https://youtu.be/HEjYA5-IhWg
●集中力を左右するのは環境と習慣
勉強を能率よく進めるには、教材と学習法と時間配分が大切です。
しかし、忘れられがちなのが環境です。集中力は、本人の能力や気合いだけで決まるものではなく、環境と習慣のつくり方によって大きく変わります。
●中学2年生まではリビング学習を基本に
まず、学習環境として大切なのは、中学2年生まではリビングで勉強することです。
中学3年生になると、子供は自然に勉強の自覚ができるので、自分の部屋で勉強することもできます。しかし、それまでは、みんなのいる中で勉強することが大事です。
これは、あとから「リビング勉強に戻そう」としても難しいからです。小さいころから「勉強はみんなのいるところでする」と決めておくことです。
●リビング学習で気をつけたい「音」の問題
ただし、リビング学習で注意したいのが「音」です。テレビやビデオやYouTubeなど、音声が出るものは勉強の妨げになります。音があるだけで集中力が途切れやすくなります。
家庭で子供が勉強しているときに家族がテレビを見る場合は、ヘッドホンで音が外に出ないように配慮してあげることです。機械文明の中では、機械の弊害が出ないように、別の機械を利用する工夫も必要になります。
●集中力の土台は毎日の習慣づくり
次に、集中力の土台としていちばん大切なのは、毎日決まったことをする習慣です。
成績が上がらない原因の多くは、能力でも勉強法でも塾でも先生でもなく、ほとんどの場合、毎日勉強する体制になっていないことだけです。
小中学生の勉強は、入試問題を解く勉強以外は、難しいことは何もありません。しかし、毎日ではなく、宿題があるときだけ、塾のあるときだけというやり方だと、必ずどこかで分からないところが出てきます。それが積み重なると、どこから手をつけていいか自分でも分からなくなります。
●「まとめて勉強」では力はつかない
そこで、ある日突然、思いついて急にたくさん勉強を始めることがあります。けれども、学力は毎日の積み重ねでできるものなので、1週間分を1日でやって残り6日何もしないという形では力がつきません。短い時間でいいので、毎日同じ時刻に同じ勉強をする体制を作っておくことが大事です。
勉強は、たくさんさせるよりも、毎日欠かさずさせることを重点にします。
●長時間勉強の落とし穴
ただ、ここで親が気をつけたい点があります。小学校低中学年のころに毎日たくさん勉強をさせると、学年が上がるにつれて反動が来ることがあります。その兆候として多いのが、集中力の乏しい勉強を長時間だらだら続けるような習慣がついてしまうことです。
お母さんは、子供が長い時間勉強していると安心し、短い時間で終わらせると不安になるものです。しかし、短い時間で仕上げる姿勢の方が、集中力のある勉強につながります。低学年で親の話をよく聞く子ほど、長時間勉強できてしまうことがありますが、親はそれを見て満足せず、「もう勉強やめて、あとは自分の好きなことをして遊びなさい」と言ってあげる必要があります。子供の本当の心は、親にそう言われるのを待っているのです。
●だらだら勉強を生む三つの原因
子供がだらだら勉強する原因も整理しておきます。
第一は、早く終わると追加の勉強をさせられる可能性があるケースです。一度でも「早く終わったから追加」をすると、子供はよく覚えていて、なるべく早く終わらせないようになります。
第二は、ページ数などの量ではなく「時間」で区切る勉強になっていることです。時間の枠を決められると、その時間を楽に過ごす方向に流れやすく、自分で能率よくやろうという気になりにくいのです。
第三は、勉強する時間が長すぎる、量が多すぎることです。目の前に膨大な勉強があると、すぐに取りかかる気になれません。
●本当の集中力は成長とともに現れる
集中力について最後に言えば、子供が成長して中学3年の受験期になったり、高校生・大学受験の時期になったりすれば、誰でも自然に集中力を発揮するようになります。その時期の内側から湧き上がる集中力が本当の集中力です。
小学生の間は、集中できないのが本来の姿です。ですから、小学生の勉強はなるべく短時間で終わるものにし、親は「気が散るのが自然」と考えて、無理のない勉強の仕方をしていくとよいのです。ちゃんと育っている子であれば、必要なときには必ず集中力を発揮します。今集中力がないのは、まだその時期ではないからです。
https://youtu.be/G0NxxzIu8is
●読書時間が取れない子の落とし穴
真面目にきちんと勉強しているにもかかわらず、勉強のスピードが遅く、いろいろなことに手が回らない子がいます。そうした子は、ゆっくり本を読む時間が取れません。その結果、学年が上がるにつれて成績が下がっていきます。成績が下がるのは国語だけではなく、算数、理科、社会など、すべての教科に共通して表れてきます。
●小5から広がる読書力の差
読書とは、日本語で文章を読むことです。読書を通して、日本語で考える力が育ちます。小学校4年生までの勉強は、やり方がわかれば誰でもできる、考える必要の少ない勉強です。しかし、小学校5年生からは、考える力が必要な勉強が始まります。このときに、読書力の差がはっきりと表れてきます。
●読書の効果は半年後に表れる
ただし、読書を始めてすぐに効果が出るわけではありません。読書の効果が実感できるまでには、半年ほどかかります。だからこそ、気長に読書の習慣をつけておくことが大切です。読書力による学力の差は、学年が上がるほど大きくなります。小学生よりも中学生、中学生よりも高校生、さらに大学生になるにつれて、その差は広がっていくのです。
●家庭学習の中心は読書
そのため、小学生時代の勉強で最も優先すべきことは、読書の時間を確保することです。読書の時間は、宿題の時間よりも優先されるべきです。宿題は多くの場合、単なる作業で終わってしまいます。できる問題はもともとできる問題であり、できなかった問題も、あとで繰り返さなければ身につきません。勉強の中心は家庭学習であり、家庭学習の中心は読書なのです。
●成績よりも読書力を育てる
小学校4年生までの成績の差は、本質的な差ではありません。この時期に大切なのは成績ではなく、読書力です。読書力は目に見えにくいものですが、確実に学力の土台となり、学年が上がるにつれて成績として表れてきます。
●低学年は読み聞かせから
小学1、2年生で自分から本を読まない場合は、保護者が読み聞かせをしてください。耳から入る読書は、目で読む読書の大切な土台になります。低学年の読書力は音読で判断できます。本をすらすら読める子は問題ありませんが、つっかえながら読む子は、読書の面白さをまだ感じられていません。ただし、音読をさせたときには、つっかえながらであっても、必ず褒めることが大切です。子どもは、褒められることで成長します。
●面白い本を選ぶ工夫
音読が普通にできる子には、読書量を増やすことが必要です。そのためには、面白い本を与えることです。ただし、おばけの本や殺人の本など、刺激だけで引きつけるものは避けるべきです。読んで心がすがすがしくなるような、本当に面白い本を選ぶことが大切です。
●読書の幅を広げる段階へ
本がよく読める子は、説明文や意見文へと読書の幅を広げていきます。図書館のノンフィクションコーナーや、中高生向けの新書シリーズなどから、興味の持てそうな本を探すとよいでしょう。ただし、読書力が十分でないうちに難しい本を読ませると、かえって読書量が減ってしまいます。複数の本を並行して読み、無理なく読書を続ける工夫も有効です。
●学年が上がるほど差が広がる理由
小学生時代に身につけた読書力は、中学、高校での学力に直結します。学年が上がるにつれて成績が伸びる子と、逆に下がる子の違いは、読書力の差です。本当の国語力とは、漢字や文法ではなく、読解力です。その読解力の基礎にあるのが、日々の読書習慣なのです。