ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2327番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/12/30
大事なのは日本語力――早期の英語教育よりも、まず家庭での普通の日本語生活を as/2327.html
森川林 2015/03/06 21:23 


 小さい子供を持つお母さん方の中には、「日本語など自然に身につくものだ」と考えている人も多いようです。
 そして、そのかわり、「自分は英語が苦手だったから、英語は子供のうちから早めに身につけていた方がよい」と考えてしまう人も多いようです。

 その結果、幼児期から英語教室に通わせ、更には、親子の会話にもときどき片言の英語を混ぜて話すような人も出てきます。
 そういうふうにして育った子供の中に、日本語が十分に発達しなくなる子がときどきいるのです。

 そういう子は、日本語が不十分になった分、英語が得意になっているかというと、そんなことはまずありません。
 小さいころは、同学年の子が知らないような英単語を知っているかもしれませんが、そういう差は中学生になり、高校生になれば、全くなくなってしまいます。
 特に、大学入試の英語は、英語力が半分、国語力が半分という問題です。国語で考える力がなければ、英語がいくら達者でも、考える英語は理解できないのです。

 英語教育を、小学4年生あたりからやらせるのは、決して早すぎはしません。むしろ、よいことだと思います。そのころは、中学生のころよりも、柔軟に英語の音を身につけることができるからです。
 しかし、英語教育を小学3年生以下でやらせるのは、早すぎます。まして、幼児期から英語の勉強をさせるというのは、子供の思考力の正常な発達を妨げるものになると言ってもよいと思います。

 渡部昇一さんは、「英語の早期教育・社内公用語は百害あって一利なし」という本を出しています。単刀直入のわかりやすいタイトルの本ですが、中身はしっかりした英語教育論です。
 日本人は、日本語でものを考えます。日本語は、単に国語の教科だけで使われるのではなく、数学も理科も社会も美術も音楽も体育も、すべて日本語で把握して身につけているのです。

 だから、幼児期から小学校低中学年にかけての教育は、日本語力を育てることを第一に考えていく必要があります。
 日本語力を育てるためには、まず、早期の英語教育をしないこと、テレビなどの機械的な音声にできるかぎり触れさせないこと、そして、親子の対話と読書の機会を増やしていくことです。
 つまり、家庭での普通の日本語による生活を大事にしていくことなのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
英語教育(10) 

記事 2326番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/12/30
×がつくのはよい勉強、○がつくのはよくない勉強 as/2326.html
森川林 2015/03/05 21:08 


 ○がつけば誰でもうれしいものです。だから、子供はできるだけ○になろうとします。
 しかし、自学自習で自分で採点するスタイルの勉強では、×がたくさんついた方がよい勉強なのです。

 学校や塾のテストで、子供が悪い点を取ってきたとき、ほとんどの親は顔をしかめると思います。逆に、全部○のテストを持ってきたら、にっこり笑って子供を褒めると思います。

 なぜ○がうれしく、×がうれしくないかというと、評価の基準を過去に置いているからです。その子のやったこれまでのことが正しかったから○になったと考えるからです。

 しかし、本当に大事な基準は未来にあります。これから、その子がどういう勉強をしていくべきか考えるのが未来の基準です。
 未来に基準を置けば、○は意味のない評価で、×こそが意味のある評価になります。

 だから、子供の勉強で×がついたら、親はそれを喜ばないといけないのです(難しいと思いますが(笑))。そして、
「×がついた分だけ、自分がこれから賢くなるんだから、×はたくさんついた方がいいんだよ」
と、子供に言ってあげるのです。

 こういう見方や考え方は、単に勉強のコツにとどまらず、子供の人生観にも影響を与えます。
 それは、目先の利益にこだわらず、より大きな社会的な利益を目指すという考えに結びついていくのです。

 昔、私(森川林)は、自分の子供が勉強しているときに、よく、
「わからない問題はあてずっぽうで答えを書いて○になるよりも、空欄にして×をもらった方がいいんだよ」
と教えていました。

 その子は、中学生のとき、塾にはどこも行っていなかったのですが、友達のみんなが近くの塾に行くので、どんなところか知りたいと思ったらしく、夏期講習だけ試しに塾に行くことにしました。
 ところが、そこで、塾の先生が、
「テストで時間がないときは、何でもいいから答えを書いておけば○になることもある」
と正反対のことを教えてくれたそうです。
 それで、そういう塾での勉強を見限ったのか、結局塾には行かずに自分で勉強していました。

 小さな得を求めていては、人間は成長しません。
 ○に満足するのが小さな得だとしたら、大きな得は×を出発点とするところにあるのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
勉強の仕方(119) 
コメント331~340件
……前のコメント
作文の上達度は 森川林
 作文力がどのくらいついたかということは、本人にはわかりませ 12/17
記事 4382番
幼長、小1、小 森川林
 基礎学力コースは、小1の子にはおすすめです。  国語と算 12/5
記事 4377番
即自存在、対自 森川林
 中学生のころは、たぶん子供が人生で最も打算的に生きる時期で 12/3
記事 4374番
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習