https://youtu.be/J6OicIs7UuE
現代の勉強の多くは記憶した知識を再現するための勉強です。そういう勉強が多いのは、子供たちの学力に点数をつけて差が分かるようにするためです。
これは教育の本来の目的ではないはずです。子供たちの学力を向上させることが本来の目的で、点数をつけて点数に差が出るようにするには、するのは、単に受験指導の必要から出てきていることです。
しかし、この体制に長年慣れていると、先生の仕事は子供たちに学力をつけることではなく、点数をつけることのように思ってしまうことも多いのです。
本当の勉強は、記憶を基にした点数をつけることではなく、考える勉強をさせることです。
その考える勉強のいちばんの方法が作文を書くことです。
これからの教育は、記憶と点数の勉強ではなく、思考と作文の勉強にしていく必要があるのです。
これからの時代に本当に必要とされる学力は何かと考えると、私は「考える力」だと思います。知識はテストで点数をつけやすい一方、時間がたつと忘れられがちです。しかし、考える力は一度身につくと、その後のあらゆる学習や仕事の土台となり、長く生き続けます。
考える力は、定期的に文章を書くことで確実に育ちます。作文を書くという行為は、頭の中の考えを整理し、言葉として外に出す作業です。この過程そのものが思考の訓練になり、国語だけでなく、算数や理科、社会といった他教科の理解にも好影響を及ぼします。作文力は中学生の時期だけで終わるものではありません。高校生になっても、大学生になっても、そして社会人になってからも必要とされる力です。
作文力の土台となるのは、読書力です。特に小学3、4年生のころに読書の楽しさを覚えると、言葉が実感を伴って心に入るようになります。この時期に物語をたくさん読む経験は、物語文の読解力だけでなく、説明文や意見文を理解する力の基礎にもなります。小学3、4年生の作文では、上手に書かせようとするよりも、楽しく、たっぷり書かせることが大切です。その経験が、後の作文力の大きな土台になります。
小学5年生になると、子どもたちの考える力は一段階伸びてきます。この時期から、説明文や意見文、感想文といった、考えを整理して述べる作文に取り組むことができるようになります。文章を要約したり、構成を意識して考えたりする力も、このころから育っていきます。
作文の力は、書く練習だけで伸びるものではありません。読む力が土台にあり、家庭での対話が語彙を増やし、考える力を深めます。日常の会話の中で、「どうしてそう思ったのか」「ほかにはどんな考えがあるか」と問いかけることが、思考の幅を広げていきます。
算数や数学の勉強も、考える力を育てる重要な役割を果たします。算数数学を学ぶことで、「物事は理詰めに考えれば答えにたどり着ける」という感覚が身につきます。日常生活では、直感や感情に流されがちですが、だからこそ、ある程度の時間を取って算数数学に取り組むことが大切なのです。
読書は、さらに考える力を強くします。読書力のある子は、難しい数学の図形問題の解説であっても、考えながら読み、理解しようとします。一方、読書力が十分でないと、難しい文章に向き合う前に諦めてしまいがちです。
AI時代になり、「考える力が育たなくなるのではないか」という不安の声もあります。しかし重要なのは、AIを使わせないことではなく、「どう使うかを自分で選ぶ力」を育てることです。AIを使って考え、表現し、対話する経験こそが、これからの社会を生きる力になります。
作文と読書、そして対話を通して育つ日本語力は、考える力の基盤です。この基盤を小学生のうちから丁寧に育てることが、将来につながる本当の学力をつくるのだと思います。