子供は、大人のしていることを真似したがります。○○ごっこという遊びがそうです。
お母さんごっこ、先生ごっこなど、身近な大人の社会を模倣して成長していきます。
では、勉強はどうなのでしょうか。また、読書はどうなのでしょうか。
これらも、勉強ごっこ、読書ごっこという形で取り組むようになればよいのです。
そのためには、お母さんが、楽しく勉強している姿を見せることです。また、自分の好きな読書をして、その本の中身がこんなに面白かったなどということを話してあげることです。
こういう姿を見ている子供は、誰に言われなくても、自然に勉強や読書に対して肯定的な感情を持ち、自分も同じようなことをしたがります。
幼児作文コースでは、お母さんが、子供の話を聞いて作文を書きます。お母さんが楽しく書いている姿を見せて、「こんなふうに書けた」という話をすれば、子供が自然に作文に対して興味を持ちます。
子供が、自分も同じように書き始めたときに大事なことは、大人が注意をしたり直したりしないことです。
模倣をたっぷりした子は、初めから正しい書き方が自然にできるようになります。
模倣が不十分であるうちに作文を書かされ、間違った書き方をして、注意されたり直されたりするので、書くことが嫌いになっていくのです。
大事なことは、子供に勉強させることではなく、まず親が楽しく勉強的なことをしている姿を見せることなのです。
これから、寺子屋オンエアで、小4以下は暗唱の勉強、小5以上は問題集読書の勉強をしていきたいと思っています。
なぜかというと、暗唱と問題集読書は家庭で続けにくい面があるからです。
ドリルを解くような形の残る勉強は、実力はつきませんが、形が残るので続けやすい面があります。
それに対して、音読、暗唱、読書、問題集読書などは、続ければ必ず力がつくのですが、形が残らないので張り合いがないせいか、なかなか家庭で続けることができないのです。
言葉の森の暗唱の方法は、手順のとおり毎日10分ほど時間をかければ、だれでも900字の文章を丸ごとすらすら暗唱できるようになります。
しかし、家庭の場合、親が自分自身子供のころに暗唱をしたという経験がないので、暗唱の勉強をつい覚える勉強と勘違いしてしまうのです。
覚えたかどうかは、暗唱をしていたことの結果であって、暗唱の目的ではありません。
親が覚えたかどうかを基準にして見ていると、子供の方も、繰り返して暗唱するよりも、覚えたかどうかを基準として勉強するようになります。
その結果、先生の前では、すらすらではなくつっかえながら暗唱するような場合も出てきます。すると、先生が助け舟を出してやっと暗唱できるというようなこともあるのです。
このように、覚えたかどうかを基準とすると、暗唱の勉強は、やがて毎日ではなく週に数回となり、ますます覚えようとする癖がついてきます。
同じようなことは、問題集読書についても言えます。
問題集読書は、読む力をつけるための最も手軽で効果のある勉強法ですが、ただぼうっと読んでいるだけの子もいます。そういう子は、読んだところに傍線を引かず、きれいに読んでいます。
文章に傍線を引かずにきれいに読む読み方では、繰り返し読むようなところまではなかなか行きません。
問題集読書も、もし音読でやれば繰り返し読めるようになりますが、それでは今のほとんどの子には負担が大きすぎます。
やはり、印象に残ったとこに傍線を引いて読むというのが、深く読むためには(つまり繰り返し読むためには)最もよい方法なのです。
問題集読書については、読んだあとに感想を四行詩で書き読みを深めるという形をとることができます。
しかし、すると、今度は、形の残る書くことだけに力を入れ、読む方がおろそかになる子が出てきます。
読んだ勉強の結果として書く勉強があるのですが、とりあえず形の残る書く勉強だけして、読む勉強は後回しにするという勉強になってしまう子も多いのです。
ところが、家庭では、暗唱にしても、問題集読書にしても、保護者自身にそういう勉強をした経験がないので、子供に的確なアドバイスができません。
そこで、寺子屋オンエアの取り組みの中で、小4以下は暗唱、小5以上は問題集読書の自習ができるようにしたいと考えています。
やり方は、こんなふうです。
まず、生徒が自分の勉強できそうな時間帯にアクセスします。
そして、先生に、暗唱するページや、問題集読書をするページを報告します。
寺子屋オンエアをつなげたまま、自分なりに暗唱や問題集読書を行い、できた時点で先生にチエックしてもらいます。
毎日10分か15分の自習ですが、このようなやり方でやれば、続けやすくなると思っています。