最近、小学5、6年生から、言葉の森受講の問合せが多くなっています。公立中高一貫校で作文試験があるためだと思います。
大手の学習塾や通信講座でも、最近作文指導に取り組むようになっていますが、それらの指導の多くは、言葉の森が昔からホームページに掲載している指導法を真似たようなものです。
これは、国語の読解の勉強法も同じで、学習塾や通信講座でやっている、要約の仕方、読解問題の解き方、記述問題の書き方などは、言葉の森が昔からホームページに掲載しているようなものです。
しかし、それはそれでいいのです。言葉の森は、できるだけ多くの人が利用できるように、オリジナルに作成した教材の多くをオープンにしているからです。
ところで、教材というハードな部分は誰でも真似ができますが、実際の指導というソフトな部分では、伝えにくいノウハウがあります。
特に、作文の勉強は、他の教科の勉強と違い、「書き方がわからない」「なかなか書き出せない」「途中でどう書いていいかわからなくなった」「時間がかって終わらない」「一応書けているが物足りない気がする」「書き方を注意したら書かなくなった」など、勉強の中身ではなく勉強の周辺で解決しにくい微妙な問題が次々と出てきます。
そのときに役立つのが電話指導です。また、言葉の森では、担当の先生からの電話だけでなく、事務局でも随時電話相談を受け付けています。
事務局に相談するのは、お母さんが、どう対処していいかわからなくなってということが多いのですが、そういう難問のほとんどは、簡単なアドバイスで解決してしまうことが多いのです。
本当は簡単に解決できることを時間をかけてこじらせて、親子でくたびれているケースが意外と多いのです。
そこで、4月から、体験学習中の生徒の保護者と、入会したばかりの生徒の保護者に、事務局から、授業のあとの電話のフォローを入れることにしました。その電話フォローで改めてわかったことは、どの家庭も作文の勉強のさせ方で、共通して勘違いしたやり方をしてしまうことが多いということです。
どんなことがあるかというと、まず、子供の書いた作文のおかしいところを、すぐに注意したり直したりしてしまうことです。
直して上手になるぐらいなら、誰でも簡単に作文指導ができ、日本中の子供たちはみんな作文が得意になっているはずです。ところがその反対に、作文指導に熱心な先生が教えるほど、作文の苦手な子が増えてしまうのです。
直せば上手になるというのは、作文の勉強の勘違いのいちばん大きいものだと思います。
では、直さないで、どうやって上手にしていくのでしょうか。(つづく)
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この連休明けに、言葉の森のホームページをスマートフォン対応にしました。
パソコンの画面で見ると、横幅が900ピクセルぐらいになっているだけで変化はあまりありませんが、スマートフォンで見ると横幅が半分ぐらいのサイズになり、文字も少し大きくなります。また、縦に3列の画面が1列だけになるので、そのままずっと下まで見ていけば全部の画面が見られるようになります。スマートフォンよりも少し画面が大きいタブレット端末の場合は、スマートフォンよりももう少し幅が広くなります。
これからのインターネット利用は、パソコンよりもタブレットやスマートフォンが主流になると思います。
今後、ほかのページもスマートフォン対応で見やすいものにしていく予定です。
しかし、スマートフォン対応の先にあるものは、グーグルグラスのようなウェアラブルコンピュータになると思います。
目の前に広がる景色のような感じのモニター画面になるので、マウスやキーボードなども変わります。たぶん手袋をつけて、バーチャルな画面を手で操作するような形になるのでしょう。
画面のサイズは、理論的には360度ですから、インターネットの世界はますますバーチャルリアリティの世界になっていきます。
こういう世界で大事なことは、知識やお金や物や消費ではなく、自分の手で何かを作り出すことになります。
世の中は、大きく変わるように見えますが、実は科学技術の進歩のあとに、だんだんと人間本来の姿に戻っていっているのだと思います。
(写真はCNETより)
http://japan.cnet.com/news/service/35031656/19/
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タブレットPCを使った作文教育の利点について考えてみました。
第一は、図や絵を同時にかけるということです。文章を書く前に、自分がやこれから書こうと思うことを図示できるように考えておくことが大切です。簡単なメモのようなものであっても、事前に全体の構成を考えて書き出すのと、何も考えずに書き出すのでは文章のまとまりに大きな違いが出てくるからです。そのときに、手書きが役に立ちます。
第二に、手書き入力をして、その手書きの文字を文字認識する形で書いていくと、自然に読みやすく丁寧な字を描くようになります。字の丁寧さは、人間が「丁寧に書きなさい」と何度も言ってもなかなか直らないのが普通です。しかし、機械が丁寧に書かれた文字しか正しく認識しないということになれば、子供は自然に丁寧に書くようになります。
第三に、漢字を覚えるようになることです。手書きで書いた文字を変換すると、漢字の候補が出てきます。これまでは書けない漢字があると、人に聞くか辞書で調べるかしかありませんでした。手書き入力した文字を変換するのであれば、手間をかけずに自分の書こうとする漢字を調べることができます。
第四に小学校低学年の生徒でも普通の漢字かな交じり文をテキスト形式で書けるので、森リンのような自動採点ソフトが使えます。文書の評価は人間が行うと、甘くなりすぎたり辛くなりすぎたりしますが、ソフトによる評価は客観的なので、文章力を向上させる励みになります。
第五に、これからの文章はただ文字を書いて埋めるだけではなく、その文章に写真や画像や音声などの様々な表現手段を組み合わせるものになってきます。文章を書く目的のひとつは、他人に感動や情報の中身を伝えることですから、文字以外の様々な表現媒体も併用していく必要があります。
言葉の森では、今後タブレットパソコンと手書き入力を活用した作文の指導法考えていきたいと思っています
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小学校6年生の子生徒のお母さんから、森リンの点数についての質問がありました。表現語彙はとても高いが、思考語彙が少ないために点数がなかなか上がらないということです。
これは小中学生であれば、多くの人が感じていることだと思います。森リンは大学入試の小論文の評価に合うように作られているので、作文に書くテーマ自体が難しいものであることを前提にしています。すると自然に、作文の中に、実例だけでなく、その実例の裏付けになる説明や考えを書くようになってきます。
ですから、今、小中学生で思考語彙の点数が低い人でも、課題がこれからだんだん難しくなり、その難しさに合わせた文章書いてると自然に思考語彙の点数が上がってきます。
言葉の森の「森リンの丘」というサイトに、小学校1年生から高校3年生・社会人までの代表作品が学年別に載っています。(ただし、小学校4年生までの作品は、上手な作品を掲載すると、そのことによるマイナスの方が大きいため今は載せていません。お母さんやお父さんが、子供に、「こういうふうに書いてみなさい」と言うことが多く、ほとんどの子供がそれによって劣等感を持ってしまうからです。)
ここで、高学年や中学生、高校生の作文を見ると、森リンの点数がどういうふうに上がっているかが分かると思います。
思考語彙の点数を上げるコツは、実例だけでなく説明や意見を書くことです。ですから、接続語や助動詞の使い方が大事になってきます。
接続語いうのは、「例えば」「しかし」「だから「すなわち」「したがって」「言い換えれば」「つまり」「わかりやすく言えば」など、自分の書いた文章を、別の言葉で言い換えるような内容を書いていくことです。
助動詞というのは、「だろう」「に違いない」「かもしれない」「のはずだ」などの言葉です。思考語彙というと、「思う」とか「思った」という言葉を考えがちですが、森リンの点数は、同じ語彙は1種類として数えるので、「思う」がたくさん使われていても思考語彙が増えたことにはなりません。いろいろな言い方で自分のい考えた内容を表していくのが大事です。
ところで、森リンの点数を上げる上でいちばん大事なことは、やはり難しい文章を読むことで、自然に難しい語彙を使えるようになることです。
個々の作品んついては、点数が高かったり低かったりしますが、年間を通してみると、真面目に勉強している生徒は、必ず右肩上がりに点数が上がっていきます。
以前、ひとりずつの生徒に、その棒グラフをフラッシュで表示していたのですが、フラッシュの使用をやめたので、いまはその棒グラフが表示されていません。今後、html5のグラフ機能で、各人の作文の進歩が一目でわかるようにしていきたいと思っています。
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ウェブの生誕何十周年だとかいうことを聞いたので、昔の言葉の森のページを見てみました。
1996年9月に開設したのですが、そのころの画面はなく、1年後の1997年の画面がありました。
今とあまり変わらない……(笑)。
中央やや左にかいてあるモグラのような得体の知れない動物は、当時小2の子がかいた「コモリン」という名前の想像上の生き物です。
http://web.archive.org/web/19970502140902/http://www.mmjp.or.jp/shine/
これを見ると、当時からかなり進んだページを作っていたのだとわかります。
その後、開発をしていなかったので、今はかなり遅れていますが。(^^ゞ
しかし、これからまたがんばっていきたいと思っています。
これから作るのは、スマートフォンに対応したページです。
しかし、その後の流れを予測すると、たぶんスマートフォン対応のページというのは将来なくなると思います。
昔、携帯対応のページというのがありました。文字だけの軽いページでしたが、その後スマートフォンがリッチなページを表示できるようになると必要なくなってしまいました。
今、スマートフォン対応のページが必要なのは、スマートフォンで見ることのできる画面が小さいからです。
ところが、今、googleが開発しているグラスは、たぶんウェブをスマートフォンの画面で見るのではなく、眼鏡の中で見るのだと思います。(あくまでも推測)
すると、サイズの制約というものはなくなります。
そして、サイズの制約がなくなるどころか、360度すべてがウェブの画面として表示されるようになります。ほとんどマトリックスの世界です(笑)。
インターネットの進歩は速いので、追いつくことを考えるよりも、新しい展開を予測して先取りしていた方が楽しいと思います。
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