海外で勉強をしている小5の生徒のお母さんから質問がありました。毎月第4週に取り組んでいる読解問題は、長文の内容が難しいので、どこまでがんばらせたらいいか迷うということでした。
確かに、小5から、読解問題も作文課題も急に難しくなります。小4までの楽しい作文が、小5からは苦しい作文になるのです。しかし、小5になると、子供たちの中に勉強に対する向上心のようなものが出てくるので、易しいやりやすい課題に取り組むよりも、少し難しい課題に挑戦する方が勉強に対する意欲も高まります。
とは言っても、海外で日本語の環境が周囲にない中で、難しい文章を読むというのはやはり大変です。そういう場合は、どうしたらいいのでしょうか。
ここで大事なのは、どんなに難しい文章であっても、その文章の内容を理解すれば取り組めるようになるということです。
文章を理解する方法というと、普通は、文章をじっくり読み、わからない言葉を辞書で調べて読むようなことだと思う人が多いと思います。しかし、文章を読んで理解する方法というのは、そのようないかにも勉強的なやり方でない方がいいのです。
その方法は、ひとことで言えば、繰り返し読むということです。「読書百遍意自ずから通ず」という言葉がありますが、文章を理解するいちばんの方法は、この言葉のとおりです。ちょっと拍子抜けすると思いますが(笑)。
自分がすっかり理解できていると思っている易しい文章であっても、繰り返し読んでいると、その奥にあるもっと深い理解が突然浮かび上がってきます。途中の言葉の意味に多少わからないものがあっても、繰り返し読んでいれば、全体の理解は必ず深まります。
しかし、同じ文章を繰り返し読むということは、なかなかできません。現在の、知識重視の文化の中では、1回読んだものを2回も3回も読むのは時間の無駄のように思ってしまうからです。しかし、本をよく読む人はわかると思いますが、3冊の本を1回ずつ読むよりも、1冊の本を3回読む方が、得るものはずっと多いのです。
繰り返し読む方法で最も役に立つのが音読という方法です。音読をすすめる本はいろいろありますが、どの本もなぜ音読がいいのかという点を誤解していません。音読がいいのは、繰り返し読むことができるからです。
毎月第4週の読解問題は文章の量も多いので、全部読むのは大変です。そこで最初の1題だけの文章(1番と2番のもとになる文章)だけを1週間毎日音読で読み続けます。その上で、その1番と2番の読解問題に取り組めば、たとえ答えが×になっても、解説を読むことで得るものは大きくなるはずです。
この繰り返し音読するという方法は、毎日2、3分あればできます。子供が音読している間、お母さんは朝ご飯の支度でもしながらときどきその音読を聞くともなしに聞いて、音読が終わったら褒めてあげればいいだけです。ぜひ試してみてください。
(写真は、いろいろな貝)
ドッカイもあるかなあ。
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日本では、九九のできない子はいない。
アメリカでは、九九のできる子はいない。
インドでは、99×99の九九までできる子がいる。
すべて教育というより文化。
なぜできるのかと言えば、学校で教えているからではなく、家庭の中に、それができて当然という文化があるからです。
学校の勉強はきっかけで、その勉強を支えているのが家庭です。
特に、日本語力はそうです。
国語の勉強は、教科書や参考書や問題集で力がつくのではなく、家庭での日本語文化で力がつくのです。
来年度から高校の入試で、思考力、表現力が問われるようになり、作文、小論文、面接などの試験が増えるようです。
対策は、面接問答集を覚えることではなく、家庭で両親と対話をする時間を作ることです。
ということで、今日のテーマは、家庭の対話の文化。
1、家庭の対話についてひとこと、
又は、
2、「か、て、い」「た、い、わ」で五七五、
又は、
3、何でも自由にどうぞ。
ただ、対話はひとつの文化ですから、これまで何もなかったところに、突然、「はい、対話」と言われても話すことがありません。
ただ見つめ合っているだけになるかも……(笑)。
対話の仕方にも、最初は工夫が必要なのです。
その工夫のひとつが、感想文の課題となるやや難しい長文を毎日音読し、その音読した長文をテーマにして親子で話をすることです。
今日は、先ほどまで威勢のいい雷が鳴っていました。
でも、そのあと、西から明るい空が広がってくるようです。
晴れと雨を交互に繰り返しながら、だんだん季節が春に変わってくるのでしょう。
それでは、今日もいい一日をお過ごしください。
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小4の生徒の900字暗唱チェックの様子です。
生徒が暗唱をしている間、先生は、前回の作文を見たり読書の記録をつけたりと、ほかのことをしています。
(画面を一時停止すると「Share」の画面が出てきますが、左上の「×」をクリックすると元の再生の画面に戻ります。)
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未来の作文の発表会は、
十把一絡げのコンクールではなく、
顔の見える親子どうしの
コメントの書き合いになるだろう。
作文の発表会や作品集の発行で困るのは、主催する側が、ただ作品を並べるだけではまとまりがつかないと思ってしまうことです。
そこで、これまではコンクール形式による優秀作品の選定で、格好をつけてきました。
しかし、そういうやり方で、当の参加する子供たちが喜んでいるかといえば、そんなことはまずありませんでした。
賞に縁のない大多数の子供たちにとって、コンクールや優秀作品集は、よその世界の出来事だったのです。
そこで、言葉の森が今考えているのは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス的な作文発表会(笑)。
顔の見える親子どうしで、例えば、A君の作文についてBさんの親子がコメントを書き、Bさんの作文についてA君の親子がコメントを書くような形です。
音楽でも、上手な人の歌をただ聴くだけより、下手でも自分たちで歌うカラオケの方が楽しいのですから、作文でも同じです。
これまでの社会では、顔の見えない消費者が、いい顔しか見せない企業と、作られた広告でつながっていました。
これからは、顔の見える参加者どうしが自助の精神で、自分たちのことは自分でやるという形が主流になっていくのだと思います。
そういう社会では、企業もまた、物を売るために存在しているのではなく、よりよい社会を作るために存在しているのだという原点を思い出すようになるでしょう。
そこで今日のテーマは、消費から参加へ。
1、消費と参加についてひとこと、
又は、
2、「さん、か、しゃ」で五七五、
又は、
3、何でも自由にどうぞ。
今日は、日本列島、ほとんど雨。
将来、科学が発達すれば、気象も上手にコントロールできるようになるのでしょうが、今のところはまだ少し難しいようです。
今できるのは、天候に合わせて自分の生活をコントロールするぐらい。
雨もまた楽しの精神で、今日もいい一日をお過ごしください。
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