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記事 2611番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/2/23
作文の苦手は作られる as/2611.html
森川林 2016/06/28 08:10 


 作文の下手な子がいた場合、その一つの原因に苦手意識があるからということがあります。苦手意識というものは、実力以上に作文を苦手にするのです。
 だから、褒めてくれる先生のもとでは、子供は実力以上に上手に書こうとするので、実際に少しだけ上手になります。そこでさらに褒めてあげることによって、本人の気分のよさをてこにし、実力をつけるための音読と読書を続けさせていくのです。
 これが作文を上達させるコツです。

 しかし、作文力や国語力というものは、それまでの日常生活の蓄積の中で作られてきたものなので、毎日音読と読書を続けても、すぐに目に見えるような上達は感じられません。
 音読と読書を一日も欠かさず半年続けて、効果など忘れた頃に、書いていることが少し変化していることに気がつくのです。

 では、なぜ子供は苦手意識を持つようになったのでしょうか。
 人間は自分で自分の書いた文章を評価できません。特に子供は自分の書いたものが上手なのか下手なのかを自分で判断することはできません。文章には○×試験のような点数はつかないので、自分で客観的に評価することはできないのです。

 子供が自分の作文に苦手意識を持つのは、他の人から比較されたり批評されたりするからです。それは学校の先生や親による善意の一言であることが多いのです。
 例えば「〇〇君のように上手に書いてごらん」とか、「これではまるで何年生の作文みたいだよ」とか、本人を発奮させるつもりで言った軽い一言が、子供の苦手意識を形成するのです。

 特に子供がある箇所に自信を持って書いた時ほど、マイナスの批評は悪い影響を与えます。
 例えば、子供が字数の長さに関して頑張ろうと思い、長い作文を書き、それを自信を持って先生や親に見せた時、見せられた大人がよりよい批評をしてあげるつもりで、「長ければいいというものではないから、もっと中心を決めて丁寧に書く方がいいよ」というようなことを言うと、子供の苦手意識はそこで決定的になるのです。

 実際に、小学校低学年の時に作文の批評をされたのが原因で、高校3年生まで自分で作文を書けない、つまり親がいつも代筆をしていたという人がいました。
 その人が大学浪人1年目の時に、言葉の森の体験学習に初めて訪れ、最初の説明でその日からすぐに作文が書けるようになり、その後1年間毎週作文を書いているうち、苦手意識など全くなくなり立派な小論文を書けるようになったということがあります。
 高校3年生まで書けなかった生徒が、一日で書けるようになったのですから、奇跡のような話ですが、体験学習ではこういうことがよくあります。

 作文を上達させるコツは簡単です。第一は実力をつけるために、毎日の音読と読書を一日も欠かさずに続けていくことです。
 第二は、音読も読書も作文も、どんなに間違えていても、やる気がなさそうに見えても、決して注意をしたり、批評をしたりせずにいつでも褒め続けていくことです。
 第三は、すぐの効果は期待せずに、目に見えるような効果は忘れた頃にやってくると思って気長に続けていくことです。
 このやり方でどの子も国語力と作文力が上達していくのです。

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模擬試験の結果をどう見るか as/2610.html
森川林 2016/06/27 18:17 


 言葉の森の小1~中3の生徒の希望者に、6月に全国模擬試験を受けてもらいました。
 低中学年の生徒で、初めてこういう試験を受けたという人も多いと思いますので、この模擬試験というものの点数の見方を説明しておきたいと思います。

 ちょうど、先日、小学校低学年の生徒の保護者から相談がありました。国語の成績があまりよくなかった、自宅でやればできるので時間が不足していたらしい、とのことでした。

 そのテストの内容を見ているわけではないので、正確なことはわかりません。しかし、二つのことが言えると思います。

 第一は、それほど心配することはないということです。小学校低学年で求められる国語力は、高学年からの国語力とほとんど関係がありません。だから、点数は気にせずに、ただテストの内容とその子のでき具合を把握していればいいのです。

 同じ「試験」という名前でも、検定試験のようなものは、百点満点中の百点が本来取るべき点数です。しかし、模擬試験や入学試験のような差をつけることを目的とした試験では、百点満点中の六十点が平均点になるように作られています。
 だから、人並みの六十点よりやや上ぐらいの点数であれば、それ以上の上位を目指す必要はありません。上位を目指すのは受験のときだけでいいのです。

 しかし、第二に、その点数が低かった原因が時間不足である場合、読書の量と質の不足が背景にあることがあります。

 模擬試験や入学試験は、もともと短い制限時間で正解を競わせて差をつけるように作られています。だから、普通にやれば時間不足になることが多いのです。

 しかし、読むスピードがある子は、時間内に解き終わります。そういう子は、多読と難読の両方ができています。ここで言う「難読」とは造語で、「難しい文章や本を読むこと」という意味です。
 読むスピードがない子は、いつも時間不足になります。その場合、多読か難読のどちらかが、又は両方が不足していることが多いのです。

 勉強の成績は、算数にしても、理科、社会にしても、比較的すぐに上がります。しかし、読書の量と質は、長年の蓄積によるものなので、なかなか変わりません。
 だから、小学校低学年のころは、勉強よりも読書に力を入れている方が、あとから学力が伸びることが多いのです。


 普段、学校の試験で百点近い成績を取ることを普通と考えている低中学年の生徒の場合、模擬試験の点数の悪さにショックを受けることがあります。
 そのとき、お母さんはくれぐれも同じレベルでショックを受けないようにしてください(笑)。そして、おおらかに、これはそういうテストだから点数はそれで十分、普段の実力があるのだから大丈夫、と言ってあげるようにしてください。

 そして、その点数の低さの原因が時間不足であった場合、子供に、「もっと本を読まないと駄目だ」というようなことを言わないようにしてください。それは、子供の問題ではなく親のこれからの問題であるからです。
 模擬試験で状況を把握したあと、その対策を親がゆっくり考えていけばいいのです。

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国語の問題文も本も、読むものではなく頭に入れるもの(その2) as/2609.html
森川林 2016/06/23 18:47 


 国語の試験問題を解く時も、自分の興味を元にした傍線の引き方は有効です。テストの問題文で自分が面白いと思ったところに線を引き、次にその傍線を引いた箇所だけを飛ばし読みすると、その問題文の全体像が頭の中に入ってくるのです。

 読書の場合も同様です。一回目の読書は傍線を引きながら読むので、分速600字で読むとしても1冊の本を読むのにかかる時間は3、4時間です。そして、2回目にその傍線の引かれた箇所だけを飛ばし読みすると、その2回目の読みは15分くらいで済みます。しかし、繰り返し読書はこれで終わりません。2回目にも自分なりに面白いと思ったところに線を引きながら読みます。すると、傍線が二重になるところも出てきます。

 多くの本はこの段階で終わりますが、内容を確実に消化したい本の場合は、3回目の繰り返し読書をします。3回目は傍線が二重に引かれた箇所を中心にノートに書き出すのです。そして、さらに確実に内容を自分のものにしたい本の場合は、その書き出しを元に抽出した箇所ごとに自分の考えを書いていきます。
 この作業を繰り返し読書の4回目とすると、本を確実に自分のものとして消化するには3回から4回繰り返して読む必要があると分かってくるのです。

 繰り返し読書のスタートは本に線を引いて読むことです。そして線を引いて読むための哲学的基礎は『本は読むものではなく頭に入れるものだ』という考えなのです。
 では、図書館で借りてきた本など、自分のものでない本に関してはどうするのでしょうか。そのやり方は傍線ではなくミニ付箋を貼ることです。繰り返し2回目の読書で二重付箋を張った箇所を元にノートに書き出しをすれば、傍線を引いた本と同じようなまとめ方になります。

 ところで、以上述べたことは頭に入れたくなるような文章で書かれたものですから、その文章は主に説明文の本と国語のテストの問題文です。
 小中学生がよく読んでいる本は物語文のことが多いですから、特に頭の中に入れる必要はありません。だから、傍線を引く必要もほとんどありません。
 では、物語文の本はどういうふうに読めばいいのでしょうか。その方法は味わいながら読むことです。その本の中に没頭し、自分がその本の中で生きて経験しているような感覚で読んでいくのです。こういうなりきった読み方が物語文の本を把握するコツです。

 物語文の読書が多い小中学生には、本に傍線を読むことの大切さを実際の読書生活の中で教える機会がなかなか持てません。だから、国語のテスト問題などを利用して、内容をしっかり把握したい文章には傍線を引いて読むということを教えていくとよいのです。

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きょう 20160623  
いつも勉強になります(^o^)

森川林 20160624  
 きょうさん、ありがとう。
 今度、こういう勉強法のコツのようなものをみんなで共有できるといいですね。

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読書(95) 

記事 2608番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/2/23
国語の問題文も本も、読むものではなく頭に入れるもの(その1) as/2608.html
森川林 2016/06/22 05:45 


 小学生から高校生たちの生徒に学校や塾での国語のテストを見せてもらうと、そのほとんどが問題文に線を引かずにきれいに読んでいます。これは小さいころから、ノートには必要なことだけを書き落書きなどはしてはいけないというルールの中で子供たちが育ってきたからです。まして、読んでいる本に落書きをしたり線を引いたり書き込みをしたりするのは厳禁というような雰囲気があるのでしょう。

 私ももちろん、子供のころはそう思っていました。しかし、ある時、「本は読むものではなく頭に入れるものだ」ということをどこかで知り、それから本を読むときは印象に残ったところに線を引くようになったのです。

 そして、そのように線を引いて読んでみると、その効果がかなり大きいことが分かりました。一番の効果は再読が容易になったことです。本の内容というものは一回読んですべてが頭に入る訳ではありません。理解できて自分のものになるのは、ほんのごく一部です。ほとんどは、その時は理解できたように思えても、やがて忘れて頭の中から消え去ってしまうのです。

 知識が人間の頭脳に定着するのは、同じことを繰り返すことによってです。その繰り返しの回数は、勉強に関する知識なら4回から5回、数学の難問の解き方を定着させるのも4回から5回というのがこれまでの実感です。

 新しい知識は2回や3回繰り返すだけでは頭の中に定着するところまではいきません。繰り返しが少ないとその時だけの理解で終わってしまうのです。まして1回読むだけでは、ほとんどが頭の中から漏れていってしまいます。繰り返しが3回目になるあたりから次第に頭の中に残るようになり、4回でほとんどが頭に入り、5回で完璧になるという感じなのです。

 このように知識の内容理解は4回から5回が目安ですが、文章を字句どおりに覚える暗唱となると、その繰り返しの音読の回数が100字で30回ぐらいになってきます。これも25回目あたりの繰り返しから、急に頭の中に文章が丸ごと残るようになり、30回でほぼ完璧に定着するのです。

 しかし、この30回の定着は翌日になるとほとんど忘れています。この30回の繰り返しを日をおいて3、4回繰り返した回数になると。つまり、100字の文章を100回ぐらい繰り返すと、日をおいても固定した記憶になります。これは貝原益軒が四書五経の素読の回数の目安にした100字100回と同じです。ということはこの100回という目安は、多くの人にとって共通するものがあるのでしょう。

 勉強の知識や数学の解法の理解定着は5回、文章のまるごと暗唱は100回が繰り返しの回数の目安だと言えるかもしれません。そして、読書における自分なりの重要箇所の把握と消化は、私の場合3回ぐらいという感じがします。
 その3回の内訳は以下のとおりです。1回目は線を引きながら本を読みます。線を引くのは重要なところというのではありません。本は自分が消化するために読むのですから、その本が重要だと述べているところではなく、自分自身が面白い、あるいはよく分かった、あるいはよく分からなかったという箇所、つまり自分の感情が動いた箇所に傍線を引くのです。

 不思議なことに、自分が面白いと思ったところに傍線を引いたにもかかわらず、その傍線の箇所だけを飛ばし読みすると、その本の重要なところも、全体の文脈の中で自然に頭の中に入ってきます。自分の興味関心を中心にしているにもかかわらず、その本の内容も把握できるようになるのです。(つづく)

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記事 2606番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/2/23
勉強の始めに5分間読書、勉強の終わりにたっぷり読書 as/2606.html
森川林 2016/06/21 05:41 


 読書と勉強はどちらも大切ですが、うまく両立させるためには、時間設定をすることが必要になります。
 勉強は、既に答えの分かっている世界ですから、あまり面白いものではありません。そしてその割りにややこしいものが多いのです。これに対して読書は、新しい未知の世界が開けていくという喜びがある一方、楽に始められるという面があります。
 勉強はつまらないがエネルギーが必要で、読書は面白くてエネルギーがほとんど必要ないのですから、これをうまく組み合わせていくことがコツになるのです。

 そのやり方は、勉強を始める前に短い時間、例えば5分間だけ読書をすることにして、その時間をタイマーで予め音が鳴るようにしておくのです。
 昔、言葉の森の作文教室で子供たちがパソコンで作文を書いていたころ(今はパソコン入力は清書の時だけで、普段の作文は手書きで書いていますが。)教室に来るとパソコンの中にあるゲームをひとしきりやって、それからおもむろに作文を書き始めるという子がよくいました。
 最初に軽くやりやすい遊びのような所からスタートし、そこで加速をつけてから重い勉強に取り掛かるのです。

 しかし、読書やゲームにはそのまま熱中してしまうという落とし穴もあります。そこで始める前に5分のタイマーをセットしておくのです。楽しいことは始める前に「終わりの時間」を設定し、苦しいことは終わる時に「次に始める時間」を設定しておくというのが勉強と遊びをうまく両立させるコツです。

 これに対してよくないやり方は、ただ漠然と取り掛かりやすい読書をさせて、途中からそろそろやめなさいという指示を出すことです。
 よいやり方は、読書をする前に5分間本を読んだら勉強を始めようね、と言って本を読ませることです。このコツをつかむとスタートの時だけでなく、勉強の合間の休憩もうまく取ることができます。

 例えば、30分たったら5分休憩、60分たったら10分休憩のように、勉強の時間と休みや遊びの時間を組み合わせていくと、長い時間の勉強もスムーズにできます。
 これは山道を登る時も同じで、最初の体力があるうちに休まずにどんどん進んでいくと、途中で疲労してしまいますが、最初から休憩の時間を決めておけば長い距離を歩き続けることができるのです。

 5分間の読書休憩を挟む時は、本に小さな付箋を貼っておくと便利です。しおりのような自由に移動させられるものよりも、小さい付箋のように固定したものの方が、始めと終わりのメリハリがはっきりしてくるという効果があるのです。
 しかし、近い将来は子供たちもキンドルを利用して、蓋を開ければいつでも読みかけのページが開くというようなものになると思います。

 スタートの読書は加速をつけるためです。休憩の読書はエンジンをかけたまま、アイドリングで休憩するためのものです。
 では、本格的な読書はいつするかというと、勉強が終わって何もすることがなくなってからたっぷりとしていくのです。
 本を読んでいると面白くなり途中で止まらなくなることがあります。その時は寝る直前まで本を読めるようにしておきます。
 これがもし逆に読書を先にたっぷりして、その後勉強するというような流れにすると、読書が長引いてしまうことが必ず出てくるので、あとの時間が圧迫されて勉強の時間がなくなってしまうのです。

 小学生のころの家庭学習は、読書第一勉強第二ですが、時間の順序としては、勉強を先に読書を後に、でやっていきます。
 この、勉強のあとのたっぷり読書が、小学生のころの子供たちの成長の最も大事な栄養となっていくのです。

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sizuku 20160908 51 
もともとあまり読書習慣がなかった私ですが、このところは朝家事や仕事を始める前に少しだけ読書します。
そうすると、ちょっとした休憩のときテレビをつけずにまた読書をするようになります。
いいサイクルに入っております。

よう 20161115  
読書の習慣がなかなかつかない、という相談を生徒さんのお母様からよく受けます。この「勉強の始めに5分間読書」というのは、頭の切り替えにもいい方法だと思いました。

mae 20161115 9 
読書の習慣がなかなかつかない、という相談を生徒さんのお母様からよく受けます。この「勉強の始めに5分間読書」というのは、頭の切り替えにもいい方法だと思いました。

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記事 2605番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/2/23
中学生の勉強を作業的なものにせず、目的を持った勉強にさせるために as/2605.html
森川林 2016/06/20 14:42 


 中学生の生徒に定期テストの結果を見せてもらうと、その子がどんな勉強の仕方をしているのかよく分かります。多くの子が、作業的な勉強の仕方をしています。つまり、できる問題を何度も解いてみたり、数多くの問題を通り一遍にしかやらなかったり、というような勉強の仕方です。

 こういう勉強を外から見れば、いかにもよくやっているように見えます。机に向かって何時間も手を動かしているのを見れば、親は、しっかり勉強しているのだと思ってしまいます。しかし、その多くは、形だけの中身の薄い勉強なのです。
 親のいうことをよく聞く素直で真面目で性格のよい子ほど、この作業的な勉強に陥りがちです。作業的な勉強をしている子は、学年が低いうちは成績がよいのです。しかし、学年が上がり、難しい問題がちらほら入ってくると、急に成績が伸びなくなってきます。

 なぜ、作業的な勉強をしてしまうかというと、親や先生に何をやるのかという勉強の内容を指示されて勉強してきたからです。勉強の内容を指示すると、子供は自分の頭で考えなくなります。だから、易しい問題は省略して、難しい問題は重点的に繰り返すというような自分なりの工夫をせずに、ただ言われたとおりに易しい問題も難しい問題も同じように作業的にやってしまうのです。

 では、作業的な勉強ではなく、自分で工夫した勉強をするようにさせるにはどうしたらよいのでしょうか。それは、親や先生が、勉強の内容を指示するよりも前に、勉強の目的を伝えていくことなのです。
 ごく短期的な目的でいえば、勉強の目的は、よい成績をとることです。このことを自覚するだけでも、勉強の仕方は大きく変わってきます。
 そして、もっと長期的な目的で言えば、勉強の目的は、自分が成長して社会に貢献できるような人間になることです。こういう目的を自覚した子は、どんなに進められてもカンニングなどはしないでしょう。

 学校の先生や塾の先生は、仕事として子供に勉強を教えているので、こういう目的を伝えることはなかなかできません。だから勉強の目的を話してあげることは、主に家庭における親の役割になります。
 子供が小学校低学年のころは、勉強の内容だけを指示してやらせた方がずっと簡単で能率もよいのですが、この簡単に指示できる時期から、遠回りのように見えてもいつも勉強の目的を自覚させるように接していくことが大切なのです。

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記事 2604番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/2/23
人工知能に負けない学力を育てる as/2604.html
森川林 2016/06/17 19:04 


 昔の人工知能は、「強い人工知能」として作られていました。それは、「こういうことがあったら、ああいうことをする」という入力と出力のプログラムを人間がしっかり作り込むような人工知能だったのです。しかし、それでは、結局人間が予想できる程度のことまでしかできません。
 今の人工知能は、「弱い人工知能」として作られています。それは、正しいことも間違ったこともランダムに多様に行い、そこから確率的によい結果を生み出すものに次第に行動を収斂させていくという人工知能です。このやり方によって、人間が予想もできない優れた知能を発揮する人工知能が作られるようになってきたのです。

 今、スマートフォンでネットを検索すると、音声入力でかなり正確な入力ができるようになっています。なぜこのように正確な変換ができるかというと、それは言葉を正確に聞き取れるようになったからではなく、大量のデータベースをもとに文脈的にあり得そうな言葉を選択できるようになったからです。
 大量の知識や情報をもとに、最も妥当な判断をするという方向に、今の人工知能は発展しているのです。

 すると、近い将来、人工知能が人間の頭脳に取って代わる分野が出てくることが考えられます。それは、大量の知識をもとに、正しい判断をするという分野です。
 この大量の知識をもとに正しい判断するというのは、人間の優れた能力のように思われがちですが、実は人間にとってはあまり得意な分野ではありません。
 このためには,まずたくさんの知識を吸収しなければなりません。そして、その大量の知識を必要に応じて引き出してこなくてはなりません。要するに、頭がいいと言われるような人が得意なことと考えればいいのですが、そういう頭のよさは訓練しなければ育ちません。人間のもともとの自然に反して、たくさんの知識を覚えてそれを再現するという無理な練習をすることによって初めてできる能力なのです。

 無理な練習だから、人間には、勉強のよくできる人と、あまりできない人との差ができます。よくできる人は、その知識と判断を生かせる分野に進もうとします。
 例えば、今の時代で、大量の知識を吸収しそれらを必要に応じて引き出して判断することが必要な頭のよさが求められる分野は、大学の学部で言えば、法学部や医学部でしょう。だから、これらの学部は入るのが難しいと言われているのです。

 ところが、このような頭のよさは、弱い人工知能の最も得意な分野です。最初は大量のデータをもとにランダムな試行錯誤で判断するので、間違いも多いはずですが、やがて急速にその精度が増してきます。そして、やがて人間のその分野の最高に頭がよいと言われる人よりも、速く正確な判断ができるようになるのです。

 法律の条文を大量に記憶し、それを必要に応じて組み合わせて判断するというのは、人間よりも人工知能の方が得意になる分野です。同じように、疾病の現象や原因や治療法を大量に記憶し、それを症状に応じて判断するというのも、人間より人工知能の方が得意になる分野です。

 では、逆に、人間にできて人工知能にできない分野とは何でしょうか。法律で言えば、現在の世の中の問題に即して新しい法律を作り出すことです。医療で言えば、疾病の治療ではなく、人間の新しい健康を作り出すことです。つまり、創造する法律、創造する医療が、人工知能にはない問題意識を持つ人間だけができる分野なのです。

 同様のことは、他のすべての学問や仕事についてもあてはまります。これまでの「よくできる人」の「よくできる」能力ほど、人工知能に代替されやすい能力です。
 逆に、これまでは、「面白いことを考える」とか「ユニーク」とか「ちょっと変わっている」とか言われた、人間の能力のおまけのような個性と創造の分野こそが、人工知能に代替されない最も人間らしい能力として前面に出てくるようになります。

 では、そういう創造の能力は、どのようにして育つのでしょうか。それは、自分の欲望にこだわることによってです。
 今の世の中は、まだ完全とは言えないまでもセーフティネットに守られています。油断していたら、明日食べるものも手に入らないとい野生の動物のような世界ではありません。
 すると、その中で、ほどほどの満足でいいと思う人は、何も創造する必要を感じないでしょう。本当は、もっと辛いカレーを食べたいが、売られているものの最高がこの程度なら、それで満足しようと思える人は、より辛いカレーを創造する必要性を感じません。
 しかし、カレーについては、ほとんどの人はそれでいいのですが、人間は本来自分だけのこだわりを持つ分野を誰でも個性的に持っています。そのこだわりを大切にするということが、これからの教育の最も大事な要素になるのです。

 創造力を育てるためには、子供が多様な経験をする機会を作る必要があります。主要五教科だけがしっかりできていればいいというのではありません。学校の勉強に一見関係ない無駄な時間のように見えることも含めて、いろいろな経験を積ませる必要があるのです。
 そして、その子がこだわる分野を、ほどほどに抑えずに納得行くまで進ませることも必要になります。バランスよく生きるよりも、あることに熱中して生きる方が尊重できるという気持ちを持たせるようにするのです。
 また、世の中はそんなに甘いものではないとか、自分の分をわきまえろとか、みんながやっているのと同じ安全な道を進めとかいう価値観を植え付けずに、がんばれば誰でもできる、人のやっていないことをやれ、雨だれ岩をもうがつ、という価値観を子供のころから育てていくのです。

 そういう生き方の根本があって初めて、知識としての勉強もバランスよく取り組むということが必要になります。
 これまでは、知識だけが重視され、生き方が不問に付される環境に子供たちは置かれていました。それは、これまでの時代が、より豊かな社会を目指すという社会全体の共通の価値観に沿って動いていたからです。

 しかし、これからは違います。社会全体の共通の価値観は、これまでのような形ではありません。唯一あるとすれば、それは創造を大切にするという価値観です。
 これからは、創造する人間を育てるという大きな目標を念頭に置きながら、子供たちの教育を考えていく必要があるのです。

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オンエア講座「中学生定期テスト対策」0616資料 as/2603.html
森川林 2016/06/15 05:10 


■説明(2分)

 中間テストが終わると、もうすぐ期末テストです。
 わあ大変だと思う人もいるかもしれませんが、勉強の計画を立てて取り組める人には、むしろこういう定期テストは、自分の作戦が試せるいい機会だと思うのではないでしょうか。
 中間テストの終わった人は、その結果を入れておいてください。
 期末テストの日程の決まっている人は、テストの2週間ぐらい前になったら、前回の結果をもとにした今回の勉強予定を入れておきましょう。

 そして、今は定期テストの成績がとても重要なものに思われていますが(確かに重要ですが)、これからの社会では、テストの成績よりも、学校の成績よりも、どこの学校を出たかということよりも、もっと重要になるのが、本当の実力です。
 そして、本当の実力は、読書と作文と経験によって作られます。
 だから、試験と試験の合間の気持ちに余裕のあるときは必ず毎日の読書をしておきましょう。本好きな人の読書の目安は、毎日50ページ以上です。1週間に2冊ぐらいのペースで読めるようにしておきましょう。

■みんなの勉強・読書・生活の現状報告(10分)

 一人ひとり、今の勉強の現状を報告してください。
 また、勉強と同じか勉強よりも大事な読書の現状も報告してください。今読んでいる本も手もとに置いておき紹介してください。
 更に、生活面で変わったことがあればその現状も報告してください。(例えば、好きな子ができたとか(笑))

■勉強計画(5分)

 期末試験の2週間前になったら、試験勉強の予定を入れてください。
 計画は、あらゆる実行の土台です。物事は計画どおりに行くことはありませんが、計画を立てなければ自分の実行の目安がわかりません。
 計画を立てて勉強するというやり方に慣れておくことで、高校生になってからの勉強も自分の力でできるようになります。
 みんなの勉強計画を紹介します。ペンネームは「検索の坂」の「変更」というところで、随時変更できます。(今回はこちらでA君Bさんなどと変更しました)

◆勉強の予定(20160601~20160615記録分)

(略)

◆テスト結果(平均との差)(20160601~20160615記録分)

(略)

■計画アドバイス(5分)

・A君は、英語と社会を重点に。
・英語と社会の点数を伸ばすポイントを自分なりに考えて次回の勉強計画に生かす。
・英語は教科書の1ページごとの20回音読による暗唱と暗写を中心に。
・社会は教科書とプリントの5回読み。
・技能教科も教科書とプリントの5回読みで。

・Bさんは、国語と理科を重点に。授業中に、先生が「ここは重要」などと言ったことを教科書に書き込んでおく。教科書を自分流の参考書にするぐらい書き込むつもりで。
・国語と理科の点数を伸ばすポイントを自分なりに考えて次回の勉強計画に生かす。

■難問国語演習(15分)(テスト勉強期間中の人は参加しなくていいです。テストが終わったらyoutubeの記録を見ておきましょう)

(略)

■演習解説(5分)

■質疑応答(5分)

 勉強の内容に関する質問は、下記の教材の範囲に限ります。それ以外の質問は、その教材を使っている学校の先生や塾の先生に聞いてください。
・これでわかるシリーズ(国数英理社)
・ハイクラステスト数学
 時間がかかる質問については、別途掲示板で答えます。

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オンエア講座(41) 中学生の勉强(21) 
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小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●森からゆうびん2026年2月
●思考力を育てる作文教育
●本で最も進んでいるオンライン教育――少人数の対話と個別指導 無料体験学習 受付中。

●詰め込む学習から、創造する学習へ。小1から高3のオンライン少人数教育。小1から高3のオンライン少人数教育。
●担任制で対話のある、5人以内の少人数オンライン教育
●小学1、2年生は作文を始める適齢期です

●小学3・4年生は、作文がいちばん伸びる時期です
●小5・小6から、作文は「考える作文」に変わります。
●高校入試につながる作文力を、中学生から

●入試小論文に対応した作文評価を提供する作文検定(高校向け)
●入試小論文に対応した作文評価を提供する作文検定(塾高校向け)
●学校のための日本語作文検定(学校向け)

●学年ごとの「書く力」が一目でわかる(学校向け)
●総合型選抜・小論文評価業務に関するご提案(大学向け)
●学習塾のための日本語作文検定(塾向け)

●「書ける」ことが塾の強みになる(塾向け)
● 小1からのオンライン作文で、「読む力・書く力・考える力」を一生ものにします(生徒向け)
全国初の本格的な日本語作文検定作文の客観的評価で、誰でも作文が好きになり実力がつく。特許取得の独自のアルゴリズムとAIによる対話型600字講評。(学校塾向け)

●担任制で対話のある、5人以内の少人数オンライン教育 言葉の森
●詰め込む学習から、創造する学習へ。小1から高3のオンライン少人数教育。
●小1から始める作文と読書

●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策
●作文講師の資格を取るには

●国語の勉強法
●父母の声(1)
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