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「反対意見への理解」に見る日本的な和の意見文 as/549.html
森川林 2009/07/07 09:41 


 日本と米国の作文教育には、違いが幾つかあります。日本では低学年からの生活作文が充実しています。喋る言葉がほとんどそのまま書き言葉になるので、日本では作文教育の年齢が諸外国に比べてかなり早いのです。わずかに教えにくい例外は「わ」と「は」や「お」と「を」の区別ぐらいです。

 それに対して米国では、子供のころからの単純な口頭説明の練習があります。文章を書くのではなく口頭で、家から持ってきたものなどをみんなの前で説明させるのです。そして、文章が書けるような年齢になると、簡単な説明文から簡単な意見文の練習に発展していきます。

 アメリカの意見文の特徴は、構成がはっきりしていることです。意見や理由や反論を明確に述べる形の文章です。これがディベートという論争ゲームにつながっていきます。これは日本には見られない特徴です。

 しかし、日本にも意見文の作文があります。それが言葉の森の「一つの意見と複数の理由」という書き方です。意見とその理由を書くところまでは、米国の作文とあまり変わりませんが、そのあと、言葉の森の作文では「反対意見に対する理解」が入ります。相手の批判に対する反論ではなく、相手の批判に対して理解を示すというのが言葉の森の意見文の特徴です。

 アメリカの意見文では、反対が新たな反対を呼び、それが弁証法的に発展していくという前提があります。これは自由貿易主義の自由競争が、富める国と貧しい国の双方にとって有利になるという前提と似ています。強い者が勝ち、より強くなったものが次に勝ち、更に強くなったものが更に次に勝つ、ということを繰り返すことによって、世の中は自然に発展していくという考え方です。

 言葉の森の意見文の「反対意見の理解」は、弁証法という形には進みません。「総合化の主題」という方向に進みます。日本では、対立する意見に対しても和を大事にするという考えがあるからです。言葉の森の意見文は、弁証法のように正反合という形で進むのではなく、ある意見と異なる意見を総合化してより大きな意見にまとめるという方向に進みます。

 弁証法的な方法が時間的な統合であるならば、総合化は空間的な統合といってもいいでしょう。欧米の料理が時間的な順序で現れてくるのに対し、日本の料理が空間的に配置されることと似ています。

 具体的な実例を述べてみましょう。

 機械化が良いか悪いかということを弁証法的に対立する意見として考えるならば、双方の意見が対立しているときは、機械による合理化を進める意見と合理化に反対する意見が対立し、時には、機械打ち壊し運動というような実力行使に進むかもしれません。

 日本の場合は、機械とどう共存するかという発想がまず最初に出てきます。日本の工場ロボットが「百恵ちゃん」などと名前をつけられて人間と一緒に共同作業をしているのは、たぶん日本人のこのような和の発想が生きているからだと思います。

 ペットの犬を見てみると、欧米では犬の耳を切ったりしっぽを切ったり、人間の都合に合わせて動物を管理するという面が強くあります。日本では、そういう発想はあまりありません。逆に、日本の猫はしっぽの折れているものが多いのですが、その折れ具合がかわいいなどという考えもあります。

 つまり、自分の考えと合わないものを批判するのではなく、合わないものと共存するところに、日本の「反対意見に対する理解」と「総合化の主題」という意見文の特徴があるのです。日本では犯罪が極めて少ないことが知られています。(殺人事件は、日本を基準にすると、イギリス、フランス、中国は2倍、アメリカは5倍、ロシアは20倍です。強盗事件は同じく、中国が3倍、フランスが10倍、ロシアが20倍、アメリカが30倍、イギリスが40倍です)。異なる意見に対し、力で対抗するのではなく、譲り合いで対応するという日本人の発想が治安のよさにつながっているのだと思います。

 日本には、「石の上にも三年」という言葉があります。嫌なことでも三年我慢していれば、総合化の展望が見えてくるというのです。これに対して、欧米では、「ローリングストーン ギャザーズ ノーモス(転石苔を生じず)」で、嫌なことがあったら、さっさと別の場所に移って新しい人生を始めようという発想です。

 このどちらがいいということは一概に言えませんが、日本の文化や日本の社会に根づいているのはやはり忍耐と和の考え方なのです。

 ここで、反対意見に対する理解を入れると、確かに、弁証法の発想は、世の中が激しく変化するときには有効です。例えば、信長の比叡山の焼き討ちなども、そういう激しい行動がなければ日本の国家の統合と発展は、かなり遅れたはずだからです。しかし、平和な時代の平和な社会には、弁証法ではなく総合化の発想が大事です。これから世界は、大きく平和に向かっています。日本人の意見文の発想がますます求められていると思います。


(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)


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父母の声より(その1) as/548.html
森川林 2009/07/06 12:37 
▼5回の指導で驚くほどの進歩(小3父母)

 体験を入れて5回の指導を受けただけで、親が言うのも変ですが、驚く進歩です。大きく変化したのは、書こうという気力です。「作家気取り」で「ここはこうした方がいいと思わない?」……と鉛筆片手に考え考え書き上げています。最近学校から持ち帰ってきた作文は「会話文を入れる」「たとえ」「思ったこと」「擬音」全てをクリアしていて、大きな花丸でした。以前は、担任の先生から話をさせると素晴らしいのに、書かせると今一つ、とてももったいないとの評だったのですが、今回は好評でした。

●書き出す前の指導(言葉の森より)

 子供は目標がわかると、やる気が出ます。その目標が、ちょっとがんばれば達成可能だと分かると、更にやる気が出てきます。

 通常の作文指導は、まず書かせて、そこから評価をするというやり方が多いと思います。目標なしに書かせて、あとから評価をするという指導です。俳句や短歌の添削であればそういうやり方も可能ですが、作文の場合、書き上げたものを評価するという方法にすると、書き出すまでのハードルが高くなってしまいます。大学受験生のように試験が迫っている生徒は、それでも書き出すことができますが、試験のようなものの特にない小中学生が作文を書く練習をする際は、書き出すための事前指導が重要になってきます。この事前指導があることによって、子供自身が何を要求されているかわかるということが、勉強を進める上で大切です。

 この場合、親や先生など周りの大人は、事前指導したもの以外の評価はしない、という抑制を自身に課しておくことが必要です。アドバイスをするのは、書いたあとではなく、次の作文を書き出す前にするというのが作文の勉強をスムーズに進めるコツです。

 子供たちが意欲的に取り組めるように、更にわかりやすい指導をこれから心がけていきたいと思います。

▼ニュースにも興味を示すようになった(小3父母)

 いつもお世話になっております。欠かさず作文は書いて、先生とのやり取りも楽しんでいる様子です。さて、最近、3年生になって、長文音読の題材がよくテレビに出てくると、「この話、「言葉の森」で読んだ話だ!」と言って、ニュースなどに興味を持つことが多くなりました。ありがとうございます。

 一つ心配なことは、そろそろ塾などでやる長文読解が長くなり、いつも時間に追われて習い事をしている娘は、どうしても長文をゆっくりと作者の気持ちになって考えることができず、そのときの直感で答えているようです。親からは何かアドバイスすることがあるのでしょうか?

●読解の問題は、問題文からヒントを見つけるように読む(言葉の森より)

 難しい言葉でも、一度接したことがあると身近に感じます。中学1年生の課題で「アイデンティティ」の話がありますが、高校生でもこういう言葉を知らない人はかなりいます。ふだん接する文章は、その学年に応じた易しいものが多いので、勉強として読む文章はできるだけ日常生活を超えた話題のものを読んでいくといいと思います。

 さて、国語の読解で「作者の気持ちになって考えることができない」のは、時間がないからだと思います。読解の問題は、問題文中に必ずヒントがあります。そのヒントをつかむように読むことが大切です。ほとんどの子は、自分の直感で登場人物の心情を読み取ろうとします。ふだんの読書はそういう読み方でいいのですが、国語の問題は問題文中からヒントを見つけるように読んでいかないと得点は取れません。

 間違えた問題を一緒に分析してみて、どこにこの答えのヒントがあるかということを納得させると力がついてきます。

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質問と意見(39) 

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日本の優れた技術や文化はどうして生まれたか as/547.html
森川林 2009/07/05 21:47 




 日本は、豊かな雨と豊かな太陽に恵まれた国です。そして長い間、平和な時代が続きました。このような国では、場合によっては、南の島でバナナを食べて毎日昼寝をするような、停滞した平和な国になっていたかもしれません。しかし、それを競争や闘争のような方法ではなく、平和の中で文化の洗練度を深める方向で発展させていったというところに日本の文化の特徴があります。


 人間が成長してから学ぶ学問や技術という材料は、どの国もそれほど変わりません。と考えれば、日本のすぐれた文化は、材料ではなく、その材料を入れる枠組みの中にあると考えることができます。幼児期までに形成された認識の枠組みの中に、日本のすぐれた文化の秘密があります。その枠組みとは、日本語の枠組み、日本の生活の枠組み、日本の文化の枠組みなどいくつか考えられますが、最も大きなものは、長い間の平和の中で培われた察し合いの文化という枠組みです。


 察し合いの文化は、譲り合いの文化を生み出しました。交通事故で車と車がぶつかったときも、まず「すみません」と謝るのが日本人です。謝ったら不利になるなどという発想は、日本人にはありません。

 察し合いの文化は、人に対してだけでなく物に対しても向けられました。針供養というのは、一年間仕事をしてくれた針に対する感謝の気持ちを表す行事です。

 このような文化が、自然や社会に対する深い観察を生み出し、その自然や社会に自分を合わせるという対応の仕方を作り出していきました。これが、日本の優れた技術や文化を生み出す土台になったのです。(しかし同時に、学問の世界では、膨大な文献を消化することを優先するという傾向も生み出しました)


 日本の察し合いの文化に対して、欧米など日本以外の国は、長い間の戦乱の歴史の中で、自己主張の文化を形成しました。自己主張の文化は、ディベートの文化です。相手の気持ちや物の様子を謙虚に観察しようとするよりも、相手を自分に合わせて判断することをまず考えるのが自己主張の文化です。この文化の中では、観察はどうしても大まかになります。

 日本人が歪みの中に美を見出せるのは、城の石垣の石組みのように歪みを個性として生かすことを知っているからです。日本以外の国で、歪みよりも均整の美が好まれるのは、均整のとれたものは自分の考える用途に合わせて利用しやすいからです。


 このように考えると、日本人の子育てで大事なことは、相手の気持ちを考える察し合い文化を守っていくことです。これは、もてなしの文化といってもいいと思います。このもてなしの文化が、平和と豊かさ中でも進歩を続けるという日本の国の特徴を生み出したのです。

 相手が喜ぶように行動する、例えば、席を立ったらイスをしまう、玄関を上がったら履物をそろえる、食事をとったらあとを片付けやすいようにしておく、立つ鳥は後を濁さない、こういうような生活を繰り返していくことが、実は、日本が世界に誇る優れた技術や文化のもとになっています。


 勉強は材料です。その材料を入れる枠組みを作っているのは生活です。普段の生活の中で、相手の気持ちを考えるように行動することが、実は教育の出発点になっているのです。


(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)


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教育論文化論(255) 

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不況の今こそ言葉の森で作文の勉強を as/546.html
森川林 2009/07/04 12:45 


 現在の不況は、今後さらに深化していくと思われます。しかし、この不況のあとに明るい世界が待っています。なぜかというと、不況の要因がなくなったあとに、経済の飛躍的な発展が予想されるからです。

 その新しい世界は、ひとことで言えば、これまでの巨大な無駄がなくなった世界です。例えば、軍需産業の無駄がなくなるだけでも、世界中で豊かさが実感できるようになります。

 今の社会では、本質的に無駄な仕事ほど、堅い仕事や割のいい仕事と見られる面があります。逆に価値ある仕事ほど、頼りない不安定な仕事に見られる面があります。

 未来の職業選択の基準になるものは、今の社会で何が繁盛しているかということではなく、何が人間にとって本当に価値あるものかということになります。子供たちの人生設計も、そういう戦略で考えていく必要があるでしょう。

 さて、未来の話だけでなく、今の社会に戻ると、今の不況の中でも人間生活にとって欠かすことのできないものは、子供の教育と家族の安全と健康です。

 まず、安全と健康については、できるだけ自然の食品を利用するということが大きな柱になります。加工されたものや調理されたものは、また、自然のものであっても海外から輸入されたものは、O−リングテストなどで安全性を判断しながら利用することが必要になるでしょう。「別冊すてきな奥さん『O−リングテスト超健康レッスン』」(大村恵昭著・主婦と生活社)に、O−リングテストの方法がわかりやすく説明されています。

 安全な食品のほかにもう一つ大事なことは、正しい情報を得ることです。今の社会の仕組みでは、利害関係の錯綜しているところほど正しい情報が流れにくくなっています。すべての情報は、利害関係によって多かれ少なかれ歪められてしまうからです。

 新聞やテレビというマスメディア自体が、そのような利害関係の中で経営されていますから、正しい情報を得るためには、インターネットの情報とアマゾンなどで手に入る書籍を利用するということになると思います。例えば、医療と健康に関しての信頼できる情報は、安保徹さん(医学博士)の本などが参考になると思います。

 子供の教育に関しては、将来の社会で通用する能力と、今の社会で通用する能力の両方を考えていく必要があります。それらの能力の中で、最も大事なものは、読書力と作文力だと思います。

 本当は、最も大事なものは、理解力と思考力と創造力だというふうに言ってもいいのですが、その言い方ではあまりに抽象的になるので、目標とするところがかえってわかりにくくなります。そこで、具体的に評価のできる読書力と作文力ということで話を進めていきます。また、これに関連して、教科の勉強の話と、勉強以外の習い事の話もしていきます。

 第一に、読書力について説明します。

 読書力、すなわち読む力さえあれば、どの勉強もできるようになるというのが学力に対する基本的な考え方です。英語、数学、理科、社会などは、その教科の試験を受けるときにはもちろん独自に勉強する面が強く出てきますが、それらの学力の根底にあるのは、その教科の内容を読み取り、自分のものにする読解力です。つまり、より速くより深く理解する力があれば、あらゆる勉強は半ば以上できているといってもいいのです。

 どのような勉強も、新しい、未知の、難しい内容を理解するという面を持っています。また、ほとんどの勉強は、日本語で書かれた学習内容を理解するという面を持っています。この日本語を読み取る力が、学力の出発点であり、到達点でもあるのです。

 小学校の低中学年のころは特にそうですが、中学生や高校生になっても、読む力をつけることが勉強の最重点の目標です。教科書で学ぶ内容は、学力の枝葉の部分で、学力の幹となる部分は、読書によって作られています。

 なぜ、そういうことを確信をもって言えるかというと、これまで言葉の森で教えていた生徒で読書力のある子は例外なく勉強の成績もよかったからです。しかも、学年が上がるほどよくなる傾向がありました。逆に本をあまり読まない子は、ある時期までは成績がよくても、学年が上がるにつれて伸び悩む傾向がありました。

 この読む力をつける勉強は、図書館を利用すればコストがほとんどかからない形で学習ができます。

 第二に、教科の勉強です。

 英語、数学、理科、社会などの教科の勉強というと、すぐに塾や家庭教師を考える人が多いと思いますが、教科の勉強は、中学3年生までは、親が自分の学生時代の復習を兼ねて見てあげることが可能です。
 これは、実際に私が自分の例で経験しました。また、言葉の森の中学生の保護者のひとりに、どういう塾がいいのかと聞かれたとき、やはり同じやり方を教えると、その保護者はそのとおりに自分の中学校時代の勉強を思い出しながら子供に教えてあげる方法をとりました。

 そのお母さんは、最初は、親が教えられるかどうか不安だったようですが、教え始めるとどんどん上手に教えられるようになり、その子はその学区のトップ校に合格しました。家庭で親が教える方法は、中学3年生までは、塾などに通うよりもずっと能率がいいのです。

 ただし、親が教えるといっても、手取り足取り教えるのではありません。親は、志望校の問題を参考に適当な参考書や問題集を決めてあげ、それを子供がやっていくだけです。子供は、答えを見てもわからないところだけを親に聞き、親が解答を見ながら子供と一緒に考えます。親が解答を見ながら考えてもわからない問題は、できなくてもいい問題と考えておきます。しかし、親も子供に教える中で学力が向上していくので、できない問題というのはほとんどなくなります。

 高校入試までの勉強は親でも教えられますが、大学入試の勉強になると、親が見てあげられない面が出てきます。なぜかというと、たとえ難しい大学に合格した親でも、その合格時の点数は全体で6割以上できていたのだろうということだけが確実な出来具合だからです。しかも、その場だけの付け焼き刃的な知識も含めて6割以上ですから、実力から言えばかなりの問題が解けなかったまま大学生になっていると考えて間違いありません。

 高校入試までは、基本的には満点を取ることも可能な問題です。しかし大学入試は6割から7割を取れれば合格するという難度の高い問題になっています。

 大学入試の勉強は、親が教えるのではなく、本人が、志望校の過去問とその志望校に合格した人の勉強法などを参考にして独自に勉強方法を工夫していく必要があります。

 また、大学入試のような6割から7割を取れればよいという勝負の世界は、勝負のノウハウを知っているプロの力を借りることが有利です。プロの家庭教師や個人塾のようなところでは、実力以外の勝負のノウハウを持っています。このノウハウがあるかないかが合否を分けるという面があります。

 しかし、このプロの力を借りた勝敗は、決して本人の実力でありません。未来の社会は実力の時代になるので、ノウハウで勝ったとしても、それが将来も生かしていけるかどうかはわかりません。

 第三は、習い事についてです。

 ピアノ、バレエ、野球、サッカー、バスケット、英会話、水泳など、音楽やスポーツの技能的な習い事は、技術的にも情操的にも人間の生活を豊かにします。しかし、人間生活の主食は勉強で、その他はおかず又はおやつという位置づけをしっかり確認しておく必要があります。

 特に子供の成長には、主食である完全栄養食品のお米をしっかり食べることが大事です。菓子パンにおかずをたくさんつけて食べるというのは、本と末を取り違えていることになるでしょう。勉強で完全栄養食品のお米にあたるものが、読書力と考えておくとわかりやすいと思います。

 貝原益軒は、「学は本で芸は末である」と言いました。これからの社会は、知識産業社会に向かって進んでいくはずですから、学力をつけること子供の成長にとっての最も重要な課題と考えておくことが大切です。

 第四は、作文力です。

 現在、作文の勉強は、学校ではあまり教えられていません。小学校低学年までは、日本の作文教育は世界的に見ても充実しています。しかし、小学校高学年から中学生や高校生になると、作文の指導が次第に少なくなるかほとんどなくなってきます。

 しかし、学校であまり教わらないから作文力が大事だというのではありません。作文を書く力もちろん大切ですが、作文力そのものよりももっと大事なことは、思考力や理解力を集大成するものとして作文力をつけるということです。

 考える力を育てるとか理解する力を育てるとかいうことは、言葉としては簡単に言えますが、具体的にどういう勉強がそうなのかということをはっきり言える人はいません。それは、思考力や理解力というものがそれ自体では表に出てこない学力だからです。しかし、作文を書くという形を取ると、その思考力や理解力の度合いが作文の中に出てきます。

 このような思考力理解力を集大成するものとして作文力を育てるという作文の位置づけは、言葉の森の作文指導の特徴です。ですから、作文を教えてくれるのであれば、どの作文指導でもよいというのではなく、考える力と読む力を育てるための作文という教え方をしている教室を選ぶ必要があります。

 この作文の指導は、家庭ではなかなかできません。また、子供がドリルなどをもとに自分の力だけで作文の勉強するということもほぼできません。ですから、作文の勉強は、言葉の森のような教室でしていく必要があります。

 しかし、もし、家庭だけで子供に必要な学力をつけるとすれば、(1)毎日読書1時間以上、(2)できれば毎週1回600−1200字の作文を1本、(3)英語の勉強は教科書を暗唱できるぐらいまで反復して読み、(4)数学の勉強は市販の問題集をもとにその問題集が百パーセントできるようになるまで反復する、という形で取り組んでいくとよいと思います。


(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)


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