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記事 448番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
新しい学校生活のスタートに向けて as/448.html
森川林 2009/04/09 03:12 
 中学、高校、大学受験が終わって、新しい学校の生活が始まった人も多いでしょう。
 受験の結果、目標よりも上の学校に入った人も、目標より下の学校に入った人もいると思いますが、それらはすべて途中経過です。これから、どう勉強していくかということがいちばん大事です。
 目標よりも上の学校や目標どおりの学校に入った人は、そこで安心しないことです。いい学校に入ったから、あとは学校に任せていれば大丈夫というわけにはいきません。勉強は、学校が教えてくれるものではなく、自分がするものです。これまでの受験勉強と同じように、自分なりの勉強時間を確保して学力向上に取り組んでいってください。中学受験をした人は、これまでの小学校6年間よりも大きく変わるのがこれからの中学3年間です。高校受験をした人は、これまでの中学校の3年間よりも大きく変わるのがこれからの高校3年間です。大学に合格した人も同じです。今はまだこれまでの勉強の惰性で学力がついていますが、これからの勉強の仕方次第で3年後又は4年後の学力は大きく変わります。ぜひ、意識的計画的に勉強に取り組んでいってください。
 目標よりも下の学校に入った人の中には、その悔しさをばねにして大きく伸びる人が必ずいます。しかし、大部分の人は悔しさを感じるほど下の学校ではなく、ほどほどに下の学校に行くことが多いでしょう。その場合、全体を通して見ると、やはりその学校のレベルにあった学力になっていきます。例えば、実力のほとんど同じA君とB君が受験をして、A君は難しいA校に入り、B君は易しいB校に入ったとします。B君がその易しい学校でいい成績を上げて勉強が得意になるというケースもありそうですが、実際には、B君はB校全体の水準に合うような学力に落ち着いていきます。なぜかというと、B君を取り巻く環境である友達や先生が、無意識のうちにB君の勉強の程度を決めてしまうからです。逆に、A校に入ったA君は、始めは苦労しますが、だんだんと友人や先生の求める水準まで行くのが当然という勉強の仕方になります。もともとの実力は同じぐらいであっても、この無意識の勉強の目標水準が違うことで、A君とB君の学力の差は広がっていくことが多いのです。
 では、目標よりも下の学校に入った人は、どういう勉強をすればいいのでしょうか。それは、学校の成績をあてにしないことです。学校でどういう成績を取ったかということには関係なく、全国的な模擬試験などを基準にして勉強を進めていくのです。学校での成績をよくすることにはあまり関心を向けず、自分の本当の学力をつけていくことに関心を向けるのです。しかし、ひとりだけそういう浮いた形で勉強をするのが無理だということも多いでしょう。その場合は、幅広い読書をすることです。大学入試の勉強は、1年間本気で勉強すればかなり実力がつきます。高3の1年間は、高1と高2の2年間の何倍もの密度があります。同じように、浪人の1年間は、高1から高3の3年間よりもずっと密度の濃い1年間になります。勉強は、本気になったときからが勝負ですから、まだ本気になれない時期にがんばろうとするよりも、本気になれない時期は幅広い読書で教養を身につけておくと考えればいいのです。その読書は、将来、受験勉強よりもずっと大きな財産になります。しかし、読書は当面の受験勉強にはほとんど役立ちません。その役立たないしかし重要な読書を、空いている時間にできるだけしておくのです。
 以上、ひとことで言うと、学校に任せずに自分で目標を立てて勉強すること、勉強する意欲がわかないときは読書をすること、ということになると思います。

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記事 447番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
保護者の皆様へ:講師の自宅に電話をされないようにお願いします as/447.html
森川林 2009/04/08 10:45 
 授業の時間に子供がいなかったなどの理由で、講師の自宅に直接電話をされる方がいます。
 普段の先生に話を聞きたいという気持ちはわかりますが、電話の説明には準備が必要なので、生徒のみなさんの都合で電話をされると講師にとっては負担が大きくなります。
 電話に出られなかった場合の授業のふりかえは、事務局に電話をする形でお願いします。電話0120−22−3987(平日9:00−19:50)

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生徒父母連絡(78) 

記事 446番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
未来の社会と教育(その2) as/446.html
森川林 2009/04/08 03:41 
 現在の教育は、テスト中心の教育です。そのテストに対応する形で勉強の努力が行われます。しかし、みんなができるようになると、その努力を上回るようなテストの問題が作られるようになります。なぜなら、テストの目的は、差をつけることにあるからです。もちろんこれは選抜テストの場合です。世の中には到達度を評価するという目的のテストもありますから、そういうテストの場合は、全員ができるようになることが目的になります。
 選抜を目的としたテストの場合、努力に応じて難しくなったテストの問題に対応するために、勉強の技術が生まれます。しかしその技術が普及すると、やがてその技術をいかにこなしたという努力の差がテストの差になってきます。この場合の努力とは、勉強にかけた時間に換算される努力です。つまり、テスト、技術、努力の三つの要素がお互いに影響し合いながら、らせん状に学力を高めていくという仕組みが現代の教育を特徴的な姿です。現代社会に生きていると、教育のスタイルはこういう形でしか考えられませんが、歴史的には教育はさまざまな形で行われていました。明治維新前の若者たちの勉強は、テストのためというよりも、純粋な向上心によるものだったと思います。長い歴史で見ると、テストのための勉強という時代はむしろ少なく、ほとんどが自分自身の知的好奇心や向上心からの勉強だったでしょう。
 選抜テストが目指す教育の目標と、社会が求める必要な人材の方向は、大体において一致していると考えられます。しかし、テストは、評価の方向が人為的に作られているので、社会が求める人間像からしばしば逸脱してきます。中国の科挙などは、社会体制を維持するための試験制度でしたが、その試験制度が有為な人材を社会の重要な役割につけていたとは言えませんでした。なぜなら、科挙によって成り立っていた中国の社会は、近代化の波に大きく乗り遅れ、その後の中国の植民地化を招いたからです。それに対して、同じ時代の日本の青年は、テストのための勉強ではなく、自らの向上心による勉強に取り組み、その青年たちが、日本の近代化を大きく進めました。つまり、社会が本当に求める人材と青年たちの自主的な勉強が一致していたのです。
 さて、明治維新のような激動の時代でない平和な時代では、社会とはその時代の身分制社会をあらわしています。身分制などというと、それは江戸時代までの士農工商の話であって、現代の社会にはあてはまらないと考える人もいますが、必ずしもそうとは言えません。現代もこれからも、社会の背後には、ある一定の上下関係を維持しようとする力が働いています。これが広い意味の身分制です。日本は比較的平等な社会ですが、世界にはまだ独裁制や貴族制の社会が数多くあります。また、表面は民主主義と平等の社会であっても、人種や宗教による隠れた身分制が存在している社会もあります。それらの社会によって構成された国際社会では、さらに国際的な力関係があります。G8、G20、常任理事国、非常任理事国の差は、国際的な身分の差です。こう考えると、身の回りでは民主主義が成立しているように見えても、社会の基調は身分的な上下関係で成り立っているというのが現実に近い見方です。しかし、それは、必ずしも身分制が悪いということではありません。もともと集団生活を営む性質を持つヒトという種は、グループを形成して生活するのが一般的で、そのグループの中では必ず身分的なものが生じてくるからです。つまり、身分というのは、純粋な力関係ではなく、ある力関係を維持する方向に働く仕組みなのです。
 さて、こういうことばかり書いていると、教育の話が出てこないので、次回は勉強に関連する話を書きます。
(つづく)

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教育論文化論(255) 

記事 445番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
未来の社会と教育(その1) as/445.html
森川林 2009/04/07 11:50 
 これから数回にわたって、未来の社会と教育の話を書いていきます。社会は大きな変動期にあります。今、目の前に見える状態に合わせて生きているだけでは不十分で、未来がどういう社会になるかを考えていかなければなりません。それは、教育や子供の成長には時間がかかるからです。昔のように身分制の停滞した社会では、未来のビジョンは考える必要はありませんでした。与えられた課題をこなしていれば十分だったからです。大井川の川渡しの家に育った子供は(というのはかなり特殊な事例ですが)、いかにうまく客を運んで川を渡るかということだけを熱心に研究していればよかったのです。しかし、明治維新になり大井川に橋がかかると、自分の仕事の前提そのものが変わってしまいました。これは、川渡しの人に限らず、明治時代の多くの人が多かれ少なかれ経験してきたことです。
 しかし、社会の変革は、流される立場の人にとっては災難ですが、その流れに乗る人にとってはチャンスです。これから世の中でどういう変化が起こるのかを考え、その変化に対応した教育を考えていく必要があるのはそのためです。しかし、それは現在の教育や社会を軽視するものではありません。現在での教育にもしっかり対応していく必要があるが、その先にあるものを考えていくということです。
 言葉の森の生徒のみなさんは、勉強が苦手だから来ているという人はむしろ少なく、勉強は得意だがそれだけでは物足りないので何か面白いものを学びたいという人の方が多いと思います。もちろん、苦手を克服するために来てくれるのは大歓迎ですから、苦手を克服しつつそれにプラスαの勉強をしていくというふうに考えていただいてもいいと思います。私事になりますが、私のうちの子供2人も小1から高3まで言葉の森で勉強をしましたが(高3のときは受験のためさすがにあまり提出しませんでしたが)、国語や作文は最初から普通かむしろ得意でした。では、言葉の森で何を得たかというと、長文の面白い話が身についたこと、自分の作品が記録に残ったこと、親子の対話が楽しめたこと、そして、国語や作文がさらに好きになったこと、などだと思います。
 言葉の森でこれからどういう勉強をしていくのかということも含めて、次回から、未来の社会と教育というテーマを考えていきたいと思います。

(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)
マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

(急いで書いたのでうまくありません)

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教育論文化論(255) 

記事 444番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
教育は家庭の文化の中から——学習塾に流されない家庭生活 as/444.html
森川林 2009/04/06 09:07 
 子供が小学校低中学年のころは、習い事に行くようなこともあまりないので、夕方の食事の時間は家族の団欒の時間として過ごすことできます。ところが子供がだんだん成長して、学習塾に通うようになると、夕方の家族の対話の時間が少なくなってきます。
 子供が夜遅くまで塾に行くようになると、家に帰ってくる時間も当然遅くなります。家庭生活のパターンが塾に行く曜日によって異なるようになると、毎日の自習の習慣を夕方の時間に当てていた場合は、塾や予備校のある日には自習ができないというになります。すると、どうせ週に何回かはできないのなら毎日やること自体が無理だから、毎日の自習もできなくて仕方ないということになってしまいます。
 こうならないようにするために大事なことは、低学年のうちから、朝起きてすぐに毎日の自習をするという習慣を作っておくことです。また、休日には、食卓の話題としてテレビに流されない知的な話をするという習慣もつけて行く必要があると思います。対話の習慣をつけるためにも、子供の長文暗唱というのはいい話題を提供してくれるはずです。
 しかし、このような家庭の文化というものは、ある意味で親の習慣として作られてきたところがあります。親が早起きでなければ、子供に早起きの習慣をつけることはなかなかできません。子供の生活にとっていちばんいいのは、自然のリズムに合った生活をすることです。自然のリズムとは、毎日決まった時間に起きて食べて勉強をして遊んで寝るような生活です。ところが、親は一週間単位という人工的な社会生活を行っています。そこで、翌日が休日のときは夜更かしをして朝は遅くまで寝ているという生活をしてしまいがちです。親にとっては自分の気ままに過ごせる自然な時間ですが、子供にとってはそれは自然な時間の過ごし方とは言えません。
 ところが、この習慣を変えるというのは、子供にとってよりも親にとって非常に難しいことなのです。子供に毎日の長文暗唱の自習をさせ、特にそれを朝おきてすぐにさせるようにし、そして、食卓ではできるだけ家族の対話をするという家庭生活の仕組みを作るのにいちばん苦労するのはやはり親になると思います。
 しかし、考え方を変えれば、いったんそういう家庭の文化を作りさえすれば、その文化は子供が成長して家庭を持ったときにも受け継がれていきます。現代の親は、終戦で日本の家庭文化の伝統がいったん失われたところから、テレビやゲームや塾という障害を乗り越えて新しい家庭の文化を作るという大きな役割を担っているのだとも言えます。

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