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記事 2328番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
厚い問題集を1回やるよりも、薄い問題集を何度も繰り返す as/2328.html
森川林 2015/03/09 21:09 


 勉強の鉄則は、できないところが一つもなくなるまで、何度も同じことを繰り返すことです。
 しかし、現在のような教材の豊富な時代は、この繰り返すということができない子が多いのです。

 読書も同じです。同じ本を何度も繰り返して読む子は、その本から多くのものを吸収します。逆に、一度読んだからもう読まないという読み方で、新しい本を次々に読む子は、あまり読書力がつきません。
 昔は、本が少なかったので、自然に同じ本を何度も繰り返し読む習慣がつきました。今は本が多すぎるので、同じ本を繰り返し読むための環境がなくなっているのです。

 繰り返しの勉強を当然のように思わせるには、低学年のころから繰り返しの勉強に慣れておく必要があります。
 低学年のころから、次々に新しい問題集を解かせるような勉強をしていると、学年が上がってから同じ問題集繰り返し解くという勉強がしにくくなります。

 人間は、飽きる動物なので、子供も大人も、同じことを何度も繰り返すよりも、新しいことを次々とやりたがるものです。
 しかし、何かを身につけるとき、この新しいことを次々とというやり方は最も効果の出ない方法なのです。

 市販の問題集や通信教育の教材には、共通する弱点があります。それは、例えばその問題集を解くときに、問題集のページにそのまま答えを形になっているものが多いことです。

 低学年のまだ間違いがほとんどない次期ならそれでいいかもしれません。しかし、学年が上がってくると、何度やっても間違えるとか、解法を読んでも理解できないとかいう問題が出てきます。
 このとき、1冊の問題集を何度も繰り返すという勉強が生きてくるのです。

 家庭学習で、1冊の問題集を何度も繰り返すという勉強がなかなかできないのは、新しいものを次々と与えた方が、子供が楽しんでやるからです。
 しかし、新しいものを次々とやるのは、結局できることを次々とやることですから、勉強ではなくただの作業になることが多いのです。
 そういう作業的な勉強法を克服するために行っているのが、言葉の森の寺子屋オンエア教育です。

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記事 2327番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
大事なのは日本語力――早期の英語教育よりも、まず家庭での普通の日本語生活を as/2327.html
森川林 2015/03/06 21:23 


 小さい子供を持つお母さん方の中には、「日本語など自然に身につくものだ」と考えている人も多いようです。
 そして、そのかわり、「自分は英語が苦手だったから、英語は子供のうちから早めに身につけていた方がよい」と考えてしまう人も多いようです。

 その結果、幼児期から英語教室に通わせ、更には、親子の会話にもときどき片言の英語を混ぜて話すような人も出てきます。
 そういうふうにして育った子供の中に、日本語が十分に発達しなくなる子がときどきいるのです。

 そういう子は、日本語が不十分になった分、英語が得意になっているかというと、そんなことはまずありません。
 小さいころは、同学年の子が知らないような英単語を知っているかもしれませんが、そういう差は中学生になり、高校生になれば、全くなくなってしまいます。
 特に、大学入試の英語は、英語力が半分、国語力が半分という問題です。国語で考える力がなければ、英語がいくら達者でも、考える英語は理解できないのです。

 英語教育を、小学4年生あたりからやらせるのは、決して早すぎはしません。むしろ、よいことだと思います。そのころは、中学生のころよりも、柔軟に英語の音を身につけることができるからです。
 しかし、英語教育を小学3年生以下でやらせるのは、早すぎます。まして、幼児期から英語の勉強をさせるというのは、子供の思考力の正常な発達を妨げるものになると言ってもよいと思います。

 渡部昇一さんは、「英語の早期教育・社内公用語は百害あって一利なし」という本を出しています。単刀直入のわかりやすいタイトルの本ですが、中身はしっかりした英語教育論です。
 日本人は、日本語でものを考えます。日本語は、単に国語の教科だけで使われるのではなく、数学も理科も社会も美術も音楽も体育も、すべて日本語で把握して身につけているのです。

 だから、幼児期から小学校低中学年にかけての教育は、日本語力を育てることを第一に考えていく必要があります。
 日本語力を育てるためには、まず、早期の英語教育をしないこと、テレビなどの機械的な音声にできるかぎり触れさせないこと、そして、親子の対話と読書の機会を増やしていくことです。
 つまり、家庭での普通の日本語による生活を大事にしていくことなのです。

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記事 2326番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
×がつくのはよい勉強、○がつくのはよくない勉強 as/2326.html
森川林 2015/03/05 21:08 


 ○がつけば誰でもうれしいものです。だから、子供はできるだけ○になろうとします。
 しかし、自学自習で自分で採点するスタイルの勉強では、×がたくさんついた方がよい勉強なのです。

 学校や塾のテストで、子供が悪い点を取ってきたとき、ほとんどの親は顔をしかめると思います。逆に、全部○のテストを持ってきたら、にっこり笑って子供を褒めると思います。

 なぜ○がうれしく、×がうれしくないかというと、評価の基準を過去に置いているからです。その子のやったこれまでのことが正しかったから○になったと考えるからです。

 しかし、本当に大事な基準は未来にあります。これから、その子がどういう勉強をしていくべきか考えるのが未来の基準です。
 未来に基準を置けば、○は意味のない評価で、×こそが意味のある評価になります。

 だから、子供の勉強で×がついたら、親はそれを喜ばないといけないのです(難しいと思いますが(笑))。そして、
「×がついた分だけ、自分がこれから賢くなるんだから、×はたくさんついた方がいいんだよ」
と、子供に言ってあげるのです。

 こういう見方や考え方は、単に勉強のコツにとどまらず、子供の人生観にも影響を与えます。
 それは、目先の利益にこだわらず、より大きな社会的な利益を目指すという考えに結びついていくのです。

 昔、私(森川林)は、自分の子供が勉強しているときに、よく、
「わからない問題はあてずっぽうで答えを書いて○になるよりも、空欄にして×をもらった方がいいんだよ」
と教えていました。

 その子は、中学生のとき、塾にはどこも行っていなかったのですが、友達のみんなが近くの塾に行くので、どんなところか知りたいと思ったらしく、夏期講習だけ試しに塾に行くことにしました。
 ところが、そこで、塾の先生が、
「テストで時間がないときは、何でもいいから答えを書いておけば○になることもある」
と正反対のことを教えてくれたそうです。
 それで、そういう塾での勉強を見限ったのか、結局塾には行かずに自分で勉強していました。

 小さな得を求めていては、人間は成長しません。
 ○に満足するのが小さな得だとしたら、大きな得は×を出発点とするところにあるのです。

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勉強の仕方(119) 

記事 2325番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
スタディサプリの時代の先にあるもの as/2325.html
森川林 2015/03/04 21:15 


 リクルートが3月から小4以上の小中学生を対象にした「スタディサプリ」の提供を開始しました。月額980円で授業動画が閲覧でき、勉強のデータを生かして苦手箇所だけ復習する仕組みも作られているそうです。

 教育へのネットの利用はこれからも加速します。ネットの利点は、自宅でできること、低料金でできること、個別対応ができることです。子供たちの勉強の環境は、これからも更に充実していくでしょう。

 しかし、ここで問題になるのは、そういう勉強環境がどれだけ豊かで便利になっても、その勉強をするかどうかは本人の意志次第であり、低中学年の場合は、本人の意志に加えて家庭の環境次第であるということです。

 家庭での勉強の習慣ができている子は、豊かな勉強環境を十分に生かしていくことができるでしょう。しかし、勉強の習慣ができていない子は、どんなにゲーム的な要素があるとか、ビジュアルでわかりやすいとか言っても、その勉強を続けさせるのは難しいのです。

 そのことは、逆に言うと、勉強の習慣が確立している子は、ネットの勉強環境を利用することもあるでしょうが、勉強の中心はこれまでの紙ベースのものでこなしていくということです。
 なぜかというと、勉強の本質は、知識を自分のものとして身につけることですから、問題集や参考書のような実際の形のあるものを何度も繰り返し利用する方がずっと定着度が高くなるからです。

 これまでの寺子屋オンエアの経験から考えると、多くの子は、自覚なく無駄の多い勉強法をしています。例えば、できる問題を何問も解いてみたり、できない問題を1回しかやらなかったり、きれいに書くことに時間をかけたり、その一方で何度も読むという勉強をしていなかったり、というようなことです。

 だから、勉強が進まない原因は、教材という「物」にあるのではなく、勉強法という「事」の方にあるのです。逆に言えば、勉強の仕方というソフトさえしっかりしていれば、教材は既にある便利なものを自由に使えばよいということです。そういう便利な教材のひとつとして、ネットの教材も利用できるということです。

 ところで、この勉強の習慣を家庭で作れる時期は、小学校1年生になります。
 1年生は、学校の勉強も簡単なので、家庭学習などをわざわざする必要のない時期のように思われますが、この時期にこそ家庭で毎日一定の時間を勉強する習慣をつけておくのです。
 「スタディサプリ」のような教材をうまく利用できるのも、この1年生からの勉強の習慣が確立している子なのです。

(この記事を書いた時点では、「勉強サプリ」という名前でしたが、その後、「スタディサプリ」という名前に変わったので、表記を改めました。)

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家庭学習(92) 

記事 2324番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
考える力と親子の対話――そのきっかけとしての長文の音読 as/2324.html
森川林 2015/03/03 21:09 


 子供に勉強力をつける上で最も大事なものは、考える力です。考える力と言うと抽象的ですが、もっとわかりやすく言うと、考えることを苦にしない力です。更には、考えることを楽しむ力と言ってもよいでしょう。

 計算の練習や漢字の書き取りやいろいろな知識の習得は、時間をかけさえすれば誰でもできます。小学校低中学年のころの勉強は、このような、やりさえすれば誰でもできるようになる勉強です。

 しかし、小学校高学年になると、次第に考える問題が出てきます。国語では、環境や言語や文化や人生などという分野の文章が多くなります。算数では、計算のルールをあてはめるだけでは解けない問題、自分なりに図を書いてみないとわからない問題が出てきます。理科でも社会でも同様です。
 そのときに、考える力のある子は、そういう問題を面白いと思い、考える力のない子は、そういう問題を面倒と思います。ここで、面白いと思える子は、その後の勉強がどんどん進んでいきます。

 だから、小学校低学年のころは、考える力の土台を作ることが大事です。
 しかし、その考える力は、勉強をすることではつきません。低中学年の時期に、国語や算数の問題集をいくら解いても、考える力は育たないのです。

 考える力は、親子の対話の中で育ちます。
 親と子の間の話というと、多くの場合、親が一方的に注意をしたり、説教をしたり、説明をしたり、理解させたり、わからせたりするような形が多いと思います。親が中心で、子供はそれに従うものという形になりやすいと思います。
 しかし、これでは考える力は育ちません。

 親子の対話では、親と子が対等の人間としてお喋りを楽しむというような話し方が大事です。ちょうど、親が同年代の友達と話すような姿勢で、相手とのやりとりを楽しむような雰囲気で話を進めていくのです。

 そして、その対話の中で、親ができるだけ自分の子供のころの体験談を話してあげます。
 また、小さい子供が相手のときは、ダジャレやギャグや冗談や笑いを入れて、できるだけ面白い話をしていきます。そのためには、親が自分の言った冗談を楽しむような気持ちも必要です。

 しかし、そういう楽しい話でありながら、話の内容は、大人相手に話すような真面目な内容や難しい語彙も取り入れて、子供を一人前の話相手として扱っていくのです。
 子供を子供として扱うのではなく、一人前の話相手として扱い、親自身が子供との話を楽しみ、子供の言うことを大人の話を聞くように尊重して扱っていると、子供の思考力は育ちます。

 言葉の森の作文・感想文の勉強をしていると、毎週の長文の音読がこういう対話のきっかけとして活用できるようになります。

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ラウレア 20150323  
よくしりとり遊びをしました。「動物」「食べ物」など、テーマを決めて遊んでも楽しいです。これも親子の対話?でしょうか。

森川林 20150324  
 子供と楽しく遊び、親もそれを楽しむという感覚が大事ですね。
 その中でも特に、子供との対話を楽しむというのがいちばんのポイントになると思います。

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