の中は豊かになりません。
ただし、一定の知識の蓄積は必要です。
その方法は、ひとつはAIを利用することです。
もうひとつは、友達と一緒に勉強する場を作ることです。
そして、大事なことは、その知識の基礎の上に、創造の機会を作ることです。
ところが、創造の教育は、かつてのゆとり教育のようなものになりがちです。
現在行われている探究学習でも、参考書をていねいに書き写して発表するだけのようなものが多いのではないかと思います。
創造教育の要は、自分の好きなことに取り組むことです。
そして、そこに、まだ誰もしていないことを盛り込むことです。
その創造の学習のバネになるもののひとつは、みんなの前で発表する機会があることです。
もう一つは、創造の見本となる、創造と発表の好きな保護者や友達がいることです。
創造的な学習をする機会は、作文クラスでの作文発表、基礎学力クラスと総合学力クラスでの4週目の創造発表、創造発表クラス、プログラミングクラスなどがあります。
また、勉強の工夫の仕方では、国語読解クラスでの問題文の要約感想短歌、算数数学クラスでの問題作成、英語クラスでの自由英作文などもあります。
教科書を読んで、先生の話を聞いて、テストの問題を解いて100点を取ったところで、何ということはありません。
そういう勉強は、必要になったときにいつでもできるからです。
受け身の勉強ではなく、主体的な勉強をすることが、これからの教育に求められているのです。