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形だけ整えた書き方―ご意見に答えて as/613.html
森川林 2009/08/29 10:28 
 小5の保護者の方から、(表現項目の)「『まるで』とか『分かったこと』などを簡単に考えている」ようだというご意見がありました。

 以下は、そのご意見に対してのお返事で、父母の広場に掲載したものです。


 ↑ 「形だけになる時期もあるよね」「サイですか」

 確かに、項目は形だけ書いておしまいにするという書き方もできます。

 こういう書き方をする原因は、二つあります。

 第一は、語彙力がまだ不足しているために、形だけの書き方になってしまうという場合です。

 第二は、勉強に対する自覚が不足しているために、形だけ書いて早く終わらせてしまうという場合です。

 語彙力の不足に関しては、自習によって読む力をつけることで少しずつ改善していくことができます。

 自覚の不足に関しては、親や先生が話をして自覚することもありますが、長い間続けているうちに、子供自身が形だけで終わらせてしまう勉強に空しさを感じ、よりよい文章を書くように心がけるようになってきます。

 当面は、自習の強化をしやすいように工夫していきたいと思っています。


 以下は、父母の広場には書きませんでしたが、関連する話です。

 小学5年生から中学2年生にかけては、身体よりも意識が先行する時期のようです。

 それまでの小学4年生までは、素直に大人の言うことを聞く時期で、意識と自分の実際の姿が結びついていました。

 しかし、小学5年生あたりから、今はそうではないが本来はこうあるべきだというような意識が成長してきます。このため、親の言うことにも反発することが出てきますし、自分で納得できないことはやらないという気持ちもでてきます。

 よく作文にウソを書く(脚色する)という問題が出てくるのもこの時期です。これは、大人になってからのウソと違い、自分でもそういうことができるのだということを試してみたいという心の表れですから、強く注意する必要はありません。ただ、「オーバーに書いて褒められるより、目立たなくても本当のことを書く方がいいんだよ」と話しておくことは大事です。そういう話をするだけで、子どもはすぐに理解します。

 表現項目を形だけ入れるというのも、この時期の意識の成長状態というところから考えていくことができます。子どもは、「形だけやって、◎をつけてもらって、うまくやった」ということを自慢してみたいという気持ちがあります。自分がそういう要領のいいやり方もできるのだということを試してみたいということなのです。

 ですから、このときの注意の仕方は、簡単に「もっとよく考えて書きなさい」と言うのではなく、もっとじっくりと話していく必要があります。どういう話かというと、人間が何のために勉強するのかということから始めて、◎をつけてもらうことよりも、自分自身が向上することが大事なのだということを、親の人生観としてしみじみと話していきます。どのような話であっても、親が真剣に言ったことは、必ず子どもの心の中に残ります。内容がすべては理解できなくても、漠然と、表面の評価よりももっと大事なのは内面の真実なのだということが伝わっていきます

 勉強に対してこのような自覚を持った子は、中学生になっても、高校生になっても、勉強に対する姿勢が違ってきます。点数のためではなく、自身の向上のために勉強するという自覚を持った子は、年齢が上がるにつれて実力をつけていきます。

 そう考えると、形だけ書いておしまいにするというのは、親が勉強の意義について話をするいいチャンスだと考えることもできます。

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作文の文章に話し言葉を使うケース―ご意見に答えて as/612.html
森川林 2009/08/28 10:56 
 小5の保護者の方から、「文章中に話し言葉があるので指導してほしい」というご意見がありました。

 以下は、そのご意見に対してのお返事で、父母の広場に掲載したものです。



 話し言葉を使うという場合、二つのケースが考えられます。

 一つは、文章を書くのが好きな子が、ところどころに軽いノリで自由な筆致で書く結果、話し言葉になるという例です。これは実力のある子の場合ですから、問題はありません。すぐに直ります。

 もう一つは、まともな書き言葉の文章の語彙が少ないために、話し言葉になってしまう場合です。

 例えば、「ぼくは、おばあちゃんちでねちゃいました」などは、書き言葉の語彙が少ないために話し言葉で書いてしまう例です。「おばあちゃんのうちで」「ねてしまいました」という文章語を読む機会が少ないために、そういう言い回しがなかなか使えないので話し言葉になってしまいます。

 この場合、厳しく注意して直るかというと、そういうことはなく、直るよりも注意の繰り返しで書くことが嫌になってしまう方が多いのです。

 注意する場合でも、「話し言葉で書かない」という一般的な注意ではなく、「この言葉は使わないこと」という一つか二つに限定した注意であれば効果はありますが、そのように限定すると、今度は指導する機会が少なくなります。

 したがって、話し言葉が多い子の場合は、まず文章的な言葉を読む量を増やしていくことが勉強の中心になります。

 大人は子供の表記のおかしい点をよく心配しますが、幼稚な話し言葉のまま大人になる子はいません。どの子も、中学高校と学年が上がるにつれて文章的な言葉で書けるようになってきます。それは、学年が上がるにつれて、書き言葉の文章を読む量が増えてくるからです。

 目につきやすい表記の面は、直接指導するよりも、読む量を増やすことによって気長に直すのが基本です。

 目につきにくい表現や構成の面が勉強の中心になると考えていってください。

 ただし、具体的に、「この言葉をこう使うのは気になる」ということがありましたら、担当の先生、又は事務局にご相談ください。

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記事 611番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/25
振替授業のときも担当の先生に―ご意見に答えて as/611.html
森川林 2009/08/27 09:49 
 小6の保護者の方から、「授業を休んで振替の授業を受けるときも、担当の先生に電話をしてほしい」というご意見がありました。

 以下は、そのご意見に対してのお返事で、父母の広場に掲載したものです。


 ↑ 言葉の森のペット犬ユメとツバメのひなのツーちゃん

 振替授業の先生が担当の先生でないのは、担当の先生という形を原則にすると指導の負担が大きくなってしまうからです。

 しかし、普段の先生に説明を聞きたいという事情もよくわかりますので、今後は、インターネットの掲示板などを利用して次のような振替授業のシステムにすることを考えています。

1、生徒がインターネットから振替授業の希望の日時を送信する

2、それを見た先生が、振替が可能かどうかを送信する

3、生徒と先生の振替日時が一致すれば、その日時で振替授業をする

4、一致しない場合は生徒が別の希望を再度インターネットから送信する

 できるだけ早く、そういうシステムを作りたいと考えています。


 なお、以下の話は、父母の広場には書いていませんが、指導と運営についてウェブの活用をもっと進めていきたいと思っています。

 今考えているのは、課題の長文をウェブで募集し、オープンソースの教材としてだれでも利用できるようにすることです。

 小学1・2・3年生の読解マラソン集の長文は、現在、講師が分担して書いています。

 長文の作成方針は、勇気と知性と愛のある説明文です。

 勇気というのは、読んでいて元気が出るような話を中心に書くということです。知性というのは、単なる知識の列挙ではなく、物事の因果関係が科学的にわかり、知的な喜びが感じられるような話を書くということです。愛というのは、根本に人間愛がある明るい話を書くということです。

 そして、できるだけ笑いのある文章を書くというようにしています。面白い表現があると、繰り返し読むときも飽きずに読めるからです。

 また、習っていない漢字もルビをふって書くようにしています。

 講師以外にも書き手がもっと多くなれば、こういう長文がたくさんできると思います。

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質問と意見(39) 

記事 610番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/25
実力がどのくらいついているか―ご質問に答えて as/610.html
森川林 2009/08/26 11:27 
 小6の保護者の方から、「よくがんばっているが、実力がどのくらいついているかわからない」というご質問がありました。

 以下は、そのご質問に対してのお返事で、父母の広場に掲載したものです。



 作文は、上手になったかどうかがわかりにくい勉強ですが、学年が上がるにつれて必ず上達しています。

 しかし、小4のころの作文の方が上手で、小6のころの作文の方が下手になったと感じることはだれでもときどきあると思います。

 これは、中学生になると更に顕著で、中学生になると、ほとんどの子が小学生のころよりも下手になったと感じると思います。

 それは、課題が難しくなったために、相対的にうまく書けなくなるからです。

 そういうときでも、気長に自習を続けて褒めてあげていると、更に学年が上がったときにその自習が生きてきてまた上手に書けるようになります。


 上達の目安は、項目とスピードと字数です。小6以上の生徒の場合は、90分以内に1200字の作文を全部の項目を入れて書けるようであれば実力はついています。

 時間がかかる、又は字数が伸びないという場合は、自習や読書などにもっと力を入れていく必要があります。


 なお、父母の広場には書いていませんが、作文力と字数力、語彙力、漢字力の関係は、図のようになります。作文力と相関の高いものから、順に、字数力、語彙力、漢字力となっています。

 作文力と字数力の相関は、かなり高くなっています。特に、小学校中高学年から中学生にかけては、そういう傾向が強くあります。小学校低学年の場合は、作文力と字数力はあまり関係がありません。

 作文力と語彙力の相関は、字数力についで高くなっています。もちろん、例外は多数あります。高校生になると、作文力と語彙力の相関は更に高くなります。

 作文力と漢字力の相関も、ある程度まであります。難しい漢字を自然に使える子は、読む力もあり、作文力もあるということです。

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記事 609番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/25
中学受験コースでの勉強―ご意見に答えて as/609.html
森川林 2009/08/25 09:28 
 小6の保護者の方から、受験コースに関するご意見がありました。

 以下は、そのご意見に対してのお返事で、父母の広場に掲載したものです。



 受験コースと通常コースに、それほど大きな差はありません。

 違うところは、過去問に合わせた課題で行うことと、先生の評価が厳しくなることです。

 通常の作文では、項目を指示してよくできたところを褒めて実力をつけることが目的ですが、受験の作文では、上手に書いて合格することが目的です。

 数ヶ月で実力は変わりませんから、実力をつけるのではなく、今ある実力でいかに勝負をするかという勉強になっていきます。


 家庭でご協力いただくことは、次のようなことです。

1、課題を見て、似た例や感想などを親子で話して、作文に書く材料を増やしておくこと

2、誤字や誤表記は、二十回ぐらい実際に手で書いて二度と間違えないように覚えておくこと

3、課題として書いた作文を手直しして、同じ課題で同じように書く練習をすること

 勉強の進め方についてご要望やご質問があれば、事務局までお問い合わせください。


 なお、作文については自信があるという子は、次のような勉強をしていくといいと思います。

(1)書くときに消しゴムを使わずに最初から完成した文章を書くように心がけること

(2)勉強が忙しくなっても読書の習慣を維持すること

(3)表現の工夫として、たとえよりも自作名言を入れてみること、などです。

 言葉の森新聞の自作名言の話


 読書を続けていると、作文や面接の意外なところで、その読書が生きてくるということがよくあります。

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