ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3003番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/3/25
読書指導のもうひとつの課題――楽しい多読から楽しい難読へ as/3003.html
森川林 2017/08/19 06:01 


 読書の大切さということが、多くの人が了解されるようになってきました。
 長い目で見れば、読む力こそが学力の土台であって、点数で表わされるような知識は表面的なものに過ぎません。
 だから、子供の家庭学習の重点は、第一に読書、第二に勉強なのです。しかし、取り組む順番は、最初に勉強、最後に読書ですが。

 さて、そういう読書の大切さがわかってきたことはいいのですが、ここにもう一つ大きな問題があります。
 それは小学校低中学年の楽しい読書を、どのようにして高学年、中学生、高校生、更には大学生の難しい読書に結びつけていくかということです。

 アメリカの大学教育と日本の大学教育でよく比較される点は、読書の有無です。
 日本では、ほとんどの大学生はあまり本を読んでいません。
 大学での勉強は、高校までの勉強に比べて易しいいことが多いので、大学生の多くは余った時間を読書よりもレジャーやサークル活動など、さまざまな経験に時間を費やしているように見えます。

 確かに、学生時代に新しい経験に挑戦することは必要です。しかし、それと同時に難しい本を読む力を学生時代のうちにつけておかなければ、そういう読書力は社会人になってからはまず身につきません。

 この大学生時代の難しい読書の土台となるのが、高校生、中学生、更には小学校高学年のころに、ある程度難しい本を楽しく読むことができる力を養っておくことなのです。

 ところが、小学校低中学年の楽しい読書から、小学校高学年の難しいが楽しい読書へののつながりがなかなかできません。
 一つの指標として、難しい文章を読む力のある子は、入試問題集の問題文も読書代わりに楽しく読めます。しかし、多くの子にとって、入試問題集の問題文は難しいだけの退屈なものになっていると思います。

 この問題を克服するためには、子供の読書指導を、楽しくたくさん読めばいいというだけものから、自主的に難しい本に挑戦してその魅力を知っていくという、読書内容を成長させるものにしていかなければならないと思います。

 その一つの参考になるのが、子供どうしの読書紹介です。
 読書紹介の中で、同学年の友達が、自分が普段読んでいる本とは少しジャンルの違う難しい本を楽しく読んでいるらしいということがわかると、子供の読書は、その交流の中で自然に発展していくのだと思います。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20170819 1 
 小学生の読書時間は、10年前とほぼ同水準で、むしろ少しずつ向上しています。
 しかし、中学生の読書時間は大幅に減り、高校生では1ヶ月に1冊も読まない子が半数以上いるということです。(文部科学省2017年調査)
 これは、実は、中学生、高校生の問題ではなく、小学生の高学年の時期に難しい本を読む楽しさを味わう力を身につけていないことの結果ではないかと思います。


nane 20170819 1 
 高校生で本を読まない子は、大学生になってもほぼ必ず本を読むようにはなりません。
 大学生で難しい本を読まなければ、社会人になってからは絶対にと言っていいほどそういう本とは縁のない生活を送ります。
 これが、日本の教育の隠れた危機だと思います。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
読書(95) 

記事 3002番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/3/25
子供の教育における方法と運用――よい教材よい指導法よい先生だけでは不十分 as/3002.html
森川林 2017/08/18 07:00 


 日本のものづくりの強みは、単に機械や設備やそれを使う方法や技術があるからではなく、その機械を手なずけるいわゆる職人芸的な細い手作りの対応の部分があるからだと言われています。
 ですから、パソコンの組み立てや、家電製品の組み立てや、将来の電気自動車の組み立てなどは、設備と技術があればどこの国でもできるようになりますが、これまでのものづくりでは日本の細い技術のすり合わせが長所だったと言うのです。

 これを教育にあてはめてみると、よい教材と、よい指導と、さらによい先生というのは、いわゆる組み立て産業として準備できることです。
 しかし、子供は生身の人間ですから、その組み立てだけでは、対応が不十分なところが出てきます。
 そこで、運用面が大切になるのです。

 では、運用面はどこが担っているかというと、それが家庭における親の関わりなのです。
 例えば、簡単な例で言えば、学校の先生が、よい教材とよい指導法でよい宿題を出したとしても、その宿題を家でこなすような運用体制がなければ教材も指導法も空回りします。
 そして、この運用面は単に宿題をやらせるというだけでなくもっと細かい親の気配りが必要になるのです。

 同じ宿題をやらせるにしても、子供がしぶしぶやるようなやらせ方と、子供が自ら進んで取り組むようなやらせ方があります。
 このそれぞれの子どもに対応した微妙な匙加減(さじかげん)は、親でなければできません。
 そして、この匙加減の微妙な巧拙が、子供の勉強の能率を左右すると言ってもよいのです。

 人間はだれでも親になるのは初めての経験なので、試行錯誤しながら子育てをしていきます。
 大事なことは、この子育てを、ボタンのスイッチを押せば自動的に進むようなものではなく、手作りでコントロールしながら作り上げていくものだという意識を持って臨むことだと思います。

 「主人の足跡は畑の肥やし」という言葉があります。
 単に苗を植えて肥料をまいておけば、それでよい作物が育つわけではありません。
 言葉にして人に伝えられるようなことではない微妙な関わりが、畑を見回る主人の足跡なのです。

 だからまず親がすることは、子供の様子をよく見ることです。
 見ることと手作りをすることが、教育の運用の要だと言えるのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20170818 1 
 よい教材というのは、確かにあります。
 しかし、それ以上に大切なのは、その教材を繰り返し使うという方法です。
 更に、もっと大事なのは、その繰り返しの勉強を叱られながらいやいやするのではなく、明るく進んでやるような家庭の運用の仕方です。
 これからの先生は、ただ授業を教えるだけでなく、この家庭における運用面の相談にも乗れることが必要になると思います。

nane 20170818 1 
 ときどき、「どの本がいいですか」とか、「どの参考書がいいですか」とか、「どの辞書がいいですか」という質問を受けます。 答えは、「本人が気に入ったものなら、どれでもいいです」です。
 手に取った感覚で、デザインや色合いが自分の好きなものであれば、繰り返し使うことが苦にならないからです。
 そして、日本では、よく売れているものは、大体よいものだと考えて差し支えないからです。
 大事なことは、物ではなく、その運用の仕方の方なのです。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 家庭学習(92) 
コメント331~340件
……前のコメント
基礎学力コース 森川林
幼長、小1、小2対象の基礎学力コースの無料体験学習は、1月1 12/19
記事 4383番
作文の上達度は 森川林
 作文力がどのくらいついたかということは、本人にはわかりませ 12/17
記事 4382番
幼長、小1、小 森川林
 基礎学力コースは、小1の子にはおすすめです。  国語と算 12/5
記事 4377番
即自存在、対自 森川林
 中学生のころは、たぶん子供が人生で最も打算的に生きる時期で 12/3
記事 4374番
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●【重要】7月の新学期から作文用紙と封筒用紙の配布を廃止します――手書きの人は作文ノートの利用をおすすめします
●森からゆうびん2026年2月
●思考力を育てる作文教育

●本で最も進んでいるオンライン教育――少人数の対話と個別指導 無料体験学習 受付中。
●詰め込む学習から、創造する学習へ。小1から高3のオンライン少人数教育。小1から高3のオンライン少人数教育。
●担任制で対話のある、5人以内の少人数オンライン教育

●小学1、2年生は作文を始める適齢期です
●小学3・4年生は、作文がいちばん伸びる時期です
●小5・小6から、作文は「考える作文」に変わります。

●高校入試につながる作文力を、中学生から
●入試小論文に対応した作文評価を提供する作文検定(高校向け)
●入試小論文に対応した作文評価を提供する作文検定(塾高校向け)

●学校のための日本語作文検定(学校向け)
●学年ごとの「書く力」が一目でわかる(学校向け)
●総合型選抜・小論文評価業務に関するご提案(大学向け)

●学習塾のための日本語作文検定(塾向け)
●「書ける」ことが塾の強みになる(塾向け)
● 小1からのオンライン作文で、「読む力・書く力・考える力」を一生ものにします(生徒向け)

全国初の本格的な日本語作文検定作文の客観的評価で、誰でも作文が好きになり実力がつく。特許取得の独自のアルゴリズムとAIによる対話型600字講評。(学校塾向け)
●担任制で対話のある、5人以内の少人数オンライン教育 言葉の森
●詰め込む学習から、創造する学習へ。小1から高3のオンライン少人数教育。

●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習