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記事 2783番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/2/10
成績は短期間で上がるが学力は知的な家庭生活の中で徐々に上がる as/2783.html
森川林 2017/01/06 05:52 


 夏休み1ヶ月の猛特訓で秋から成績が急上昇、ということはあり得ます。
 しかし、同じ夏休み1ヶ月の猛特訓で、秋から作文が見違えるほど上手に、ということはありません。

 勉強の成績は知識として身につけるものなので短期間で上がりますが、作文のような学力に属するものは考える力を必要とするので上達に長い時間がかかるのです。

 勉強にももちろん考える要素があります。しかし、成績を上げるコツは、その考えて解く解き方を知識として覚えることです。だから、短期間で成績は上がります。

 一方、作文も、短期間で上手になることはあります。しかし、それは作文力が上達したからではなく、本人の作文を書く意欲が増したからです。
 だから、意欲的に書く回数が増やすことは大事ですが、作文力をつけることはそれとはまた別の長い時間が必要なのです。

 では、長い時間を必要とするその学力は、どこで育つのかと言えば、それは家庭での生活によってです。
 学校で国語の勉強を毎日1時間やっているとしたら、1年間でずいぶんたくさん勉強をしたように思えます。しかし、国語力は実際には、家庭での読書によって育ちます。

 読書好きな子が家で毎日1時間本を読み、読書嫌いな子が家ではほとんど本を読まないとしたら、1年間でついたその差を学校や塾の勉強だけで補うのはほぼ不可能です。こういう生活の差が学力の差になっているのです。

 「学力の経済学」という本では、就学前教育の大切さが書かれています。
 4歳の子に、毎日2.5時間読み書きを教え、週に1回90分の家庭訪問をしたところ、その子たちが社会人になったときに、そういう教育を受けなかった子供たちに比べて、仕事や収入の面で大きな差があったというのです。
 著者は、それを具体的な数字で、4歳のころの100円の投資が、65歳には6千円から3万円になっていたと書いています。

 この教育による影響力を、著者は、先生の教育力として述べていますが、私は、毎日の2.5時間の先生が教えた勉強よりも、週に1回90分の家庭訪問による家庭の変化の方が大きかったのではないかと思います。

 私立の小中高一貫校で、大学入試の結果を出すのは主に高校から入学した生徒だというのは、よく聞く話です。学校の教育力はもちろんありますが、その土台となっているのは家庭での生活の中における教育力です。

 そして、その家庭での教育力は、成績よりもむしろその子が成長したあとの社会生活の中に現れてくるものなのです。


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森川林 20170106 1 
 ときどき、「偏差値が○○も上がった」などという話を聞きますが、それは成績が上がったのであって、学力が上がったのではありません。
 成績は主に知識によるものですから、短期間で上がることは十分にあります。
 受験期の勉強は、成績を上げることを重点にしていく必要があります。
 しかし、普段の勉強は成績よりも学力をつけることを重点にしていく方がいいのです。


nane 20170106 1 
 勉強の成績は、次の学期からすぐに上がるということはありますが、作文はそういうことはありません。
 作文は、忘れたころに上がるのです。天災みたいですが。


jun 20170106 2 
生活面はもちろんですが、学習面も、基盤となるのは家庭ですね。

jun 20170106 2 
作文が急にうまくならないのは、それだけ奥の深い勉強だからなのでしょう。本当の実力が表れるのが作文とも言えそうですね。

mae 20170110 9 
親の立場で考えると、どうしても「成績」イコール「学力」と考えがち
まずはそこから改めないと……

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記事 2782番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/2/10
プログラミング教育の前提となる学力教育――そして広い入口よりも高い出口を as/2782.html
森川林 2017/01/05 13:21 


 プログラミング教育がブームになっています。
 新しいものごとは、情報が不十分なので、よい面だけ、悪い面だけがひとり歩きすることがあります。
 そのときに必要なのは、教育の原則です。
 プログラミング教育のプラス面と、マイナスとは言いませんがその注意する面の両方を書いておきたいと思います。

 まずプラス面としては、次のようなものがあります。

 第一に、プログラミング教育は、これまでの日本では遅れた分野だったということです。だから、プログラミング教育を進めるのは、日本の社会にとっても必要なことです。
 第二に、他の教科と違って、結果がわかりやすく出るプログラミング教育は、子供の学習意欲を引き出し、勉強を楽しいものにする可能性があるということです。
 第三に、プログラミング教育は、将来社会人になったときも役立つ一般教養になるということです。ちょうど自動車運転の技術が役に立つような感じで、その技術を持っていれば便利なことが多いのです。
 だから、子供が小さいころからプログラミング教育を受け、その分野に得意意識を持っていくことはよいことです。

 しかし、この早期のプログラミング教育には、次のような注意する面もあります。
 第一は、プログラミング教育を優先するあまり、学力の本道を後回しにするようなことがあってはならないということです。
 第二は、早めにプログラミング教育に得意になったのはいいが、後が続かないこともあり得るということです。
 これは、英語、読書、算数、スポーツなどの分野の早期教育にも言えます。
 子供のときに、それらの分野に得意になったとしても、肝心の学力の育成を後回しにしてしまったり、子供時代だけの得意で終わらせてしまったりすることがあるということです。

 では、どうしたらよいかというと、対策は二つあります。
 第一は、学力の本道である日本語力や経験力の習得を優先することを忘れないということです。プログラミング教育は、教育の広い分野から見れば、枝葉の教育なのだという軽重のバランス感覚を忘れないことです。
 第二は、プログラミング教育のような個性を伸ばす枝葉の教育においても、広く楽しそうな入口があることよりも、高い出口があることを教室選びの選択の基準にするということです。

 現在の社会では、子育てに関する情報は、いいことも悪いこともふんだんに流れてきます。
 だからこそ、保護者が原則をしっかり持って子供の教育を考えていくことが大事なのです。


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森川林 20170105 1 
 酉年にちなんで、スズメの鈴なりの写真です。
 でも、本文は写真とは関係なく、プログラミング教育についてです。
 ブームになっているものほど、原則を考えておく必要があります。
 ちなみに、私は、プログラミング教育については大賛成です。これは、子供たちにとって勉強の中でいちばん面白いものになると思います。


nane 20170105 1 
 写真と本文は関係ありませんが、プログラミング教育のような新しいものほど、親は中身を判断することが必要です。
 いちばんの原則は、普通の学力さえしっかりつけておけば、プログラミングの学習はいつになってもできるということです。
 だから、焦らないことです。
 もう一つは、導入部分の楽しさよりも、先に進んだときの高さを基準にするということです。


namura 20170106 10 
プログラミング教育も、早期教育には英語教育と同じように良い面、悪い面がありそうですね。

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記事 2781番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/2/10
これから広がるオンライン教育――顔の見える交流で勉強の意欲がわく as/2781.html
森川林 2017/01/04 07:45 


 言葉の森では、今、オンラインで行う、作文、勉強、家庭学習の指導を行っています。それぞれ、オンエア講座、オンエア作文、寺子屋オンエアという名称です。
 また、保護者とのオンエア懇談会も行っています。

 パソコンやスマホやタブレットを使って、オンラインで勉強をしたり懇談をしたりするというのは、まだ多くの人にとって敷居が高いので、参加している生徒は、言葉の森の生徒のわずか5パーセント程度です。

 しかし、このオンラインで行う企画は、いったん始めてみると、なかなか効果があるのだとわかります。
 いちばんの効果は、子供たちが意欲的に勉強に取り組むようになるということです。
 特に、オンエア講座の場合は、6、7人のグループで互いの読書の紹介や勉強の発表などができるので、通学の教室で勉強しているのと同じ雰囲気があります。

 電話指導だけの場合でも、先生と生徒とのつながりが深くなるのですから、互いに顔が見える生徒どうしの交流があれば、勉強を通してのつながりは更に深くなります。

 このオンエア講座の特徴は、勉強を教えるのではなく、勉強のきっかけを作ることです。
 約45分間のオンエア講座のあと、子供たちがお母さんやお父さんと相談しながら勉強をしていくのが、勉強の中身になります。

 このオンエア講座のスタイルの勉強が広がれば、自宅でいながらにして、同じ興味や関心を持つ仲間たちと、密度の濃い勉強ができるようになると思います。

 今後、このオンラインの勉強を、もっと参加しやすいものにしていきたいと思っています。

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森川林 20170104 1 
 オンライン教育の便利なところは、場所の制約がないところです。
 将来は、田舎の山奥にいる先生が、何十キロも離れた離島に住む子供の勉強を見るというようなことが出てくると思います。
 そういえば、先日のオンエア講座には、フランスの小2の女の子が、「今日は風邪で学校を休んだから」ということで、日本の平日の夕方のオンエア講座に参加してくれました。


nane 20170104 1 
 オンラインで毎回顔を合わせて話をしていると、実際に会ったことは一度もなくても、いつも会っているような気持ちになります。
 だから、オンラインでの交流を土台にすれば、リアルな夏合宿なども自然に行えるようになると思います。


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記事 2780番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/2/10
教育の自由化とオンライン教育 as/2780.html
森川林 2017/01/03 08:43 


 教育の役割は、基礎学力をつけることと、集団活動の中で子供たちの意欲を伸ばすことの大きく二つに分けられます。
 基礎学力は、学校の授業で行われるとともに、定着力を高めるための家庭での宿題として行われてきました。
 しかし、今、学力の低下が問題となっているのは、家庭で行われる自学自習形式の学習に十分に対応できない家庭があったからです。

 そこで、今考えられているのは、家庭での自学自習を支援するためのネットワークの利用です。
 教育にネットワークが利用できるような技術革新が、ここ数年の間に急速に発達してきました。
 これが、これからの教育が大きく変わる第一の条件です。

 教育の変化の第二の条件は、副業が原則容認となる社会になりつつあることです。
 これまでのインフレの時代には、需要が供給を上回っていたので、どこでも長時間の労働が必要でした。
 しかし、これからの時代には、供給力が常に需要を上回る傾向にあるので、ワークシェアリング、派遣労働の普及と同じように、副業が原則として容認される社会になります。
 すると、会社員でも土日や早朝に子供たちの教育に関与することができるようになります。早朝の教育は特に、時差のある海外で暮らす日本の子供たちの教育に活用できます。
 また、平日でも、定年後の高齢者や、子育て中の主婦は、家庭にいながらにしてできる教育の仕事というものが可能になります。
 一斉授業の場合の先生の役割には、エンターテイナーの要素が必要でした。
 しかし、家庭学習の場合の先生の役割は、ティーチングの力よりもコーチングの力、つまり、子供たちの自学自習をうまく軌道に載せる力が必要になります。
 だから、子育ての終わった人で、あまり苦労せずに子育てを行い、子供たちがいずれもいい子に育ったというような家庭の主婦が、教える先生役としては、もっとも適役なのです。

 教育の変化の第三の条件は、これから教育の自由化が進むということです。
 これまで、国や自治体の教育予算は、学校におろされてきました。それを学校におろすのではなく、保護者におろすバウチャー制度という仕組みがこれから検討されるようになります。そして、保護者が自由に学校や先生を選べるようになるのです。
 教育の自由化には、ある程度の基準が必要ですが、その基準をもとにした学力試験や資格試験があれば基礎学力の担保は十分に可能です。

 以上の三つの条件のもとで進む教育の大きな変化に対応できるオンライン教育がこれから求められてきます。
 そのオンライン教育は、これまで行われてきたMOOCのようなビデオ授業型のオンライン教育でも、マンツーマンの個別指導型のオンライン教育でもなく、少人数のグループ学習を行えるようなオンライン教育です。

 そういうオンライン教育を広げるものは、コミュニティです。
 インフレ時代には、何かを社会に広げるためには、メディアの力や宣伝の力が必要でした。それは言い換えれば資金力が必要だったということです。
 しかし、デフレ時代には、コミュニティの力が社会に広がる原動力になります。コミュニティの中で、よりよいものを提供し、相手の助けになることをするというコミュニティ貢献力がこれからの重要になってくるのです。

 そして、このオンライン教育の普及のあとには、リアルな体験型の教育の場もまた必要になってきます。
 言葉の森が今考えているのは、自然寺子屋合宿教室をオンライン教育と組み合わせて行っていくことです。
 これから、そのための講師募集と講師のコミュニティ作りを進めていきたいと思っています。


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森川林 20170103 1 
 これまでの一斉授業型の教育では、教える先生にエンターテイナーとしての力や、子供たちの集団をコントロールする力が必要でした。
 しかし、家庭学習をカバーするような基礎学力の教育には、子供たちの自学自習をうまく軌道に載せる力が必要になります。
 そういう先生の適役は、自分が子育てを済ませ、子供たちの教育にあまり苦労をせず、子供たちがいずれもいい子に育ったというような経験を持つお父さん、お母さんです。
 これから、そのように誰もが子供の教育に関われるという社会がやってくると思います。


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