https://youtu.be/J6OicIs7UuE
●点数のための勉強が中心になっている現代の教育
現代の勉強の多くは、記憶した知識を再現するための勉強です。そうした勉強が多いのは、子供たちの学力に点数をつけ、差が分かるようにするためです。
しかし、これは教育の本来の目的ではないはずです。子供たちの学力を向上させることが本来の目的であり、点数をつけて差を出すという発想は、主に受験指導の必要から生まれてきたものです。
この体制に長年慣れていると、先生の仕事は子供たちに学力をつけることではなく、点数をつけることのように感じられてしまうこともあります。
本当の勉強とは、記憶をもとに点数をつけることではなく、考える勉強をさせることです。
●考える勉強としての作文の役割
その「考える勉強」の最も有効な方法が、作文を書くことです。
これからの教育は、記憶と点数の勉強ではなく、思考と作文を中心とした学びへと変えていく必要があります。
これからの時代に本当に必要とされる学力は何かと考えると、私は「考える力」だと思います。知識はテストで点数をつけやすい反面、時間がたつと忘れられがちです。
しかし、考える力は一度身につくと、その後のあらゆる学習や仕事の土台となり、長く生き続けます。
●作文を書くことで考える力は育つ
考える力は、定期的に文章を書くことで確実に育ちます。作文を書くという行為は、頭の中の考えを整理し、言葉として外に出す作業です。
この過程そのものが思考の訓練となり、国語だけでなく、算数や理科、社会といった他教科の理解にも良い影響を与えます。
作文力は、中学生の時期だけで終わるものではありません。高校生になっても、大学生になっても、そして社会人になってからも必要とされる力です。
●作文力の土台は読書力にある
作文力の土台となるのは、読書力です。特に小学3、4年生のころに読書の楽しさを覚えると、言葉が実感を伴って心に入るようになります。
この時期に物語を多く読む経験は、物語文の読解力だけでなく、説明文や意見文を理解する力の基礎にもなります。
小学3、4年生の作文では、上手に書かせようとするよりも、楽しく、たっぷり書かせることが大切です。その経験が、後の作文力の大きな土台になります。
●学年が上がるにつれて広がる思考の幅
小学5年生になると、子供たちの考える力は一段階伸びてきます。この時期から、説明文や意見文、感想文など、考えを整理して述べる作文に取り組めるようになります。
文章を要約したり、構成を意識して考えたりする力も、このころから育っていきます。
作文の力は、書く練習だけで伸びるものではありません。読む力が土台にあり、家庭での対話が語彙を増やし、考える力を深めます。
日常の会話の中で、「どうしてそう思ったのか」「ほかにはどんな考えがあるか」と問いかけることが、思考の幅を広げていきます。
●算数・読書・AI時代に求められる力
算数や数学の勉強も、考える力を育てる重要な役割を果たします。算数数学を学ぶことで、「物事は理詰めに考えれば答えにたどり着ける」という感覚が身につきます。
感情や直感に流されがちな日常だからこそ、算数数学にじっくり取り組む時間が大切です。
読書は、さらに考える力を強くします。読書力のある子は、難しい数学の図形問題の解説でも、考えながら読み、理解しようとします。
AI時代になり、「考える力が育たなくなるのではないか」という不安の声もあります。しかし重要なのは、AIを使わせないことではなく、「どう使うかを自分で選ぶ力」を育てることです。
作文と読書、そして対話を通して育つ日本語力は、考える力の基盤です。この基盤を小学生のうちから丁寧に育てることが、将来につながる本当の学力をつくるのだと思います。