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記事 2171番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/6
英語が得意になる代わりに日本語が不得意に as/2171.html
森川林 2014/07/05 17:03 


 英語の成績は、真面目さに比例していると言われるので、勉強を真面目にしている生徒が英語の成績もよいというのは当然のことで、全く問題ありません。

 しかし、問題のある生徒もいます。その問題があるのは、英語が得意すぎる生徒です。
 なぜ得意すぎるかというと、小さいころから英語に力を入れていたからです。
 その結果、肝心の日本語が不十分なまま英語だけが得意になったという生徒がいて、それが年々増えているようなのです。

 コンピュータの発達の今後の延長線を考えれば誰でもわかることですが、いずれ自動翻訳機が実用化されます。
 そうなったとき、英語が得意だということは、何の優位性にもなりません。

 しかも、日本人のほとんどは、これからも日本の国を中心にして仕事をします。
 海外で仕事をする場合でも、その仕事のもともとの基盤は日本になっていることが多いのです。

 英語がどんなに得意であっても、日本人どうしのやりとりで、日本語が正しく使えなければ、質のよい仕事はできません。
 そしてまた、英語がどれほど得意であっても、それは周りの日本人と比較した場合の得意さであって、もともとのネイティブの欧米人よりも得意だということはありません。

 だから、子供に幼児期から英語教育をさせるなどというのは、大きな勘違いなのです。
 幼児期に海外に移住するとか、家庭でも英語で話をしているとか、幼稚園の英語教室が盛況だとか、勘違いの例は枚挙に暇がありません。
 それを、マスメディアがもてはやしさえしています。

 今の英語教育ブームに乗せられて、子供に熱心な英語教育をした人の中には、将来、日本語力の不十分さに気づいて後悔する人が必ず出てくると思います。
 熱心にやらなければ、害はありませんが、その場合は何かのプラスになることもありません。
 だから、幼児期は、英語教育などに走らずに、豊かな日本語と愛情を、親子の対話を通してたっぷり与えることに力を注いていくべきなのです。


▽参考図書「英語の早期教育・社内公用語は百害あって一利なし 」(渡部昇一)
http://www.amazon.co.jp/dp/4198637822

 英語の勉強をしなくてよいというのではありません。正しい時期と正しい方法ですることが大事なのです。

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記事 2170番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/6
教育の意義の変化 as/2170.html
森川林 2014/07/05 06:23 


 教育の意義は、これまでは個人の側にあっては福沢諭吉の言うような立身出世にありました。
 社会の側にあっては、富国強兵を支えるための学力や体力を備えた人材育成にありました。

 しかし、これからの教育の意義は、そういうものではなくなります。
 それは、個人にあっては、社会的な競争で優位にたつための教育とは異なる別の動機が必要になっているからです。
 また、社会にあっては、教育の目的は、工業時代までの誰もが同じように一定の水準の能力を達成するためのものではなくなってくるからです。

 未来の教育の意義は、個人にあっては、自分が心から喜びを感じることのできる分野で創造性を発揮するための準備をすることになります。
 社会にあっては、各人の創造性がそれぞれ多様に発揮できるような社会を作ることになります。

 教育のレベルが低ければ、個人の喜びは、その人らしい個性的な喜びではなく、より動物的な一般的な喜びに留まります。
 あらゆる面で自分の能力を育てていくことが、その人の本当に自分らしい喜びを発見するための方法になります。その方法が教育です。

 自分の真の喜びに近いところで、向上し、創造し、社会に貢献することが個人の人生の目的になります。
 その結果、社会全体が、個人の多様な創造性の開花によってより一層豊かになっていくのです

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記事 2169番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/6
語彙力をどう身につけるか as/2169.html
森川林 2014/07/03 20:36 


 語彙力検定というものがあります。その学年の子が、どこまで語彙を知っているかという目安にはなりますが、そのための勉強をしたところで語彙力がつくわけではありません。
 ことわざ辞典も同じです。ことわざに関する知識は身につきますが、それでことわざ力がつくのではありません。

 語彙力やことわざ力は、生きた使い方をすることによって身につきます。だから、最もよい勉強法は、日常生活の中で難しい語彙やさまざまなことわざや名言を実際に使ってみることです。

 知識として身につけた言葉は、知識だけで終わってしまいます。知識があるのにこしたことはありませんが、生きた言葉が第一で、知識が第二という軽重の差を理解しておく必要があります。

 よく、耳にタコができるぐらい聞かされる言葉というものがあります。そういう言葉は、その言葉を身につけようとは思わなくても、いつしかその人の血や肉となり、生きた言葉になります。
 そういう言葉は、話す人の深い体験に結びついていることが多いからです。

 大事なことは、たくさんの知識だけの言葉を覚えることではなく、限られた数ではあっても生きた言葉を身につけることです。
 そのために親のできることは、自分自身の体験を、いろいろな機会を利用して子供に話してあげることです。
 そして、その体験を話すときに、その事実だけではなく、事実の背後にある本質的な概念も言葉にしようとすることです。すると、対話の中に、自然に抽象的な語彙が盛り込まれるようになります。
 例えば、体験談を話したあとに、その体験談にあてはまるようなことわざを考えてみるというようなことです。また、話を楽しくさせるために、たとえを使ったりダジャレを入れたりというような工夫もしてみるといいのです。

 こういう対話の機会として活用できるのが、言葉の森の毎日の長文音読と毎週の作文課題です。
 親子の対話は、子供が小学校低学年のうちに始めると、自然に生活の一部になります。

 子供の語彙力は、親子の対話の中で育っていくのです。

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