https://youtu.be/FZmr6BDbTI4
●項目指導という作文の指導法
言葉の森は、作文教室の創設当初から項目指導を行ってきました。
その理由は、子供自身にわかるような客観的評価でなければ、作文を書くための学習意欲に結びつかないと考えていたからです。
●作文の表現を分解して項目化する取り組み
その項目指導を充実させるために、子供たちの作文が多数掲載されている作文集の本を何冊も読み、その中に共通する表現項目を抜き出しました。
そのうちのいくつかが「たとえ」や「会話」や「思ったこと」です。
また、同じ「会話」でも、「長い会話」や「味のある会話」があります。
また、「思ったこと」でも、「自分らしい思ったこと」や「口に出さないが心の中で思ったこと」などがあります。
そうしたさまざまな表現を項目化しました。
●学年に応じて変わる評価の視点
もちろん、「たとえ」や「会話」は小学生の作文の場合ですから、中学生の意見文や高校生の小論文ではまた別の項目になります。
最初は、これらの指導項目を数多く載せていましたが、子供たちがその項目に習熟するよりも、次々と新しい項目を求める面が出てきたので、項目の数は本質的なものだけに絞るようにしました。
それが言葉の森の現在の項目指導です。
●森リンへの項目指導の組み込み
この項目指導は、言葉の森の独自の指導法でしたから、当初は森リンに組み込むことは考えていませんでした。
しかし、作文指導を行う場合、項目指導があるかないかで指導のしやすさが大きく変わります。
たとえば、単に「この課題で作文を書きなさい」と言うよりも、「この課題でこういう項目を入れて作文を書きなさい」という方が、生徒も書くための目安ができるので書きやすくなります。
そして、書きやすくなることによって、その生徒の本来の実力が発揮できるのです。
●森リン3.0での進化
これまでの森リン2.0は、一部に項目評価を入れていましたが、今後の森リン3.0では、それぞれの級の評価に、項目評価を本格的に組み込む予定です。
項目評価が組み込めるようになったのは、AIが単に言葉の上だけで評価するのではなく、その言葉に込められた内容面も評価できるようになったからです。
例えば、「たとえを使って書く」という項目でも、ありきたりの「たとえ」とその人らしい「たとえ」の違いがあります。
「たとえ」が書いてあること自体を褒めて評価する点は共通ですが、その褒め方が普通の褒め方だったり、大きな褒め方だったりという違いが出るのです。
●内容評価は点数化せず講評で扱う
また、森リン3.0では、この項目評価に加えて内容面の評価も取り入れることにします。
ただし、内容の評価については点数はつけません。
講評の中でその内容の良さに言及するという形にとどめます。
その理由は、内容というものが、作文に取り上げた題材に左右されることが多いからです。
作文力の基本は、平凡な内容であっても非凡な内容であっても、同じように表現豊かに書くことのできる力です。
だから、内容の評価は講評だけ、語彙力と項目の評価は点数化してわかりやすくするという指導法にしていくのです。
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■■幼稚園年長~小学3年生の保護者の皆様へ
■毎日の自習の習慣作りを
幼稚園年長~小学3年生のころは、だれでも好きなことを自由に書ける時期ですから、作文の勉強を特にする必要はあまり感じないと思います。しかし、このあと、小学校高学年から、中学生、高校生へと進むと、作文の勉強は小論文の勉強へと発展していきます。
言葉の森では、大学受験生の小論文、現代文の指導につながるかたちで小学生の作文の勉強を位置づけています。小学生のときに上手な作文を書くことが目的なのではなく、大人になってからも必要な表現力と思考力を育てていくことが指導の目的です。
国語の勉強は、学校で習う面よりも日常の生活の中で身につける面の方がずっと大きい特殊な勉強です。英語や数学は、学校や塾で勉強すればそれに応じて成績は上がりますが、国語は、生活の中で年齢に応じた読書や対話の習慣をつけていかなければ塾や学校でいくら勉強をしても、その効果は限られています。
小学校の低学年の時期は、この学習習慣を無理なくつけることのできる最も大事な時期です。学校の勉強だけしていれば十分なこの時期に、家庭で毎日決まった勉強をする習慣をつけ、特にその中でも年齢に応じた読書の習慣をつけていくことが、その後の勉強の進み具合に大きく影響します。
読書は、低学年のうちに毎日の習慣として身につけておくものです。習慣として定着させるためには、本を読む日があったり読まない日があったりするような読み方ではなく、毎日欠かさず読むということが必要です。自分で読むことがまだ難しいうちは、お母様やお父様が読んで聞かせてあげてください。
■■小学4~6年生の保護者の皆様へ
■作文教室と塾との両立を
現在の受験体制のもとでは、高学年になるにつれて、塾などに通わないと学習がしにくくなるという状況があります。しかし、学習の主体はあくまでも家庭学習にあります。家庭学習での主体性がないと、塾のスケジュールに流されたり、志望校の受験とは部分的な関係しかない偏差値に左右されたりしてしまいます。
小学生高学年になると、塾に通う時間が増え、一時期、言葉の森との両立が困難になることがあります。しかし、両立が困難な時期は、大体数カ月で終わり、そのあとは、時間的に忙しくはなるものの、再び同じようなペースで学習を続けていけるものです。
作文の学習は、ちょうど高学年から「説明文」「意見文」の段階に入り、思考力を要求されるようになります。この段階の学習は学校などでもあまりなされず、本格的な国語力をつける点でとても重要なものです。
言葉の森では、曜日や時間の変更は、随時できるようになっています。また、通信指導による学習も、他の教室の通信指導と比べて、きわめて継続しやすいものになっています。高学年になり、塾の時間が増えて忙しくなった方も、曜日や時間の変更によってできるだけ両立させる工夫をしていってくださるようお願いします。ただし、塾によっては言葉の森との両立が時間的に困難になるところもあります。そのためにやむをえず退会される場合は、中学入学後のなるべく早い時期に再開されることをおすすめします。
■■中学生の保護者の皆様へ
■中学生の作文学習は小論文の前段階です
作文力、読解力のうち、意見文を書く力と論説文を読みとる力は、中学生以降に本格的にのびる分野です。小学生の間に既に意見文を書いたり読んだりする段階にまで進んでいる生徒もいますが、全体的にみて、構成の形式を身につけたり文章を要約をしたりすることが精一杯で、内容のある意見文を書ける生徒は限られています。これは、表現力、読解力に、まだ、本人の内面的な成長がともなっていないためです。
小学6年生までに学習する生活文中心の作文と物語文中心の読書は、作文力、読解力の半分にすぎず、もう半分は、中学生以降の意見文、論説文の練習によって完成します。
しかし、実際には、中学、高校では、作文、読書の学習はほとんどなく、あるとしても、その多くは、小学校の延長のようなかたちでおこなわれています。また、中学生の時期は、作文の学習がいちばん続けにくい時期でもあります。その理由は、(1)中学生の時期が、無邪気に出来事を書くわけにもいかず、かといって、自由に意見文を書くほどには語彙が充分ではないという過渡的な時期にあたること、(2)宿題や定期テストなど、外から拘束される勉強の時間が比較的多くなり、自主的な勉強の時間がとりにくくなること、(3)中学校自体も、作文や読書の指導をほとんどしなくなるので、学習の意義やきっかけを見つけにくくなること、などという事情があるからです。
現在の受験体制のなかで行なわれる勉強は、人生にとって価値のある分野というよりも、点数の差がつきやすい分野に重点が置かれがちです。基礎的な知識を身につけるという点で、点数で測られるような勉強も大切ですが、生涯にわたって役立つのは、考える力、読書する力、発表する力など、点数の差のつけにくい、したがって現在の受験体制の中では、重点の置かれにくい分野です。
しかし、最近では、大学入試でも小論文や面接が重視されてくるなど、単なる知識の量よりも、それらの知識を活用する力を評価するようになってきました。中学生での作文、読書の学習は、小学生の学習の延長としてではなく、高校生以降の小論文学習や論説文読書の先取りであるという前向きの姿勢をもって取り組んでいくことが大切です。
中学生が、作文、読書の学習を継続していけるように、当教室では、学習の時間に弾力性をもたせています。具体的には、(1)曜日や時間の変更や振替は、いつでもできるようにしています。(2)テスト期間中の欠席は、その前後にふりかえることができるようにしています。(3)ホームページの動画によるヒントなどを充実させ、先生の説明を受けられないときでも作文を書けるようにしています。
3月から4月にかけては、決まった時間に授業を受けることがむずかしいことも多いと思いますので、出席できるときに出席するというかたちにして、新しい生活のペースを早く作っていってくださるようお願いします。
■■高校生の保護者の皆様へ
■大学受験問題を中心に学習をしていきます
高校生からの教材は、大学入試問題が中心になります。これは、実際に小論文や国語の問題で出された文章を読んで、小論文を書くものです。高校生は、中学生までと違って自分で自覚をして勉強することができるようになります。
高校生の場合、言葉の森での作文の学習は、次のような意義を持っています。(1)国語の読解力をつけること、(2)小論文の力をつけること(推薦入試では、小論文と面接で合否が決まるところが増えています)、(3)社会人になってからも必要な文章表現力をつけること、この3点です。
言葉の森で小論文の学習をしていれば、予備校などで特別に小論文の勉強をする必要はありません。高校2年生までは一般的な小論文の勉強をしますが、高校3年生の後半からは、志望校の出題傾向に合わせた小論文課題も取り入れて学習していきます。
作文力、読書力は、大学生や社会人になっても伸びていく学力です。その点では、記憶力中心の学力とは性質が異なります。しかし、現在の日本では、大学生時代に、思考力や読書力を伸ばす学習はあまりなされていません。また、大学によっては、他の大学との交流が少なく、勉強への知的刺激が高校時代より少なくなってしまう場合もあります。
言葉の森の教材は大学生になっても継続できるように作られていますので、大学生、社会人になっても言葉の森での勉強を続けていくことができます。(ただし、課題は「ザ」「ジ」「ズ」「ゼ」までで終了としています)
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教材注文のページは、新年度の教材に一部変更があっったのでストップしていましたが、本日更新しました。
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php
変更した箇所は、
○小学2年生の「ジュニア新演習国語上・下」をやめて、「ウィンパス国語」にしたことと、
○小学3年生の「ジュニア新演習国語上・下」をやめて、「ウィンパス国語」にしたことです。
理由は、ジュニア新演習は、それなりに難問がありいい教材でもあったのですが、中には不必要な難問もあったので、標準的な問題集にしたということです。
「ウィンパス」は、昔からある問題集で、問題の質も高いので、小学2・3年生の学習教材としてはちょうどいいと思います。
なお、教材注文のページを改訂するまでに、本年1月以降に、小2・3のジュニア新演習国語・算数を申し込まれた方には、新しいウィンパスの教材をお送りしますのでご連絡ください。
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https://www.youtube.com/watch?v=SKlcxDZQaWE
●AIと共に生きる時代の到来
これからのAI時代には、生活や人生のあらゆる場面がAIと相談する形で進むようになります。
年配の方にはまだそうした実感は薄いかもしれませんが、大学生のレベルではAIと一緒に生きることが日常化しています。
それは、ちょうど現在、スマホと一緒に暮らすことが当たり前になっているのと同じです。
その大学生がやがて就職し、結婚する年齢になると、その子供の教育や子育てもAIとともに行う形になっていきます。
すると、勉強もAI勉強、受験もAI受験、大学の学部選びもAI選び、就職もAI就職になります。
そして独立起業する場合もAI独立起業になるでしょう。
●AIに「聞く力」ではなく「問う力」
そのときに最も必要になるのは、AIに聞く能力ではありません。
それはただAIの言っていることを受け取るだけで、AI検索と大きな違いはないからです。
大事なのは、AIに問いかける能力です。
つまり、自分にしかない個性的な切り口でAIに問いかける力なのです。
●リベラルアーツ力とは何か
その問いかける力こそがリベラルアーツ力です。
日本語で言えば、教養です。
教養には、人文科学、自然科学、社会科学の知識、そして主に古典の知識が必要です。
それらの知識が身体化されていることが、リベラルアーツの力、つまり教養の力なのです。
●読書・作文・対話が教養を育てる
では、その力を備えるために何が必要かというと、それは読書と作文と対話です。
また、その対話を交わすことのできる友達の存在も重要です。
読書が大事なことは直感的にわかります。
では、作文が大事なのはなぜでしょうか。
作文は情報を発信する力だからです。
自分から情報を発信することによって、他の人と出会うことができます。
●発信の多様性と蓄積できる力
発信は必ずしも言語による発信だけではありません。
数学や音楽、芸術やプログラミングによる発信も、立派な発信です。
顔やスタイルによる人気の発信もありますが、若さに依存した発信は蓄積できないという弱点があります。
AIの時代には、AIがそうしたことも教えてくれるはずです。
●AIオリエンテッド時代の個性
AIオリエンテッドの時代には、誰もがより自分らしい人生、より個性的な人生を選択できるようになります。
そのときに必要なものが、リベラルアーツ力、教養なのです。
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https://youtu.be/3Pq3SMzqhfQ
記述問題の答えは自分で考えて作るものではなく、本文中の言葉を探してまとめる「作業」であることを理解することが第一歩です。
●記述問題は「考える問題」ではなく「探す問題」
国語の記述問題というと、「自分の考えをうまくまとめて書く力が必要だ」と思われがちです。しかし実際には、記述問題の答えの多くは、すでに本文中に書かれています。
つまり、文章を深く考えて独創的な答えを作るのではなく、「答えが書いてある部分を探す」という作業なのです。
これは読解問題全体にも言えることです。選択肢がある問題でも、「どれが正しいと思うか」ではなく、「本文にその内容が書いてあるかどうか」が基準になります。自分の常識や価値判断ではなく、あくまで本文に忠実であることが大切です。
記述問題も同じです。オリジナルの表現でうまくまとめることよりも、本文の言葉を使って書くことが基本になります。採点者は一つ一つの答案を丁寧に読み込む余裕があるとは限りません。使われている言葉が本文と対応しているかどうかを中心に評価します。そのため、本文の語句を的確に取り入れることが、得点につながるのです。
●指定字数いっぱいまで書く
もう一つ大切なのは、指定された字数いっぱいまで書くことです。
たとえば「600字から800字で書きなさい」とあれば、原則として800字ぎりぎりまで書くのです。これは記述問題だけでなく、作文でも同じです。
理由は単純です。採点するのは人間だからです。同じような内容であれば、情報量が多く、具体性のある答案の方が評価されやすい傾向があります。また、実際に文章力のある生徒の多くは、指定字数ぴったりに書いています。
逆に、字数に余裕を残して終わる答案は、どうしても物足りなく見えてしまうことがあります。与えられた枠を使い切ろうとする姿勢そのものも、評価の一要素になるのです。
●記述力を伸ばす一番の近道は作文
では、記述の力をどのように伸ばせばよいのでしょうか。
結局のところ、文章を書き慣れることが一番です。その基礎となる練習が作文です。自分の考えたことを文章にまとめる練習をしておけば、記述問題にも自然に対応できるようになります。
作文の効用は試験対策だけにとどまりません。会議で司会をするときに、論点を理路整然とまとめる力にもつながります。作文が上手な子は、話すことも上手です。頭の中で言いたいことが構造化されているからです。
説明文や意見文を書く練習を続けていると、話すときにも図解するように、わかりやすく説明できるようになります。書く力は、そのまま考える力、話す力へとつながっていくのです。
●記述式入試の時代へ
大学入試を見ても、記述式の重要性は明らかです。たとえば東京大学の国語は、ほぼすべてが記述式です。選択肢を選ぶ問題はほとんどありません。
大学入学共通テストのような選択式試験もありますが、その先では、自分の言葉で書く力が問われます。
一方で、短い記述問題の採点は、出題者側にとっても難しい面があります。厳密な正解を定めにくく、対策も曖昧になりがちです。50字から60字程度の短文では、AIによる採点も必ずしも容易とは言えません。
本当に国語力を測ろうとするなら、短い記述問題だけでなく、まとまった作文による評価も有効です。作文であれば、AIによる一次評価も比較的信頼性の高い形で活用できます。その上位答案を人間が内容面で評価すれば、効率的で信頼性のある評価が可能になるでしょう。
●記述問題を怖がらない
記述問題は、特別な才能が必要な問題ではありません。
本文をよく読み、答えの根拠となる部分を探し、その言葉を使ってまとめること。そして、指定字数いっぱいまで丁寧に書くこと。その基本を守れば、着実に得点は伸びます。
そして、その土台を支えるのが、日々の作文練習です。
書くことを通して考える力を育てること。それが記述問題対策であり、同時に本当の国語力を育てる道なのです。
▽関連記事
記述問題で「字数が足りない」を解決するたった2つの方法(note)
https://note.com/takashi838/n/ncd4c62a30bb2
【中学受験国語】記述問題攻略ガイド(rmkokugojyuku.com)
https://rmkokugojyuku.com/blog/179
Z会東大受験対策サイト「2025年度 東大国語 徹底分析」
https://www.zkai.co.jp/todai-exam/bunseki/kokugo
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https://youtu.be/m5pZ31cwbf0
●AIの登場による教育のパラダイムシフト
子供たちに勉強を教えるためには、それぞれの教科を専門的に教える力を、講師が持っていることが必要でした。
しかし、AI時代になってその前提が大きく変わりました。
これまでの先生の役割は、自分の知っている知識や経験を右から左へ子供たちに伝えることでした。
そのために生徒がどのようなことを質問しても、それに対応できるだけの指導力が必要だったのです。
●AIが知識を担い、人間が心を育む
しかし現在、答えのある知識は、AIがほとんどカバーできるようになっています。
教科によっては、その教科の専門の先生よりもAIの方が詳しく分かりやすく教えることができます。
そこでいろいろな教科のクラスを統合して、「全科学力クラス」として編成することにしました。
例えば、国語読解クラスであれば「全科学力クラス(国)」、国語・算数数学・英語を教える講師であれば「全科学力クラス(国数英)」などとなります。
AIの時代には、先生の役割は、教えることよりも生徒を励ましたり、生徒どうしの交流を促したり、生徒に勉強以外の話を伝えたり、生徒や保護者と対話したりすることになるのです。
先生に必要な資質は、教える教科の知識よりも、人生の経験、生きる姿勢、自身の体験などになっていきます。
●家庭学習と連動する「2.0」への進化
これまでの全科学力クラスでは、授業のときだけ勉強するという子もいました。
現代の子供たちは多忙で、ひっきりなしにいろいろなことをしています。
そのために、全科学力クラスの勉強でも、自分が消耗しないような関わり方で、そのときだけ熱心にやるという子も比較的多かったのです。
全科学力クラスは、家庭での日常的な学習とセットになっていなければ、大きな成果を上げることはできません。
しかし、それは単なる声かけだけでは不十分です。
もし、毎回の勉強の成果が目で見える形で分かり、それが保護者にも通知され、個々の生徒について今後何をすべきかをアドバイスできるようになれば、週1回の全科学力クラスと毎日の家庭学習が連動し、もっと大きな成果を上げられます。
●AIと人間の対話が支える次世代の学習
個々の生徒の学習評価と個別のアドバイスはもちろん先生でもできますが、そこにAIが加われば、より詳細で具体的なアドバイスが可能になります。
そこで、全科学力クラスでは、週1回の授業と毎日の家庭学習を連動させて、子供たちの勉強をさらに能率よく進めることにしました。
これからの子供たちは、国語、算数・数学、英語のそれぞれの塾などに通う必要はなく、全科学力クラスだけでワンストップの勉強ができるようになります。
人間の先生は、個々の生徒のアドバイスに関する相談や質問に対応することになります。
AIのシステムを、講師と生徒と保護者の対話で補強するというのが、新しい全科学力クラスの展望です。
だから、これまでの全科学力クラスとの違いを明確にするために「全科学力クラス2.0」としたのです。
●未来の教育プラットフォームを目指して
全科学力クラス2.0が目指しているのは、新しい未来の教育スタイルです。
オンライン少人数クラスは、4人から5人の少人数で、世界中どこからでも参加でき、欠席した場合も別の時間のオンラインクラスに振り替えることができます。
全科学力クラスは、子供たちの自学自習と対話のある教育のための、新しいプラットフォームになるのです。
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問題文を読むときに大事なことは、小さな声でいいので音読をすることです。
音読には二つの大きな意味があります。ひとつは文章のリズム感が身につくこと。もうひとつは、斜め読みを防ぐことです。
同じ文章を繰り返し読んでいると、まだ勉強の自覚の十分でない小学生や中学生は、だんだん読み方が雑になっていきます。黙読になると、特にその傾向が強くなります。
しかし、たとえ口の中でつぶやく程度でも音読をすれば、文章をきちんと追うことができます。
●音読を続けさせる最大のコツ
子供が音読をしているとき、そばで聞いているお父さんやお母さんは、つい注意をしたくなります。読み間違い、抑揚、スピード……気になることはいくらでもあります。
しかし、読み方の注意は一切しないことが大切です。注意をすると、子供は音読を負担に感じるようになります。そして、「自分の部屋で読む」と言い出し、やがて音読そのものをしなくなります。
どんな読み方でもいいのです。ふざけて読んでも、早口でも、言い換えて面白く読んでもいいのです。
そこで必要なのは、ただひとことの肯定的な言葉です。
「だんだん上手になってきたね」
「難しい文章をよく読んでいるね」
うそでもいいから褒める。これが子育てのキーワードです。これは子供をコントロールするためではありません。生きていることは基本的に肯定的なことだと伝えるための声かけなのです。不思議なことに、何の注意もしないほうが、音読は自然に上達していきます。
●音読と読書――勉強法は単純
国語の勉強法は実に単純です。毎日、課題の長文を音読すること。そして、毎日読書をすることです。
音読は、朝ご飯の前に行うと続けやすくなります。食卓に課題フォルダを置き、「音読してから朝食」という習慣にすれば、特別な努力をしなくても続きます。
読書は、学年の十倍ページが基本ですが、苦手なうちは毎日十ページでもかまいません。大切なのは、一日も休まず続けることです。
中学生・高校生は定期テストがありますが、読書力のある子はテスト前でも本を読みます。この読書力こそが、学力の土台になるのです。
●小学1・2年生で差はついている
小学1、2年生で、字の多い本をすらすら音読できる子は、学力の土台はひとまず安心です。つっかえながら読む子は、今は成績がよくても、後で伸び悩むことが多いのです。将来の学力の差は、すでにこの時期に芽生えています。
●音読は「回数」が命
音読は、一度や二度では効果は出ません。大事なのは繰り返しです。ただし、同じ文章を続けて何回も読むのではありません。一冊を最後まで読み終えたら、また最初に戻る。そのかたちで一冊を五回読むのです。
繰り返し読むことで、文章の背後にある考え方、つまり思想が見えてきます。国語の問題文には、実は共通した主題が多くあります。繰り返し読むうちに、その主題を予測できるようになります。すると、新しい文章でも読むスピードが上がります。
昔から、素読の方法として「百字を百回読む」と言われてきました。音読の効果は、半ば暗唱できるところまで読んで初めて現れます。
●問題集音読の意味
問題集の問題文を音読させると、多くの子供が一、二か所読み間違えます。それは、その語彙にこれまで接してこなかったからです。一か所も読み違えずに音読できる子は、それだけで国語の力があります。読み違いのある子は、読解のコツを学んでも、少し難しい文章になるとつまずきます。この差は、説明文の読書や問題集読書を毎日しているかどうかの差です。
音読は地味で単調に見えます。しかし、最も確実で、最も力のつく方法です。
毎日の音読と読書。この単純なことを、休まず続けること。それが、国語力を育てる王道なのです。
●関連する記事・参考リンク(G)
ベネッセ教育情報「音読をする意味は?効果を上げる方法や保護者のサポートのコツも」
https://benesse.jp/kyouiku/202107/20210706-1.html
(親のサポートのコツが詳しく、録音して振り返る方法なども紹介)
現役小学校教諭の解説「子どもと『音読』 スラスラ読める子は読解力が高い理由」
https://cocreco.kodansha.co.jp/cocreco/general/study/HkGPK
(低学年での重要性と家庭でのメリットがわかりやすい)
速読解力関連「音読が子どもにもたらす効果とは?」
https://www.sokunousokudoku.net/media?p=12708
(脳の活性化・集中力・語彙力など6つの効果を科学的にまとめ)
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https://youtu.be/BQkJJbK5rNY
●森リン誕生の背景と開発秘話
森リンは2013年に開発しました。
当時、アメリカで開発されていたe-raterという文章自動採点ソフトに対抗するために、日本独自の文章自動採点ソフトを開発したのです。
アメリカは膨大な資金と人材と年数をかけて開発しましたが、私は着想してから数週間で、費用はプリント代数千円ほどで開発しました(数百円だったかもしれません 笑)。
森リンの評価の精度はe-raterに匹敵するもので、当時は日本語の文章自動採点システムとしては唯一のものでした。
●森リン2.0――AI講評の導入
2024年に、言葉の森のサーバーを移転したため、それまでの形態素解析ソフト「ChaSen」が使えなくなり、新たに「MeCab」で語彙力評価を行うことにしました。
そのとき、すでにAIのAPIが活用できるようになっていたので、APIで400字から600字の講評を書く仕組みも取り入れました。
これが森リン2.0(AI森リン、森リー)です。
●AIの可能性の発見と森リン3.0の構想
しかしその後、AIを利用するにつれて、AIは単に講評を書くだけでなく、生徒が項目表の指示に従って書いているかどうかまで評価できることがわかりました。
また、作文の中に盛り込まれている内容に、個性、挑戦、感動、共感などがあるかどうかも、AIによって認識できることがわかってきました。
そこで、新たに森リン3.0を開発することを思いついたのです。
●語彙力評価というオープンな基盤
しかし、森リン3.0でも、これまでの語彙力を分析して採点する方式は今までどおり続けます。
なぜなら、そうしたオープンな基準が根底にあってこそ、作文を書く生徒が努力することができるからです。
語彙力評価はAIの主観的な判断ではなく、形態素解析MeCabと、そのデータを集計する独自のアルゴリズムによって行っています。
例えば、表現語彙の評価では、「同じような言葉を繰り返さずに、多様な表現を使っている」というような評価が出てきます。
また、知識語彙の評価では、「易しい平凡な言葉だけでなく、その学年の生徒にとって少し背伸びをした難しい言葉も使って書いている」というような評価が出てきます。
オープンな評価基準がわかれば、作文が苦手な子も苦手なりに努力できるようになり、作文が得意な子はさらに良い作文を書くために努力するようになります。
●アルゴリズムの限界と人間の役割
しかし、アルゴリズムで評価できるのはそこまでです。
人間が生徒の作文を評価する場合は、指示した項目ができているかどうか、内容にその子らしい面白さがあるかどうかというところまで見ることができます。
この項目評価と内容評価は、森リン2.0までは部分的にしか見ることができませんでした。
森リン1.0の段階では、例えば「たとえが書けているかどうか」という項目評価は、「まるで」「みたい」「よう」といった言葉が使われているかどうかで判断していました。
そのため、「それはまるでダメでした」というような表現も評価してしまうことがありました。
もちろん森リン1.0では、作文の内容に個性があるかどうかというところまでは踏み込めませんでした。
そのため、項目評価と内容評価は人間が行っていたのです。
●森リン3.0が実現する新しい評価
ところが森リン3.0では、「たとえが書かれているかどうか」を言葉の表面だけでなく、内容的に判断することができます。
また、その「たとえ」がありきたりのものか、個性的なものかまで評価することができます。
「書き出しの工夫」や「書き出しと結びの対応」、さらに「書き出しの工夫のレベル」などもAIで判断することができます。
そして、さらに重要なのは、作文の中で最も人間の直感的な評価に結びついていると思われる、内容面での「個性、挑戦、感動、共感、笑い」なども評価できるようになるということです。
もちろん、AIの評価は人間がコントロールする必要がありますが、基本的にはAIで作文評価が完結し、それによって作文を書く生徒にとっては、自分の作文が自分の努力なりに正当に評価されたことがわかるようになります。
●評価の本来の目的と今後の展望
評価とは、生徒に差をつけるためのものではなく、個々の生徒を指導し、生徒が努力できるようにするためのものです。
言葉の森では、今後、作文力を教育の中心に位置づけられる社会を目指して、「日本語作文検定」を全国に広めていきます。
そのために、森リン3.0でオープンで客観的な作文評価の方法を確立し、どこでも誰でも日常的に作文教育ができる環境をつくっていきたいと考えています。
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