言葉の森の作文指導の特徴は、小学生から始めて、中学生、高校生と一貫して作文の勉強を継続できるシステムになっていることです。実際に、小、中、高と休まずに続ける子もいますし、途中でいったん休会して、しばらくしてまた再開する子もいます。
最近よくあるのが、小学生のとき受講していて、中学生になり塾や部活が忙しくなったためにいったん退会したあと、高校生で大学入試の小論文があるために再開するというケースです。「小学生のときに教わった○○先生で、また教えてほしい」などということがよくあります。
言葉の森の作文指導は、小学校1年生(又は幼稚園年長)からスタートして、中学生、高校生へと進んでいきます。小学校低学年のころの課題は簡単なので、よくできる子供の保護者の中には、もっと難しいことを教えてほしいという人もいます。しかし、
言葉の森では、低学年のころには難しいことはあまり指導しません。難しい課題は、あとでいくらでも出てくるからです。
言葉の森の高校生の作文の課題は、そのまま、国立大学の後期の小論文試験や、早稲田大、慶応大、上智大などの小論文試験の課題と同じかそれ以上のレベルです。そして、そういう大学に毎年何人かが必ず合格しています。しかも、その小論文指導のわかりやすさとレベルの高さは、たぶんどこの予備校の指導よりも上回っていると思います。
言葉の森の作文指導は、そういう将来の展望のある指導です。決して、小学生の時期に小学生レベルの作文が上手に書ければいいというのではありません。小学生が、中学生、高校生と続けていったときに、次第に思考力の必要な作文を書くということを念頭において小学生の段階から指導しているのです。
小学生の作文の勉強を考える場合、そのように高校生までのつながりのある勉強ができるかどうかがひとつの基準になります。つまり、その作文教室、又は作文通信講座で、高校生まで勉強を続けられるかどうかということです。
言葉の森では、子供たちが社会人になったときのことを考えて作文の指導を行っているので、小学生のころに上手に書かせる工夫をするよりも、将来に役立つ思考力の必要な作文を書かせるようにしています。
言葉の森は、作文指導を、単なる教育としてではなく日本の文化のひとつとしてとらえています。だから、子供たちの作文は原則としてできるかぎりサーバーの中に蓄積しています。
将来、小学生のころに受講していた子供が成長し、父親や母親になったときに、「うちの子も、小1になるから、そろそろ言葉の森でも始めようか」という話になることがあると思います。そのときに、ホームページをのぞくと、昔の自分のコードとパスワードで、父親や母親が小学1年生だったころに書いた作文が読めるという仕組みを考えています。
こういう世代間のつながりが広がれば、日本が本当に知的な文化国家として世界に登場することになるでしょう。小1のときの作文を親子で共有できる国は、日本以外にはありません。小学1年生で作文が書けるのは、音声と文字の一致したひらがなという独特の言葉を持つ日本語だけの特長だからです。
言葉の森が、小、中、高と一貫した作文指導を続けているのは、作文教育を日本の作文文化に発展させ、日本を、豊かな知性と創造性と、家庭での対話と共感のある国にしたいと考えているからでもあるのです。
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かわいそうな本に感動しながら↓感想文を書いているところ。
言葉の森がスタートしたのは1980年代ですが、それ以前に言葉の森の前身となる作文教室は1970年代に始まっていました。
当時は、もちろん作文教室などというものが何もなかった時代です。そのころに、既に作文教育の可能性を考えて創設されたのです。「作文教室」という名前で、当時の雑誌に広告を出したのは言葉の森が初めてでしたから、日本でいちばん古い作文教室だと言ってもいいでしょう。言葉の森は、今のように入試で作文試験や小論文試験が出されるようになってからそれに間に合わせる形で作られたのではありません。
しかし、言葉の森は、ただ年数が古いというだけではありません。言葉の森が、日本の作文教育の骨格となる概念を作り上げてきた面もあるのです。
今、さまざまな作文通信講座や学校や学習塾で行われている作文指導の中で、言葉の森が作ったものがかなりあります。
例えば、夏休みの読書感想文の指導法は、言葉の森が雑誌でくわしく発表するまでは、系統的な指導というものはほとんどありませんでした。
また、作文の要素を、構成、題材、表現、主題、表記などと分け、それぞれについて指導する項目を指定するという指導も、言葉の森が独自に考案したものです。
また、作文の自動採点ソフト「森リン」を独自に開発して特許を取得し、それを中学生、高校生の作文指導に活用しているのも言葉の森だけです。
こういうさまざまなオリジナルな方法によって、それまでのただ書かせて添削する指導から、事前に説明して書かせる指導に作文教育の指導法が向上しました。
言葉の森は、このほかに、構成の仕方に関する工夫、表現の仕方に関する工夫、題材の広げ方に関する工夫など、多くのノウハウを開発しています。そして、今も独自の指導法を開発し続けています。例えば、暗唱の方法、付箋読書の方法、問題集読書の方法、四行詩の方法など、新しいノウハウを独自に開発して、だれもが使えるようにオープンに提供しています。
言葉の森の特徴は、ほかの教室に真似されることはあっても、決してほかの教室の真似はしないというところにあります。この独創性を大切にする教室文化が、作文というやはり独創性を大切にする学習を30年間も継続して指導してきた要因になっています。
作文の需要があるから作文教室に取り組むという経営的な動機ではなく、需要があってもなくても、自分の目指すことを続けるという路線で、これからも作文指導を通して日本の教育を支える仕事をしていきたいと考えています。
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言葉の森の作文指導の特徴は、教える先生が担任として決まっていることです。そして、その先生が毎週生徒に電話で直接指導します。だから、子供の様子がよくわかります。
先生というのは、生徒の書いた作文を意外とよく覚えているものなので、生徒が中学生になったときにその生徒を指導していてふと、その子が小学生のころ書いた作文を思い出すことがあります。すると、「ほら、小学生のときに、こういう話があったじゃない。それを実例として使えばいいでしょ」などという指導ができます。また、難しい課題を説明するときも、その子の理解度に応じて、易しくかみくだいて話したり、更に高度に話したりすることができます。こういうことが自然にできるのが、担任制の長所です。
一方、学校や学習塾では、担任の先生がいる場合でもせいぜい1年か2年の間しか継続した指導しかできません。長期間継続してその子供の様子を見ることができるのは、親がもちろんいちばんですが、言葉の森の先生がそれについで長く見ているということもよくあります。
言葉の森では、小学生のときに作文を教えた先生が、その子が中学生になっても、高校生になっても同じように教えることができます。
他の作文通信講座では、よく有名な先生が教材を監修しています。しかし、それらの先生が、小学校1年生から高校3年生や社会人まで継続して作文を指導した経験があるかというと、そういうことはまずありません。ところが、言葉の森には、そういう経験のある講師が何人もいて、日々の指導にあたっています。
言葉の森以外の作文通信講座では、担任という制度自体がないところがほとんどで、子供の実態を知らないまま、赤ペンだけがていねいに書かれてくるという形になっています。最初は、その赤ペンを見て参考にしようとしても、やがて、その赤ペンは書いている先生ががんばっているだけで、子供の実力の向上には結びついていないということがわかってきます。
算数や英語の場合は、答えがひとつに決まっているので、赤ペン添削は効果がありますが、作文は答えがないので、赤ペンだけでは勉強を進めることができません。
作文の赤ペンに意味が出てくるのは、その作文に対して事前の指導がある場合だけです。
電話による直接の事前指導をもとに、その指導に沿ってできたかどうかを赤ペンで書くときに、初めて勉強が生きたものになります。その事前指導は、個々の生徒の実態に応じて行う必要があるので、一律の教材で指導することはできません。やはり担任の先生が直接電話でその子に指導するということが必要になります。
では、そういう担任制の電話指導を、ほかの作文通信講座でできるかというと、よほど少人数の教室でないかぎりまずできません。言葉の森が、なぜこのようにほかの作文通信講座ではできない仕組みを作り上げたかというと、
作文指導を形だけのものではない実質的な中身のあるものにしようとしているからなのです。
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言葉の森以外の、最近生まれた作文通信講座のほとんどは、公立中高一貫校の入試で作文の試験が出されるようになってきてから受験対策のひとつとして出てきました。しかし、受験作文対策とは言っているものの、どう書けば合格する作文になるのかということはあまり教えていません。
作文通信講座や作文教室の多くは、ただ作文を書かせて、その中で上手に書けたものを紹介し、あとは、子供たちが自分でそのように上手な作文を書くようにがんばれと励ますだけです。しかし、もちろん、この方法で上手に書けるようになる子はいません。
ところが、
この上手な作文を見せるだけというのが、ほとんどの作文通信講座や作文教室の指導で行われていることなのです。
言葉の森の指導法は、もちろんこういう方法ではありません。言葉の森では、受験の作文についても、「こう書いたら上手になる」ということをはっきり教えます。子供たちが書いた作文をみて、「この作文のここをこう書けたら合格圏内に入る」というアドバイスができれば、子供にも努力の方向がわかります。もちろん作文の上達には時間がかかりますが、少なくとも上手な作文の見本を見せるだけの指導よりも、目指す目標がよくわかります。
それでは、言葉の森では、どのように教えているのでしょうか。
言葉の森の指導では、作文を、構成、題材、表現、主題の四つに分けて考えます。このほかに、表記や字数の指導もありますが、作文の中身で大事なのは、構成と題材(実例)と表現と主題(意見)です。
そして、その作文の四つの面について、どう書けば合格する作文になるかということを教えます。
例えば、構成に関しては、複数の実例、理由、意見、方法、原因、対策の組み合わせが考えられます。その組み合わせを生かして、「第一段落ではこのように書き、第二段落ではこう続け、第三段落ではこう展開し、第四段落ではこうまとめる」というところまでを指導します。
こういう勉強を続ける結果、言葉の森の子供たちは、入試の本番でも構成のしっかりした作文を書くことができるのです。
また、題材については、個性、感動、挑戦、共感のある実例を盛り込むためにはどうするかという指導をします。表現については、自分の言葉で光る表現をどう作り出すかということを指導します。主題については、考えを深めるためには、どう書くかということを指導します。
このような、合格する作文の指導法は、ほかの教室ではまずできません。
言葉の森が、なぜこのように受験作文の合格のノウハウを豊富に持っているかというと、言葉の森は、大学入試の小論文の指導も本格的に行えるからです。
大学の入試でも通用する、どの予備校の指導よりも優れたノウハウを持っているので、合格する作文を書かせるための指導ができるのです。
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言葉の森では、国語力、読解力をつける勉強を進めながら作文指導を行っています。
言葉の森以外の作文通信講座は、作文・記述力・表現力という言葉にとらわれているためか、書く指導を行うとすぐに、書いたものを直す指導をしてしまいます。これは、学校の先生も、塾の先生も同じです。作文指導というと、作文を赤ペンで直すものだというふうに多くの人が考えているのです。中には、赤ペンで作文を直すだけでなく、その直した箇所をもとに再度子供に書き直させる指導を行っているところもあります。
この「作文を直す指導」で上手になる子はまずいません。逆に、教える人が熱心に直す指導をすればするほど、子供は作文が書けなくなり、苦手になっていきます。熱心に教えることで、かえって子供たちの作文力が伸びなくなっているのです。
確かに、熱心な赤ペン添削を見ると、親も子供も最初のうちはいい指導を受けたような気がします。しかし、赤ペンで指摘されたことを一度で直せるようなことはほとんどありません。何度も同じことを言われているうちに、子供は次第にくたびれてきます。親は、なぜ言われたことができないのかと子供に不満を言うようになります。一方、教える先生の方は、ますます熱心に欠点を直そうとしていきます。
赤ペンの添削を何年受けても上手にならないのは、植物で言えば、根が育っていないのに、枝や葉の剪定(せんてい)だけで形をよくしようと刈り込んでいるだけだからです。大事なことは、根を育てることです。そうすると、枝や葉も茂るようになり、刈り込みをしなくても立派な樹木に成長していくのです。
今、社会人で文章が上手に書ける人は、作文の書き方を教えてもらった人ではありません。本をよく読み、自分でよく考えた人です。この本を読み、自分で考えるということが、根を育てるということです。
言葉の森の作文指導では、作文を書くだけでなく、読む力をつける指導を並行して行っています。例えば、課題の長文を読んで感想文を書いたり、暗唱用の長文を読んで長文を覚えたり、国語の問題集を読書がわりに読む練習をしたり、さまざまな読む学習を取り入れています。
言葉の森以外の作文通信講座では、作文を教えるときに、作文力・記述力・表現力の観点からしか指導していません。その一方で読む勉強は、国語の問題を解くような形で作文とは切り離された勉強として行っています。
言葉の森では、読む学習と書く学習を結びつけて行っているので、ゆとりのある作文指導ができます。だから、
欠点を直す作文指導ではなく、いいところをたくさん褒める作文指導でありながら、だれでも作文の力を伸ばしていくことでできます。
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