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不況に勝つ作文 as/815.html
森川林 2010/03/06 04:00 


 不況は、これからますます深化する可能性があります。

 すると、子供の教育に関しても、必要最低限のものにしぼって、余分なものは削っていこうという動きが出てきます。

 では、何を残して、何を削ったらいいのでしょうか。

 残すものは、本当の学力です。削ってもいいものは、見た目の成績です。


 お母様方の中には、最初から成績で上位を走っていればあとあとまで有利だと考える人が多いと思いますが、そんなことはありません。小学校のときの成績と、中学生になってからの成績、高校生になってからの成績はどんどん変わっていきます。

 今のところ、最終的に大学入試でどういう実力をもって臨むかということが大事ですが、実は、大学に入って卒業したあとも、人間の実力は日々変化していきます。いい会社に入ったり、いい職業についたりすれば一生安泰だというようなことは、これからの世の中ではもうないのです。


 では、何が大事なのかというと、それは、激流の時代の中で、魚の釣れる場所を見つけて確保しておいてあげることではありません。どんな流れにあっても魚が釣れるという釣り方を教えてあげることなのです。

 今ある人気職業のかなりの部分は、子供たちが大きくなる十数年後には不人気職業になる可能性があります。既にニュースにも流れているように、現在、構造的な危機に陥っている企業のほとんどは、数年前には超人気企業でした。同じことは、石炭産業の最盛期にも起こっていました。今の危機が、決して一時的なものではなく、かつての石炭産業の危機と同じものだと認識することが、これからの社会をたくましく生きていくための前提となります。


 では、そのような時代に、子供たちにどういう教育をしたらいいのでしょうか。


 第1は、家庭です。どんなに優れた立派な教師よりも、実の親の方が子供を正しく育てることができます。教育の最後の鍵は、知識でも技術でもなく情熱です。子供がよりよく成長してほしいと願う親の気持ちは、どれほど優れた力量の教師の技術よりも、はるかに大きく子供に影響を与えます。親はまず、そのことに確信を持つべきです。子供は、学校や塾で育てるのではなく、家庭で育てるのです。


 第2は、日本語です。日本語で読み書き考える力さえついていれば、ほかの勉強は全く問題ありません。英語も数学も理科も社会も、学校の勉強だけで十分ですし、もし学校の勉強で不足している分があったとしても、受験期の集中的な独学ですぐに追いつくことができます。そのためのノウハウは、豊富にあります。


 このような考えから、言葉の森では、今、通学できる作文の家庭教室という仕組みを考えています。家庭で、お母さんが、言葉の森の教材を使いながら自分の子供に作文を教えるシステムです。また、教える技術に自信のある人は、自分の子供だけでなく近所の子供を教えることもできます。

 言葉の森の勉強の内容は、暗唱、作文、読書ですが、勉強の中で最も教えにくい作文を指導できるのであれば、そのほかの英語や数学は簡単に教えられます。だから、英語や数学でつまずいているに子は、作文以外の指導をすることもできるでしょう。しかし、基本的にすべての教科は独学でできるものなので、先生は大きな方向と重要なポイントを教えるだけで十分です。


 言葉の森の通学家庭教室の制度は、まだ試運転中ですが、現在の通信教室の指導は、既に通学教室での指導に必要な内容をすべて盛り込んでいます。

 これから不況が深化すると、ますます子供の教育について真剣に考えざるをえなくなりますが、そのときこそ言葉の森の作文教育を子供の成長のための最も確実な土台と考えていってくだい。


 なぜこのように言えるかというと、いろいろな方から、言葉の森で習っていて本当によかった、いちばんプラスになった習い事が言葉の森だった、という声をよく聞くからです。そのときのプラスになったというのは、単に受験で役に立ったということだけではありません。もっと大きく人間形成の上でも役に立ったということです。教育の根幹は、学力向上と人間形成で、それを支えるのが言葉の森の作文指導なのです。

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家庭での作文の教え方14 尊敬語と謙譲語 as/814.html
森川林 2010/03/05 02:56 




 先生に対する話し方で、小学3年生までは、「先生、これとって」という言い方をする子がほとんどです。低中学年は、親しみを持ってもらう方が勉強を進めやすいので、そういう言い方でもかまいません。

 しかし、小学5年生以上になると、機会を見て、「先生、これをとってください」と改めるようにします。高学年からは、ある程度けじめをつけた方が勉強を進めやすくなるからです。そのとき、一緒に、「お父さんが」「お母さんが」という書き方を、「父が」「母が」という書き方にするように説明します。


 さて、敬語の使い方で間違いやすいものがいくつかあります。


 第1は、二重敬語です。

 「言う」の敬語として「言われる」「おっしゃる」がありますが、これを重ねて「おっしゃられる」とするのは二重敬語です。間違いというほどではありませんが、やや不自然です。


 第2は、謙譲語を敬語として使ってしまう場合です。

 「申す」「いただく」「うかがう」「おる」「まいる」「いたす」などは謙譲語ですが、「(目上の人が)申されました」「(目上の人に)いただいてください」「(目上の人に)うかがってください」という言い方をしてしまうことがあります。


 第3は、「お○○する」「ご○○する」は謙譲語だということです。

 「私があなたにお話しする」は謙譲語です。だから、「あなたが私にお話しする」は、謙譲語を相手に使っていることになります。相手の尊敬語として使う場合は、「あなたが私にお話しいただく」「あなたが私にお話しくださる」などになります。

 「私がご連絡します」「私がご案内します」も、謙譲語です。だから、「あなたがご連絡してください」「あなたがご案内してください」は、謙譲語を相手に使っていることになります。「あなたがご連絡ください」「あなたがご案内ください」が尊敬語です。


 「私があなたにご連絡します」「私があなたにお知らせします」というのは、自分の言うことに「ご」や「お」をつけておかしいのではないかと思う人もいるかもしれませんが、これは、自分の動作に対する「ご」や「お」ではなく、相手に対するていねいさを表すものですから間違いではありません。


 第4は、外部の人に、自分の身内の目上の人のことを話すときに尊敬語を使ってしまうということがあります。

 例えば、会社の外の人に、「うちの会社の社長がおっしゃっています」などと言ってしまう場合です。この場合は、「うちの会社の社長が申しております」が謙譲語で正解です。


 中には、身内の人に尊敬語を使うだけでなく、更に多重敬語を使ってしまう人もいます。

「うちの会社の社長がおっしゃられておられます」


 更に、ていねいな言い方をしようと思って、「社長」を「お社長」などと言ってしまうのも、やはり正しい敬語とは言えません。

「あ、お社長、これは、この間旅行に行ったときのお土産です」

「ほう、ありがとう。何だね」

「お奈良漬です」

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