今の世界経済は、行き詰まっています。先進国はどれだけ金融緩和をしても景気は上向かず、株価だけがマネーゲームで上がり(ということはそのうち下がることがあるのですが)、貧富の差はますます広がっています。そして、国家の財政赤字も日々拡大し、それが縮小する見通しはありません。
しかし、これを政策が悪いからだと言うことはできません。政治は今の時点でできることをやるために、できる限りの工夫をしているはずです。だから、国民のすることは、批判する対象を探すよりも、自分のできる場所で日本が直面する困難に立ち向かっていくことです。
そして、その一方で、その困難を克服したあとにこれから迎える新しい社会を生きる子供たちを、どう育てていくか考えることです。
今の世界の行き詰まりの最も大きな原因は、経済の新しいフロンティアが見つかっていないことです。
先進国がこれまで担ってきた工業社会は、グローバリズムの流れの中で、新興国、中心国に拡散していきました。新興国は、低賃金と最新設備によって、先進国から工業生産の主要な役割を引き継ぎました。
先進国は、理屈の上では、より高度な工業生産を目指していけばよかったはずなのですが、高度な工業生産は、これまでの工業のような多数の雇用を必要としませんでした。
雇用を増やさずに生産性を高める大企業と、所得を低下させ消費力を減退させていく大多数の消費者との間の矛盾が今の社会の行き詰まりの大きな原因です。
だから、これから作るべき新しい社会は、これまでのような生産を一手に引き受ける少数の大企業と、消費だけを一手に引き受ける多数の消費者によって構成される社会ではありません。
人類全体の生産力は、既に人類全体に必要な消費を埋めて余りあるものになっています。だから、先進国が率先して新しい消費と、その消費によって引き出される新しい生産を生み出す必要があるのです。しかも、その新しい生産は、生産に特化した企業によって行われるのではなく、消費者が生産者を兼ねるような形で行われなければなりません。
すべての人が消費者であるとともに生産者であるような社会を作ることによって初めて流れの止まっていた通過が動き出し、経済が自然な活性化を取り戻すのです。
江戸時代の三百年間は、経済の停滞した時代と考えられています。しかし、その中で、日本独自のさまざまな文化が生まれました。その文化を担ったのが、消費者でありかつ生産者でもある大衆の中から生まれた無名の独創家でした。今の日本が目指すのも、こういう時代です。
これまでの社会では、人間は労働者でありかつ消費者でした。労働者というのは生産者ではなく、生産者の手足となって働く人です。生産者とは、自分の意思で物を作り出す人ですから、生産者とは別の言葉で経営者と言ってもいいでしょう。
未来の社会は、誰もが経営者でありかつ消費者でもあるような時代、つまり、生産と消費の両方を兼ね備えた人間の本来の姿に近づく社会になるのです。
今の子供たちが将来社会に出るころには、そのような誰もが経営者でありそして消費者であるような世の中になっているでしょう。その時代を生きていくために、今大事なことは、経営者となるための子育てを上手に行っていくということです。
一昔前までは、経営者になることは大変でした。まず大変なのは、資金を作ることでした。なぜ資金が重要だったかというと、物を作るのにも、それを売るのにも、事業所を確保するのにも、何をするにも資金が必要で、その資金を提供してくれる機関も限られていたからです。
しかし、今は、経営者になることは昔よりもずっと簡単です。それは、パソコンとインターネットとソーシャルサービスと3Dプリンタの時代には、物を作るのにも、それを売るのにも、場所を確保するのにも、資金はほとんど必要ないからです。そして、資金を提供してくれる機関も人も、アイデアさえよければいくらでもいます。しかも、昔は失敗したらあとがないという悲壮な決意をした起業も、今はアメリカ並みに、失敗はむしろ自分の経験になるという感覚に近づいています。
こういう時代に、経営者(生産者)になるために必要なものは、個性と、個性に支えられた創造性と、その個性を支えるバランスのよい学力と、社会生活を円滑にするための人間関係です。昔のように、優れた学歴さえあればどこからでも引く手あまただったという時代は、もう過去のものになっています。学力が必要なのは、学歴のためではなく、自分が仕事をする際にいろいろな場面で学力が必要になるからなのです。
このような社会がくることを前提にして考えると(それはもう既に来ているのですが)、子育ての重点のひとつは、個性を育てることです。もうひとつは、バランスのよい学力を育てることです。そして、この二つが、言葉の森が今行っている「オンエア特別講座」や「寺子屋オンエア」や「オンライン作文」や「森林プロジェクト」に結びついているのです。
それでは、それを順番に述べていきたいと思います。
まず、個性を育てることについてです。
個性を育てるためには、その子の個性を発見しなければなりません。ところが、日常生活で見られる個性というものは、日常生活自体があまり変化や多様性がないことから、誰でも似たり寄ったりのものなりがちです。その子がどういうことに興味や関心を持っているかということが、選択できる興味や関心の分野にあまり広がりがないために平凡なものになってしまうのです。(つづく)
※次回は、「どのようにして個性を発見するか」です。
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公立中高一貫校講座で、参加した生徒と保護者の方が、似た問題を作成してくれました。
解き方が4つも書いてあったので、とても参考になりました。
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【問題】1辺16cmの正三角形を、1辺が1cmの正三角形で分けると、小さい正三角形はいくつになりますか。
■解き方1
1辺の長さ1……増える正三角形1……全部の正三角形1
1辺の長さ2……増える正三角形3……全部の正三角形4
1辺の長さ3……増える正三角形5……全部の正三角形9
1辺の長さ4……増える正三角形7……全部の正三角形16
1辺の長さ5……増える正三角形9……全部の正三角形25
……
1辺の長さ16……増える正三角形?……全部の正三角形?
と表を使って、1辺の長さと全部の正三角形の数の間に次の式が成り立つことを見る
全部の正三角形=1辺の長さ×1辺の長さ
■解き方2
16cmの正三角形の中には、8cmの正三角形が4つあると考える。
8cm 〃 4cm 〃 4つ 〃 。
4cm 〃 2cm 〃 4つ 〃 。
2cm 〃 1cm 〃 4つ 〃 。
すると、4×4×4×4が、16cmの正三角形の中にある1cmの正三角形の数となる。
■解き方3
1cmの正三角形の高さをhcmとすると、1cmの正三角形の面積は、1×h÷2。
16cmの正三角形の面積は、16×(16×h)÷2だから、
16cmの正三角形の面積÷1cmの正三角形の面積を次のように求めることができる。
(16×16×h÷2)÷(1×h÷2)
■解き方4
1cmの正三角形を2つ、上下を互い違いに並べて1つの平行四辺形を作る。
1cmの辺の平行四辺形は1つ。
2cmの辺の平行四辺形には、1cmの辺の平行四辺形が4つできる。
3cmの辺の平行四辺形には、1cmの辺の平行四辺形が9つできる。
……
16cmの辺の平行四辺形には、1cmの辺の平行四辺形が?つできる。
この関係は、「1cmの辺の平行四辺形の数=辺の長さ×辺の長さ」だから、16×16が答え。
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問題と解き方を送ってくれた方、ありがとうございました。
なお、あとから気がつきましたが、1回目の講座で説明した「増える正三角形の数」を加えるやり方ではなく、最初から全部の正三角形の数との関係を考えた方がずっと簡単でした。
続いて、もうひとつ別の人が考えた似た問題です。
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【問題】1枚の紙を2枚に分け、次のその分けた2枚の紙をそれぞれ2枚に分けます。そのように繰り返していくと、20回めに分けたときに、紙は全部で何枚になるでしょう。
1回目……2枚
2回目……4枚
3回目……8枚
4回目……16枚
……
20回目……?枚
法則を見つけ、計算の仕方を工夫して考えてみましょう。
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公立中高一貫校の対策は、このように、正しい答えを探すよりも、自分で似た問題を作ったり、別の解き方を考えたりする考える過程が大切です。
こういう考える過程を親子で楽しんでいくといいと思います。
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2月24日(水)に、オンエア特別講座の公立中高一貫校講座で南高附属中2015年の算数の問題の解説をしましたが、時間不足で説明し切れないところがありました。
その部分を追加で動画としてアップロードしました。
▼問題1(約30分)
https://youtu.be/1ef1Dbsp_MQ
▼問題2(約10分)
https://youtu.be/iIgaFDN2yio
youtubeはgoogle chromeで見ると、2倍速ぐらいに速くして見ることができます。
公立中高一貫校の適性検査の算数問題は、思考力+計算力という面があります。
大事なことは、
(1)まず手を動かし図を書いて考えること
(2)図は正確に素早く書くこと
(3)計算は縦横きれいにそろえること
(4)傾向がわかるまで繰り返してみること
(5)計算は暗算せずにひとつずつ書いて計算すること
(6)立体の問題は(家でやるときは)実際に厚紙を切って確かめてみること
などです。
このうち、最も大事なのは、手を動かして図を書いてみることです。
普段の勉強でも、何しろ手を動かしてみるととというのをやっていくといいと思います。
これは、もちろん作文でも同じです。
構成図を書くというのは、まず手を動かしてみるということです。
難しいことを考えるときは、まずチラシ書き風に自分の思いついたことを書いてみます。すると、書いているうちに、自分が何を考えているのかがわかってきます。
これは、親子作文コースでも同じです。
お母さんとお子さんが協働で作文を書くときに大事なことは、お母さんが手をできるだけ休めずに書いていくことです。
話が脱線してもかまわないという気持ちで書いていくと、自由な発想が次つぎに湧いてきて面白い作文が出来上がるのです。
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