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底辺を広げるだけの知識テストから、頂点も高くする論文テストへ(日本に、真のリーダーを育てるために) as/1291.html
森川林 2011/07/06 19:56 



 3.11の東日本大震災は、日本人の意識を大きく変えました。

 それは、3.11をきっかけにして出版された書物の多さにも表れています。

 ひとことで言えば、日本と世界と地球をよくすることが、多くの人にとって、自分自身の問題として改めてとらえ直されたということでしょう。自分の身近な問題より先に、日本全体の問題があるという集合意識が生まれたと言ってもよいと思います。

 ブログやtwitterやfacebookで、数多くの優れた意見やコメントが書かれ、考える力を持つ日本人の層の厚さがあらためて確認されました。

 しかし同時に、日本の大衆のレベルの高さと全く隔絶したかのようなリーダーのレベルの低さに、多くの人があらためて驚いたのも事実です。ひとことで言えば、戦略的な決断のできない人が、政治家や官僚や大企業のトップを占めていたことが明らかになったということです。

 これと全く同じ構図が、かつての太平洋戦争でもありました。日本が戦争に突入し敗北したのは、当時のリーダーが戦略的な決断をしないまま、ずるずると情勢に引きずられていったからです。

 リーダーが三流で大衆が一流という日本社会の構造が、戦前と同じように戦後もそのまま続いていたのです。



 この原因は、リーダーが選出される日本的な文化の仕組みの中にあります。

 日本人の特質は、平等意識と相手に対する思いやりが豊かにあることです。これは、庶民の日常生活のレベルでは、社会生活の質を高めるのに役立っています。

 しかし、同じ文化が、リーダー選出の際にも適用されると、異なる意見や立場を調整することにたけた人だけが、リーダーになるための階段を登る仕組みになるのです。つまり、AにもBにもCにも万遍なく目を配り、毒にも薬にもならない調整案を提示して全体をまとめられる人が、リーダーの候補として残っていくということです。



 組織のパワーを三角形の面積で表すとすれば、底辺は幅広い知識をカバーする人材になります。そして、高さは、独創性の点で突出した人材となります。つまり、底辺を漏れなくまとめることのできる官僚層と、創造的に時代を切り開くリーダーシップを持つ政治家が組み合わさって、その国の政治のパワーが決定していくのです。

 ところが、日本は、リーダーの選出過程が、調整型の人材が生き残るための減点法で行われることによって、底辺だけはやたらに広いが、頂点が著しく低いという組織が生まれやすかったのです。この傾向は、大きな組織になるほど顕著になり、その結果が、リーダー不在の日本を生み出す文化的背景となっていたのです。



 日本では、学問の世界でも、似たような文化が見られます。日本の学術研究では、関連資料を幅広く集め、それらの資料を数多く引用した人が優れた研究者と見なされます。学者の世界は、大きな組織と同じように外部から閉ざされているので、その組織の中で底辺を広げることだけに時間をとられ、肝心の創造的な研究にまで手が回らないという状況が生まれやすいのです。その結果、引用文献だけが多く、オリジナルな中身のない書物が量産されているという面があります。



 平等意識と思いやりの日本文化は、大衆のレベルを向上させることには有効でしたが、リーダーを育てる点ではマイナスの機能しか果たしていませんでした。

 では、どうしたらいいのでしょうか。

 優れた人材がリーダーになる方法は、それぞれの組織の当事者が、実態に合わせて考えていくものですが、教育の分野については、次のようなことが考えられると思います。

 これまでの教育、特に受験を目的とした教育では、覚えた知識を○×で答えさせる形が主流でした。だから、日本の社会の仕組みと同じように、欠点が少なく、言われたことを素直に聞く、独創性のない子の方が、成績の上位を占めやすいという傾向がありました。

 基礎学力はもちろん必要ですが、基礎学力というのは底辺を広げることですから、今の受験は底辺の広さだけで生徒を評価していたということなのです。

 今後は、底辺×高さという形の評価が求められるようになるはずです。すると、底辺の知識だけでなく、その知識を使って、読み、書き、考える力、つまり創造性を評価する仕組みが必要になってきます。

 今後の試験は、入学試験も、入社試験も、昇進試験も、第一段階では学力テストのようなもので選抜されるとしても、本当のトップを絞るための第二段落では、論文テストや面接テストが主流になってくるでしょう。

 このように、底辺だけでなく高さも加味した評価がなされることによって、はじめて日本が、大衆のレベルにふさわしい真のリーダーを持つことができるようになるのだと思います。

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「仕事」グループ(facebookページより) as/1290.html
森川林 2011/07/06 03:22 



 「就職と仕事と人生と独立の坂道」という長い名前のグループでは、仕事に関するテーマを扱っています。

------------------------------------------------------------

 この就職と仕事と人生と独立というのが、いちばんの難問です。

 大学入試などは、ただ勉強すればいいだけですから簡単。

 結婚も、ただ自分が我慢すればいいだけですからこれも簡単。(我慢していなかったけど(笑))

 しかし、仕事というのは、これはひとりひとりの事情によって千差万別で、一般的な正解というものはありません。だから、だれでも悩むのだと思います。

 特に、若い人は、「この仕事で、一生やっていくのでいいのかなあ」と常に自問自答しながら生きていると思います。

 そこで、私が考えるのは、やはり独立です。

 今は、就職すること自体も大変なので、とりあえず就職をすることが優先になると思いますが、将来の独立の展望を常に考えていく必要があると思います。

 そして、この仕事の選択というのは、もう大学生になったらすぐに考えておくといいと思います。(私は4年生の秋になってから考えたけど(^^ゞ)

------------------------------------------------------------ 人間は、だれでも自分の人生の経営者です。

 どこかの会社に勤めているという意識と並行して、必ず自分で何か仕事の種を見つけ出そうという意識を持ち続けることが大事です。

 そのときに、このfacebookは、ひとつの大きなチャンスを提供しているように思います。

 今、まだ日本のfacebook人口が少ない間に、自分の得意とするジャンルで、facebookという土俵での第一人者というポジションを作ってしまうことです。

 しかし、大事なことは、facebookという技術に精通することではなく、やはり自分の持っているコンテンツにこだわることです。競争が激化してきたときにも、最後に残るのは、コンテンツの独自性だからです。

 それに、それが特に利益には結びつかないことであっても、独自なコンテンツを創造するというのは、人生のいちばんの楽しみになると思うからです。

------------------------------------------------------------

 みなさんには、まだ空想の話だと思われるかもしれませんが、私は、人間社会の生産力はかなり高度に発達しているので、基本的な衣食住は、今後限りなく無料に近いものになっていくと思います。

 そのひとつの兆候が、ソフト分野でも無料化。このfacebookのプラットフォームもそうです。

 なぜソフトなシステムが無料なのに、ハードな物品(自動車とか家とか)が有料なのかというと、結局その差は、リアルなものを生産するのにエネルギーが必要だからということに行きつきます。

 リアルなものの価格は、それを作るのに使われたエネルギーと人件費(人のエネルギー)の総和です。作る方法自体はソフトなので、いったん確立すればいくら使っても減りません。

 ということは、エネルギーが無料に近くなれば、物財も(人件費以外は)無料にどんどん近くなります。

 このような時代に私たちが生きているというのが、自分の今後の仕事を考える前提になります。

 若いみなさん、これから大きな可能性が開けているのが現代なのです。

------------------------------------------------------------

 今、アメリカをはじめ世界で、仕事や生活の大変革が起きています。

 そのひとつ。起業を始めるのに、昔のように資金をこつこつためたり、親類知人に借りたりする必要がなくなったこと。

 個人がビジネスのいいアイデアを思いつき、それをfacebook上でエンジェルのグループに公開すると、そのアイデアがいいと思うエンジェルは資金を提供する。この場合のエンジェルももちろん個人で、1口の金額は小さいからだれでもなれる。

 そして、資金が集まったらスタート、資金が集まらなかったらキャンセル。こういう仕組みが急速に増えているそうです。

 従来の資本主義は、資本のある者が勝つという仕組みでしたが、これからの起業では資本の重要性はほとんどなくなります。

 また、それに伴って、企業のスタイルも、株主の意向に左右される株式会社はもう時代おくれになっていくと思います。

 若い人には、大きなチャンスが待っているということです。

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 続きの記事は、言葉の森のfacebookでごらんください。

http://www.facebook.com/kotobanomori

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