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那須高原の読書作文キャンプの記録 as/2986.html
森川林 2017/07/30 14:24 


 7月23日から29日までの1週間に、那須高原で2泊3日の読書作文キャンプを3つの組に分かれて行いました。

 この1週間は雨の多い天候でしたが、なぜかどの日も現地に着くたびに雨が上がり、みんなでたっぷり遊んできました。

 合宿所では、朝食前は暗唱、午前中は読書、夕食前は作文と発表会と、勉強的なことも盛り沢山に行いました。
 自由時間には、グルーガンで工作をしたり、廊下で風船バレーボールをしたり、それぞれ思い思いに好きなことをして遊びました。
 一緒に参加していただいた保護者のみなさんとは、夜の8時半から11時ごろまでいろいろな話で盛り上がりました。
 子供たちの世話や、掃除や片づけなど、いろいろお手伝いいただき本当に助かりました。

 23日からの1組は、ネットが接続できなかったため、発表会のライブ中継はできませんでしたが、NTTの人が雨の中で工事をしてくれたので、2組目からは発表会の中継ができるようになりました。

 ウェブカメラは7台ほどずっとオンエアにしていたので、保護者の方は、子供たちの勉強している様子や遊んでいる様子がよく見えたと思います。

 オートキャンプ場は、最初は近くの小川で遊んでいましたが、3組目のときに、テントサイトの奥にある自然の豊富な小川を見つけました。
 生き物がたくさんいる自然の川なので、子供たちは大喜び。大人も思わず夢中になってしまうほどでした。

 今回のキャンプは、できるだけ子供たちの自主性と自然との交流を生かすために、よくあるスイカ割りや花火大会などの全体の企画はせずに、いろいろな遊びの材料を提供するようにしました。

 体を動かすのが好きな子、物作りが好きな子、読書が好きな子など、それぞれの子がいろいろな楽しみ方をしていたようです。

 自然の中ですが、蚊やブヨはあまりいませんでした。
 しかし、グループ全体の害虫対策は、ヤブ蚊ジェットなど広い範囲で行いましたが、個々の子供への虫除けスプレーが手薄だったため、何人かが蚊やブヨに食われ、かなり痒い思いをした人もいたようです。
 今後は、一人ひとりの虫除け対策に、もっと力を入れていきたいと思います。

 食事は、近くの食堂やセブンミールにお弁当を頼む形を中心にしたので、大人が炊事に追われるようなことがなく、勉強と遊びに集中できました。
 しかし、時間的な余裕はあったので、次回は簡単なカレー作りなどに取り組んでもいいかと思っています。

 今回の1週間の連続合宿で運営面での見通しがついたので、今後はもっと長期間の夏合宿や、夏休みだけでなく連休や土日を利用した読書作文キャンプなどを行っていきたいと思います。
 また、読書や作文以外に、漢字合宿、暗唱合宿など、家庭では取り組みにくい勉強的なことも取り入れた合宿を行っていきたいと思っています。


オートキャンプ場の浅い川で水遊び。


テントサイトの近くの川。


暗唱しながら朝の散歩。


バーベキューはフランクフルトと大きなマシュマロ。


川にたくさん飛んでいた珍しいトンボ。


カエル、魚、エビ、ヤゴ、シジミなどいろいろな生き物がいた川。
(つかまえたあとは、みんなで逃がしてあげました)


付箋読書の説明の準備。


読書の時間は10冊の本を積んで読みました。


写してきた写真を参考に作文を書きました。

※このほかの記録写真のURLは、参加された保護者の方にのちほどご連絡します。

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森川林 20170730 1 
 雨の多い1週間でしたが、遊びに行くときだけ
なぜか雨が上がってくれたので、たっぷり川遊びができました。

nane 20170730 1 
参加された保護者のみなさんのご協力に感謝します。
子供たちも、安心して遊べました。
今度は、ライブカメラを屋外の遊びでもオンエアしたいと思います。

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親と子の教育的な接し方――未来の教育は喜びを語る教育 as/2985.html
森川林 2017/07/11 04:32 


 夏の朝です。青く広がる空の下で、お母さんが小さい子供に何か話しかけています。
「太陽が昇るのはどっち」
「ひがし」
「よくできたわねえ。じゃあ、太陽が沈むのは」
「にし」
「えらい、えらい。じゃあ……」

 子供に教育的に接することは大事なことです。
 しかし、それがともすれば知識中心の接し方になりがちなのが、現代の社会の特徴です。
 知識を教えるという接し方は、親にとっては「教える役割」、子供にとっては「教わる役割」という関係を生み出します。
 この「知識を教える―教わる」という教育関係は、やがて限界が来ます。

 それは第一に、知識のレベルが次第に上がってくるにつれて、親は冷たい接し方になるからです。
 第二に、子供はやはり知識のレベルが上がってくるにつれて、無味乾燥な受容の仕方になるからです。
 第三に、知識がやがて子供の方が豊富になってくると、そこで親子の教育関係は終わってしまうからです。
 そして第四に、もっと大事なことは知識を重視する社会がこれからなくなっていくからなのです。

 現在の社会は、知識を持つ人が優遇される形になっています。
 しかし、人工知能の発達によってこれから職業がなくなる分野として考えられているものは、高度な仕事とされていた豊富な知識を必要とする分野なのです。

 知識の豊富な人がある資格を取得し、その資格を元に仕事をするということは、これまでは自由で高収入な仕事の条件でした。
 学校教育も、そういう人を育てるような方向に編成されてきました。
 しかし、人工知能の発達によって、知識を中心とする仕事はこれから急速に人間の手から離れていくようになります。

 これからやって来るのは、知識を仕事の中心とする社会ではなく、喜びと創造を仕事の中心とする社会です。
 その喜びと創造の力を育てていくことが、これからの教育の目標になります。

 それでは、どうしたらそういう教育ができるのでしょうか。
 それは「知識を教える―教わる」という関係ではなく、教える側の父また母が喜びをもって何かを「為す」又は「話す」ことによってです。
 親のすることや話すことに接した子供が、それに憧れ自分もやってみたくなるという関係が、これからの教育の基本になります。
 両親や上級生や友達がやっていることを見て、それに憧れた子は、自分でもそれをやってみたくなります。

 そこには、もちろん基礎となる学力が必要です。
 しかし、基礎学力は、教科書に準拠した参考書や問題集を反復することができれば、自学自習で十分に身につけることができます。
 必要な基礎学力の上に、自分のしたいことをするというのが、これからの教育の基本的な形になっていくのです。
 この知識の勉強から喜びと創造への勉強というのが、これからの教育の方向です。

 このような将来の教育を実現するために、言葉の森では六つの取り組みをしています。

 第一は、もちろん作文教育です。
 文章を書くことを通して自分の考えを創造する力を身につけるのです。
 それをプレゼン作文発表会や作文検定で勉強の目標を作りながら進めていきます。

 第二は、その前提となる読む力を育てる教育です。
 読書、音読、暗唱に力を入れることによって、多様な知識を吸収する力を身につけていきます。
 暗唱については、暗唱検定で勉強の目標を作っていきます。

 第三は、自主学習クラスです。
 他人に頼らずに自分自身で勉強し、そのきっかけとして友達や先生と学ぶ場を共有するという仕組みです。
 暗唱という自学自習も、この自主学習クラスを利用すれば容易に続けていくことができます。

 第四は、思考発表クラブです。
 自分なにり考え、その結果をみんなの前で発表することによって、相互に知的な向上心を高めていく学び方です。

 第五は、今年、読書作文キャンプとして行なっている自然寺子屋合宿です。
 実際に自然や友達と接することよって、勉強ばかりでなく人間や自然との交流も学んでいきます。

 そして第六は、これらの教育を実現するための組織作りとしての森林プロジェクトによる作文講師資格講座です。

 これらのトータルな企画で、日本のこれからの教育をよくしていきたいと思っています。
 青い空を見て、「太陽が昇るのはどっち」という話をするだけでなく、お母さんが子供に、「あの空を見ると、お母さんは、またいつか夏山に登ってみたいなあと思うのよ」と自分の喜びを語るような接し方が、未来の教育的な接し方になっていくと思います。

この記事に関するコメント
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森川林 20170711 1 
 喉が渇けば、馬は自然に川の水を飲もうとします。
 無理に飲ませる必要はありません。
 大事なのは、自分自身がおいしそうに水を飲むことです。
 それは勉強も同じです。
 勉強を嫌いだった親が、子供に勉強させようとしてもうまく行きません。
 親自身が今の自分の興味の範囲で勉強好きになることが、子供を勉強好きにさせるいちばんの方法です。
 しかも、それは子供が小さいときほど影響が大きいのです。


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