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言葉の森の作文講師資格講座の受講生を募集中――森林プロジェクトのページ更新 as/4311.html
森川林 2021/08/15 11:28 

△位山(くらいやま)の駐車場(台風が来ていたので、誰も来ていない。)

●動画:https://youtu.be/CwsBtkEXIsY

 以前、父の実家のある岐阜県の位山(くらいやま)というところに山登りに行ったときのことです。
 その日は、ちょうど台風が来ていたので、山頂まで行って戻るまでの間、誰にも会いませんでした。

 その位山に行く途中の道を車で走っているときに、山があり、川があり、田んぼがあり、いいところだなあと思ったのですが、同時に、道の脇に並んでいる床屋さんとか飲食店とかが、いかにも古びて寂しげな様子が気になりました。

 昔は、田舎に工場を誘致するということもあったのでしょうが、今は工業製品の生産は途上国に移り、国内で生産するようなものは、人手がなくて済むようなものばかりになっています。

 こういうところでは、農産物は自給自足で、美しい自然に恵まれているとは言っても、現金収入を得ることが難しいのです。

 そこで、運転しながら考えていたのは、こういう自然の豊かなところで現金収入を得るためには、オンラインの仕事が必要なのではないかということでした。

 オンラインの中でも、教育の分野が最も多くの雇用を生み出す可能性があります。
 そして、オンラインでつながった人が、夏休みなどに、オフラインの交流をするために、この自然の豊かな田舎に集まるというのが、オンラインとオフラインの理想的な組み合わせだと思いました。

 これまでの教育は、少数の優れた先生が、30人から40人の生徒を一斉に教えるというのが普通のパターンでした。
 その一斉指導の仕組みができたのは、その時代が、画一的な知識水準を持つ大量の人々を必要としていたからです。
 しかし、この一斉指導のシステムは、今時代遅れになりつつあります。

 一斉指導が時代遅れになるひとつの理由は、これからの教育が、優れたビデオ授業や優れたAI授業によって、中途半端に優れた先生を必要としなくなるからです。

 もうひとつの理由は、これからの子供たちに求められるもの、つまり、これからの社会が必要としているものは、画一的な知識ではなく、個性的で創造的な思考力だからです。

 優れたAI授業というものも、結局は、画一的な知識をいかに無駄なく詰め込むかという前提で考えられています。
 どれだけ能率よく知識が詰め込まれたとしても、それは単なる出発点で、本当の教育はそこから何を創造するかという方向に進むのです。

 では、その創造的な教育は、どのようにして行われるかというと、それは優れたビデオ授業や優れたAI授業によってではなく、少人数の対話と交流を土台とした創造的な学習によってです。
 そのような学習の場を支えるものは、子供たち一人ひとりと関わることのできる少人数クラスの先生です。
 だから、これからの教育には、少人数クラスを担当する多数の講師が必要となるのです。

 このことは、田舎の新しい産業ということに留まるものではありません。
 今後、ロボット化、AI化の進展によって、多くの仕事が人間の雇用を必要としなくなります。
 それは、見方を変えれば、その仕事が、人間が関わる価値を持たなかった仕事だったということです。
 だから、人間は、人間が関わるにふさわしいより価値のある仕事をすればいいのです。

 では、価値とは何かというと、それは、土地でもゴールドでもなく、また、最近よく言われているSNSの人気などでもなく、世の中に新しいものを作り出す、又は、新しいものを提案するという意味の創造なのです。

 では、その創造はどこから来るかというと、創造は幅広い意味では、生物の持っている本質です。
 だから、生物は、これまでの多くの自然災害やパンデミックを切り抜けて、自身を進化させてきたのです。
 その生物の持つ創造という本質をより高度に持つ存在が人間です。

 そう考えれば、創造的な子供たちを育てる教育というものは、創造の準備として、創造そのものに匹敵する価値を持つ仕事だと言えるのです。

 さて、ここから、森林プロジェクトの具体的な話です。
 言葉の森は、40年前から作文教室を開いてきました。
 当時、作文を教えるという概念自体がない中で、独自に作文の指導法を確立してきました。
 そのころの作文は、教えるものではなく、書かせるだけのものだったのです。

 その作文指導のノウハウを、作文教育に関心のある誰もが使えるようにするために、森林プロジェクトという企画を立ち上げました。
 これは、言葉の森の作文教材と作文指導法を使って、誰でも自由に作文教室が開けるようにするという企画でした。

 ただ、その後、私がほかの仕事で忙しくなったため、森林プロジェクトのページもほとんど更新せず、メンバーが自由に作文教室を運営するというままに任せてきました。

 しかし、先日、今年の6月の森林プロジェクトメンバーの人数報告を見て、多くの人ががんばっていることを知り、森林プロジェクトを今後改めて活性化しようと思いました。

 人数報告とは、その先生が今何人の生徒を教えているかという月ごとの報告です。
 人數報告のある教室は、言葉の森のリンクに載せることになっています。
 森林プロジェクトのメンバーは、数の上では50人ほどいますが、外部向けに教室を開いていない人もいるので、6月の人数報告の件数は17件でした

 その6月の人数報告によると、17人の先生が、合計225人の幼児から高3までの生徒を教えているということがわかりました。
 1人の先生が平均15人の生徒を教えているという計算になりますが、生徒が少ない人は1人から、多い人は48人までの生徒を見ています。

 ほとんどの教室が、今はまだ通学形式だと思いますが、今後オンラインクラスのよさが広がれば、オンラインで指導できる教室も増えてくると思います。

 森林プロジェクトを広げるのは、言葉の森の持つ教育の理念を広げるという面もありますが、それ以上に、子供の教育に関心のある多くの人が、教育という仕事をする機会を作るためでもあります。

 今、言葉の森で作文の個別指導やオンラインクラスの指導をしている講師は、講師として優れているばかりでなく、教育以外の他の分野でも、また人柄も優れているばかりだと思います。
 講師の中には、教員免許を持っている人もいますし、教職に携わっていた人もいますが、かなりの人は教育とは関係のない経歴です。
 大体、代表である中根自身が、花が好きだったから園芸学部に入り、しかし、すぐに花の世話に飽きて(笑)、マスコミを目指し、しかし、マスコミの試験で不合格になり、マスコミよりも魅力のある作文教育を目指したという経歴です。

 だから、世の中には、教育とか子供を教えるとかいうことを仕事して考えたことがない人がたくさんいて、そういう人が実は、新しい教育の講師として大きな可能性を持っていると思うのです。

 今回、森林プロジェクトの講座案内を更新したことに加えて、森林プロジェクトの掲示版も新しく作り直しました。
▽森林プロジェクト講座案内
https://www.mori7.com/sikaku/
▽森林プロジェクト掲示版
https://www.mori7.net/ope/index.php?k=spj

 ぜひ、多くのみなさんが、森林プロジェクトに参加し、自分の人生の新しい面を切り開くと同時に、日本の子供たちに新しい創造的な教育を行う仕事に参加してください。
 森林プロジェクトに参加するための講座は、もちろん有料ですが、これは単なる消費ではなく、自分の未来に対する投資です。

 また、既に森林プロジェクトの手続きを途中まで済ませたが、その後、時間がたって自分がどこまで手続きをしたか忘れている方や、そのうち試験問題をなくしてしまったという方も(笑)いると思います。
 そういう方も、ぜひこの機会に、言葉の森までお問い合わせください。
 お問い合わせは、個別れんらく板からできます。

 多くの人の力で、日本に新しい作文教育、創造教育の輪を広げていきましょう。

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森川林 20210815  
 岐阜県の位山に行ったとき、車を走らせていて、きれいな山や川と人のあまりいなそうなお店を見て考えたところから始まります。
 これからの新しい教育は、対話と交流のある少人数クラスの創造的な教育です。
 そのためには、多くの講師が必要になります。
 森林プロジェクトの作文講師資格講座のページを更新しましたので、教育に関心のある方はぜひごらんください。

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記事 4310番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/29
読書感想文のまとめ方――結びの「大きい感想」は親と一緒に考える as/4310.html
森川林 2021/08/14 11:27 


●動画:https://youtu.be/ZaaJ3YOyRos

 言葉の森の読書感想文の指導は、3日に分けて1200字を書くというものです。
 1日に400字ですから、誰でも書けます。

 書く内容は、単なる感想ではありません。
 感想文は、感想という言葉があるので、誤解されやすいのですが、感想だけなら「面白かった」「つまらなかった」以外に書きようがないのが普通です。
 その感想の裏付けとなる、自分の体験や自分の知識を入れて書くから、感想が具体的になるのです。

 そこで、言葉の森では、事前の似た話の準備に力を入れています。
 こういう感想文指導を始めたのは、言葉の森が最初です。
 それまで、読書感想文の指導というのは、雲をつかむような話ばかりで、ほとんどの子供は苦労していたのです。
 大部分の子は、あらすじを長々と書いて、最後に短くどうでもいい感想を書くという形でした。

 さて、言葉の森の指導法で、3日に分けて1200字の感想文のユニットを仕上げたあと、大事なのは全体をまとめることです。
 まず、1日目と2日目の話、2日目と3日目の話が自然につながるように、間につなぎとなる文を入れる必要があることが多いと思います。
 しかし、これはそれほど難しくありません。
 「そのあと、こうなった」という途中経過の短いあらすじを入れるぐらいでいいのです。

 難しいのは、最後の感想です。
 3日目に書く感想は、3日目の文章に関する感想であるとともに、3日間にわたる全体の感想です。
 この全体の感想を書くという構成力は、小学5年生にならなければ出てきません。
 小学5、6年生や中学生でも、自分の力だけでうまくまとめられる子はあまりいません。
 だから、ここは親と相談していく必要があります。

 結びの感想は、言葉の森の小学5、6年生の作文で学ぶ「わかったこと」や「一般化の主題」です。
 一般化の主題とは、「人間は」とか「人間にとって」という言葉でまとめていくことです。
 この結びの出来が、1200字の感想文全体の印象を左右します。

 言葉の森が以前、サンプルとして作った「桃太郎」の感想文を載せます。
 この書き方を参考にして、お父さん、お母さんと相談しながら最後の感想をまとめてみてください。

▼「桃太郎」の感想文
https://www.mori7.com/as/1314.html

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nane 20210814  
 1200字の読書感想文は誰でも書けますが、結びの感想をまとめるのは、子供の力ではなかなかできません。
 だから、結びの部分は親子で相談して書くといいのですが、大事なことはやりすぎないことです。
 子供の力が6割ぐらいで、親の手助けが4割ぐらいならいいのですが、親の手助けが6割以上になると、子供はそれを自分が書いた感想文とは思えなくなります。
 そういう感想文の出来がいくらよくても、子供はうれしくないのです。


森川林 20210814  
 読書感想文は、誰でも書けます。
 言葉の森が、日本でたぶん初めてその書き方を具体化したからです。
(オーバーに聞こえますが本当です。)
 それまでの感想文指導は、雲をつかむような話ばかりで、たまたま上手に書く子がいても、ほとんどの子は長々とあらすじを書いて、最後に短く「私も……したいと思います」のようなとってつけた感想を書いていたのです。

 ところで、感想文の宿題でいつも問題に思うのは、小学2年生以下の生徒に感想文の宿題を出すことと、中学生に「税金」とか「人権」とか決まりきった宿題を出すことです。
 なぜ、そういう宿題を出すかというと、その先生が授業で感想文の指導できないからなのです。


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オンライン五人クラスの特徴を生かす作文クラス、創造発表クラス、プログラミングクラス as/4309.html
森川林 2021/08/12 22:00 


●動画:https://youtu.be/9NLLT-KBKhQ

 オンライン五人クラスの特徴は、全員の発表ができること、互いの対話ができること、自主学習を基本にしながら先生の個別指導があることです。

 国語、算数数学、英語などの教科の勉強では、オンライン五人クラスの特徴のうち、自主学習と個別指導が中心になり、発表と対話はあまり前面には出てきません。
 勉強の性質上、個性的な発表をする面はあまりないからです。

 もちろん、工夫をすれば、勉強的な教科でも創造的な発表をすることはできます。
 例えば、自分が問題集で解いた算数数学の問題をもとに、オリジナルな問題を作り発表をすることです。
 一時、こういうことを試みましたが、やはり普通の子供たちにはまだ負担が大きかったようです。

 しかし、オンライン五人クラスの発表と対話の勉強に、よく合う教科もあります。
 それが、作文と創造発表とプログラミングです。
 これらの勉強の特徴は、国語や算数数学や英語と違って、ひとつだけの正解がないことです。
 10人の生徒がいれば、10通りの個性的な学習になります。

 こういう個性的な学習は、人数の多いクラスの一斉指導ではカバーできません。
 しかし、個別指導だけでは、子供たちにはものたりない勉強になります。
 自分の想像した作品を発表し、ほかの人の感想を聞き、また、ほかの人の発表も見て、自分も感想を言うという発表と対話のやりとりが勉強の重要な中身となるのです。

 これは、世の中ではアクティブラーニング的な勉強と言われていますが、私はそういうカタカナ混じりの言葉ではなく、発表教育、又は、創造教育、又は、創造発表教育と呼びたいと思います。

 話は変わりますが、日本の教育界では、カタカナの外来語をそのまま使うケースが多すぎます。
 ダイバーシティ教育とか、ブレンデッド教育とか、そういうカタカナ言葉を喜んで使っている人を見ると、いつもばっかじゃなかろうかと思います。

 それはともかく、これからの教育の目指す方向は、個性を生かし、創造性を発揮する方向です。
 その個性と創造性の土台として、これまでの通常の教科の教育があるという関係になります。

 しかし、その教科の教育は、わざわざどこかに通って先生に教えてもらわなくても、優れたウェブ教材を利用して自学自習でできるようになっています。
 先生が必要なのは、自学自習ではわからなかったところを質問するときだけです。
 だから、言葉の森のオンライン五人クラスも、自主学習と個別指導を基本としているのです。

 オンライン五人クラスの教育が創造と発表の教育にいちばん適しているということは、多くの人が理屈の上では納得すると思います。
 しかし、今の教育界で、オンライン五人クラスの教育を実践しているのは言葉の森だけだと思います。

 そのため、まだ、このオンライン五人クラスの教育の価値は、多くの人に理解されていません。
 また、オンライン五人クラスの教育は、たまたま集まった5人の生徒の相性が悪かったり、学年やレベルが違い過ぎたりすると、かえってマイナス面の方が出てきます。
 だから、運営は難しいのですが、生徒数が増えてくれば、そういう問題は自然に解決します。

 同じぐらいのレベルの仲のいい生徒が切磋琢磨しながら、発表と創造の学習に取り組むというのが、言葉の森が描く未来の教育のイメージです。

 そういう状態が早く作れるようにがんばっていきたいと思います。

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森川林 20210813  
 作文や創造発表やプログラミングの勉強で、いちばん大事なのは、発表の場があることです。
 そして、自分の発表に対して、友達からの感想や対話があることです。

 ところが、今の一斉指導型の学校教育では、そういうことはまずできません。
 一斉指導は、全員を同じ水準にするために作られた昔の制度だからです。

 しかし、その一斉指導自体も、子供たちの学力の格差に対応できなくなっています。
 異なる生徒の学力を向上させるために必要なのは、それぞれの生徒に合った自主学習と、その自主学習に対応する個別指導です。

 この両方の役割(発表と対話、自主学習と個別指導)ができるのが、オンライン五人クラスです。
 しかし、もちろんオンライン五人クラスにも弱点があります。それは……

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言葉の森の作文の構成の指導――中学生高校生は本格的に考える作文に as/4308.html
森川林 2021/08/11 22:10 


●動画:https://youtu.be/4UgOUcCQOfI

 言葉の森の作文指導は、小学生までは主に表現項目の指導です。
 たとえを入れたり、書き出しの工夫をしたり、結びの工夫をしたりという表現の工夫をすることが勉強の中心になります。

 少し難しいのが結びの工夫です。
 結びの工夫をうまくするには、書き出しも工夫しておくことが必要ですが、この書き出しの工夫を会話の書き出しなどでありきたりに書いてしまう子が結構多くいます。
 会話の書き出しは、小学生の最初のころにする書き方ですが、これをいつまでも続けてしまう子もいるのです。
 書き出しの工夫は、情景の書き出しとして工夫する方が、結びもうまくまとめやすくなります。

 しかし、ここまではあくまでも表現上の工夫ですから、あまり頭を使うわけではありません。

 頭を使って書くのは、中学生の構成中心の作文を書くようになってからです。

 以下、構成の工夫の概略を書きますが、勘のいい人はこの概略の説明だけですべてわかると思います。
 しかし、普通は、実際に具体的に書く指導を受けないとわかりません。

 中学生の構成の項目は、複数の理由です。
 中学生になったばかりの生徒は、「理由を書く」という抽象的なことが理解できず、いつまもで実例を書いてしまう子が結構います。
 「理由を書く」ということは、抽象的な頭の使い方を必要とするので、なかなかできない子も多いのです。

 理由の書き方は、4つあります。
 AとBの二つの意見がありAに賛成する場合、第一はAのよい理由です。第二はAの悪くない理由です。第三はBの悪い理由です。第四はBのよくない理由です。
 このように考えると、複数の理由はすぐに出てきます。

 中学2年生は複数の意見を書きます。
 この複数の意見を総合化するところが難しいので、ほとんどの生徒は折衷案を書いてしまいます。
 途中までの展開がよく書けていても、結びが折衷的な意見になると、竜頭蛇尾というか、全体にものたりない作文になってしまいます。

 総合化の主題は、意見の次元を変えることが必要です。
 例えば、Aという意見も確かによい、しかしBという意見もよい、だが大事なのはAかBかという方法ではなく、その目的とする(又は結果とする)Cなのだ、という書き方です。
 これは、逆にも言えて、Aという目的もよい、しかしBという目的もよい、だが本当に大事なのはそれをどう実現するかという方法Cなのだ、というふうにも書けます。
 次元を変えることによって、堂々巡りの意見から、新しい展開になっていくのです。

 中学3年生と高校1年生は、複数の方法です。
 ほとんどの生徒は、方法を個人的、人間的なことで書いてしまいます。
 しかし、第一の方法を人間の心構えようなことで書いたら、第二の方法は話を広げて社会的な方法として書いていくのです。
 この方法の広がりということが大事です。

 高校2年生は、複数の原因です。
 実例はいくらでも多様に書けますが、原因の種類はかなり限られます。
 社会的な問題の原因は、共通していることが多いからです。
 この原因の書き方は、ひとつは歴史的原因です。もうひとつは社会的原因です。
 こういう縦軸と横軸の広がりをもたせることが大事です。

 高校3年生は、原因のほかに対策を考えます。
 対策の書き方の方向は、4つあります。
 自主、民主、公開、発明という方向です。
 世の中の多くの問題は、自主、民主、公開によって解決に向かいますが、物事を本質的に解決するものは実は発明なのです。

 高校2年生の社会問題の主題は、簡単に書けますが、高校3年生の予測問題の主題は、頭を一度ひねらないと書けません。
 予測問題の主題とは、今の社会問題が解決したあとに出てくる問題です。
 これはかなり頭を使うので、講師であっても、アドリブではなかなか教えられません。

 このように考えると、作文とは、小学生のころは主に表現力の勉強のように見えますが、本当は思考力の勉強なのだということがわかります。


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作文の書き方(108) 

記事 4307番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/29
作文を書くスピードを上げるには(作文の書き方・受験作文) as/4307.html
森川林 2021/08/11 08:10 


●動画:https://youtu.be/y9ddjr5SZBU

 モトクロスの走り方は、何しろ迷わず前へ行くことだそうです。
 見通しの悪いところではついブレーキをかけたくなりますが、先に何があるかわからないところでもスピードを落とさず、何しろ前へ飛んでいくのだそうです。

 これは、作文をスピードを上げて書くときの心理と似ています。
 スピードを上げるためには、自分の書いたあとを決してふりかえらずに、何しろ前へ前へと進んでいくのです。

 もし、次はどのように書くか考えて止まるところがあったら、すぐに、最初に書いた構想メモを見ます。
 構想メモというのは、最初の数分で、数語の箇条書きに書いた全体のメモのことです。
 そして、メモを見て方向を確認したら、またすぐに書き出すのです。

 書くのが遅い人に共通するのは、少し書いては、数行戻って読み直し、また少し書いては数行戻って読み直すという書き方をしていることです。
 書いている途中は、決して読み返さないということが大事です。

 書くことが遅くなるもうひとつの原因は、消しゴムを使って、書いたものの一部を消したり修正したりすることです。
 作文は、原則として消しゴムは使わないつもりで書きます。
 使うとしたら、うっかり書き間違えた1文字だけで、2文字以上消しゴムを使わないと決めておくことです。

 自分の書いた文章を読み直すのは、最後の段落に入り、結びの5行から10行を書くようになってからです。
 結びの5行から10行で、書き出しのキーワードを生かし、テーマの言葉を生かし、切れ味のよい表現を入れてまとめていくのです。

 作文の採点をする人は、数百字の異なる作文を次々に読むのですから、文章の途中の展開などはあまり気にしません。
 最終的に、全体のテーマと、書き出しと結びの対応と、光る表現が入っていれば、自然に高い評価をします。

 日常生活では、このような時間制限で作文を書くような場面はまずありません。
 だから、試験対策として、スピードを上げて書く練習は独自にしていく必要があるのです。

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nane 20210811  
これは一昨年だかに行った那須の公園。
 サマーキャンプで大雨だった日、近くにプールに行ったその前に広がっていた公園。

森川林 20210811  
自分が作文を書くときの最速のスピードを知っていると、試験でも安心できます。
「残りがあと5分しかない。しかし、自分は最速で分速○字書けるんだから大丈夫」と思えるからです。
しかし、そういう子供を焦らせる試験はしてほしくないなあ(笑)。
そのうち、今のような試験制度はなくなると思います。

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手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

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