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小学校低中学年の学習は、勉強よりも読書で力がつく as/866.html
森川林 2010/04/14 20:33 


 小学校低中学年のお母さんと勉強の相談をしていてよくあるのは、「勉強が忙しくて、とても毎日は読書ができない」という話です。しかし、その勉強とは何かというと、算数の計算問題や、国語の漢字や読解の問題です。

 そういう勉強が悪いというのではありません。学校では、反復学習の時間が不足しますから、家庭で計算練習や漢字練習をするのは必要です。しかし、読書時間が圧迫されるほどそれらの勉強をする必要はありません。勉強と読書とどちらを優先するかいえば、間違いなく読書です。特に、学年が上がるほど、小学校低中学年のころからの読書の習慣が、その後の学力に生きてくるようになります。

 なぜ、勉強的なことをあまりする必要がないかというと、小学校低中学年の勉強はほとんどが意味のない作業になっているからです。

 例えば、漢字の勉強です。漢字の勉強は、中学生ぐらいになれば、自分で考えて、できていない漢字だけに絞って勉強することができます。そうすると、無駄のない学習ができます。

 しかし、小学校低中学年の場合は、勉強をするという自覚がまだありません。漢字の勉強をしているときでも、何のために漢字の勉強をしているかわからず、ただ言われたことをそのまましているだけです。

 そこで、漢字のドリルをするときも、できているものもできていないものも、同じようにやって無駄な時間の多い勉強をすることになります。また、漢字の書き取り練習をするときも同じで、書ける漢字も書けない漢字も同じように書くので、これも無駄の多い勉強をすることになります。

 勉強の基本は、できているものはやらず、できていないものだけに絞って、できるようになるまでやる、ということです。勉強の自覚ができていない小学校低中学年の勉強では、お母さんが問題を出すような形で能率よく勉強するか、又は、何しろ大量に時間をかけることによってできない問題をなくすようにするか、どちらかしかありません。

 小学校低中学年の子が、黙々と漢字や計算のドリルをやっているのを見ると、一見、子供が何か勉強をしているような感じを受けます。しかし、それは、多くの場合、単なる作業の時間です。本当の勉強は、読書や対話など、生きた日本語を使うところから生まれてくるのです。

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記事 865番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/17
家庭で教える作文教室 as/865.html
森川林 2010/04/14 10:53 



 言葉の森が作文教室を始めたころ、作文のニーズというものは、ほとんどありませんでした。それでも、横浜のはずれの地域の教室で百人以上の生徒が勉強する状態が続いていました。しかし、その後、通学の教室に通えない子が出てきたので、通信指導を始めることにしました。また、2000年ごろからインターネットが普及したので、通信指導にインターネットを利用するようにしました。

 当初は、通学教室の方が便利ではないかと思っていましたが、通信の指導を工夫していく中で、通信指導の方がよい点も多いのではないかということがわかってきました。その最も大きな利点は、家庭で勉強できるということです。家庭で作文の勉強をすると、時間の余裕をもってゆっくり勉強ができます。また家族と対話をしながら勉強することができます。親も、子供の勉強の様子を近くで見ていることができるので安心です。ただし、こういうスタイルの指導ができるのは、言葉の森が電話指導をしているからです。作文を書いていて、子供が次にどう書くかわからなくなったら(というようなことは滅多にありませんが)、言葉の森の事務局に電話をしてすぐに聞くこともできます。

 その一方で、家庭で勉強をすると、親子の関係がうまく行かなくなることもあるようです。例えば、子供がなかなか書けないので親がつい叱ってしまうとか、子供が自分のペースでやると言ってその日にやらなければならない課題を後回しにしてしまうとかいうようなケースです。しかし、しかし、ほとんどの家庭では、先生からの電話のあとすぐに作文を書いて、翌日提出するという形で勉強をしています。言葉の森の作文通信指導は、提出率がかなり高いというのが特徴です。更に、作文だけではなく、希望者には暗唱などの自習もチェックしているので、毎日の勉強もカバーすることができます。

 このように見てくると、通学の時間をかけて、親子の対話もない中で勉強をする通学教室のメリットは、あまりありません。しかし、通学教室でしかできないメリットというものもやはり残っています。それは、発表会ができる、子供どうしの教え合いができる、先生の一斉授業ができるなど、子供どうし、又は先生と子供全体との交流があることです。

 時代は現在、グローバルな経済から、ローカルな経済が見直される形に大きく変化しています。しかし、ローカルと言っても、駅前の大きな塾に通うというような規模のローカルではありません。近所の家庭のような範囲で、子供が徒歩で通えるぐらいのところに何人かが集まり、人間的な触れ合いのある中で勉強を進める、という形のローカルな教育がこれから増えてくるのではないかと思います。

 家庭での触れ合いのある教室に、テキストや指導法は、インターネットを利用したものと組み合わせるという形で勉強をしていければ、通信指導と通学指導の利点を生かした新しい教室ができるのではないかと思っています。

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記事 864番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/17
昔の生徒が突然、教室に就活報告 as/864.html
森川林 2010/04/13 20:58 



 午後8時すぎに、小2のころのから生徒だったH君(慶応大)が、「今日、最終面接で合格しました」と報告に来てくれた。
 早速、残っていたワインで乾杯(笑)。

 会社の概要などを、「この分野ではシェアがトップで」などと、すっかりビジネスマン風に(スーツ姿で)説明してくれた。

「今日は、うちでお祝いでしょ」
と言ったら、
「いや、今日はカレーらしいので、何かほしいものがあったら、買ってこいということでした」


 今、就職活動をがんばっている人たちは、いろいろ大変だと思います。
 しかし、さまざまな紆余曲折はあっても、長い目でみれば、必ず明るい未来は待っています。
 途中の過程はすべて面白いエピソードになると思って、明るい気持ちでがんばってやっていってください。

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記事 863番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/17
海外に住む生徒の日本語教育―外国語も日本語もどちらも苦手にするか、どちらも得意にするか as/863.html
森川林 2010/04/13 11:44 



 海外赴任で、子供が小さいころ日本を離れる人は、日本語の教育が不安になると思います。

 子供は、生活の中で言葉を学ぶので、幼児期は母親との対話が子供の言葉の生活の中心になります。ところが、学齢期になると、学校での友達との会話が言葉の生活の中心になり、次第に日本語を忘れていきます。しかも、この過渡期には、一時的に日本語も外国語もともに劣ってくるという時期があります。

 しかし、この時期にうまくやれば、日本語も外国語も両方自由に使えるようになるバイリンガルのチャンスもあるのです。そのポイントは、母語である日本語を充実させることです。

 「バイリンガル教育の方法」(中島和子著)の中に、面白い例が出ています。

 「兄が小5、弟が小1の日本生まれの兄弟が、カナダのトロントに来て、同じ公立小学校に入学し、英語で授業を受けることになった。この場合、どちらの方が早く必要な英語力が身につくであろうか。……予想としては、『会話力』では弟が早く、『読解力』では兄の方が習得が早いであろうということであった」という話です。

 結果は、兄の方が、会話力も読解力も早かったというのです。つまり、母語を通して言葉というものがしっかり身についていれば、外国語もその言葉の力の土台の上にマスターするのが早いということなのです。

 だから、学校で、友達や先生と外国で話をした分、家庭での日本語の対話を充実させていけば、両方の言葉をマスターできるようになります。そのために、言葉の森の、長文音読、暗唱、作文、そして、その暗唱や作文をきっかけにした対話が役にたつと思います。

 この構図は、外国語と日本語の関係以外にも、さまざまなことにあてはまります。例えば、漫画と読書の関係でも、大事なことは、漫画を読むか読まないかということではなく、いかに読書をしっかりするかということです。同様に、テレビやゲームと実際の体験の関係についても、大切なことはテレビやゲームをどれぐらいしているかということではなく、実際の体験をどれだけしているかということです。作文指導についても、間違いをいかに直すかではなく、よい文章にいかにたくさん触れさせるかということが大事です。

 もちろん、弱点を放っておいていいのではありません。しかし、従になるものは尻尾です。主になるものは頭です。尻尾を押さえるのではなく、頭さえしっかり押さえていれば、尻尾はどちらに動いても、結局は頭の動きについていくことになるのです。

 小学校からの英語教育についても同様です。大事なのは、英語をやるかやらないかということではなく、子供時代に日本語をしっかり学ぶということです。

 海外にいる人は、海外生活を日本語がおろそかになる不安の面から考えるよりも、外国語も日本語も同時に学べるチャンスとして前向きに考えていくことが大事です。そのための要になるのは、家庭の外で外国語に接する以上に、家庭の中での日本語の密度を高めていくことです。

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touko 20161121 77 
子どもに日本「も」学ばせたい・・・そう思う日本人ママもたくさんいます。国際結婚で海外に住んではいても、日本語も母語として育てるためには、家庭の中での小さな積み重ねが大切です。

torontomom 20161123 77 
母国語の土台が必要というのはわかるのですが、

「兄の方が、会話力も読解力も早かったというのです。つまり、母語を通して言葉というものがしっかり身についていれば、外国語もその言葉の力の土台の上にマスターするのが早いということなのです。 」

すごく短絡的な感じがしてしまいます。
6歳と11歳では言葉の学び方は違ってくるだろうし、その子の性格にもよるかと…

森川林 20161123  
 これは、そういう調査結果が、ある程度再現性のある事実として報告されているということです。
 小1~小3では外国語をマスターするのは早いが、その分母語である日本語が十分に成長しない、小4~小6では最初は外国語をマスターするのに苦労をするが、母語である日本語が既に確立しているので途中から上達が早くなるということです。
 だから、海外にこの時期の子供を連れて赴任される方は、事前に子供の言語教育について十分に作戦を考えておく必要があると思います。この点で、あてになるような話は、公の機関からは出ていないのではないかと思います。

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読書に生かす四行詩 as/862.html
森川林 2010/04/12 12:33 


 読書を家庭学習の中に取り入れるためには、次のようなことが大事です。

 第1に、毎日必ず10ページ以上読むなどという基準を決めておきます。

 第2に、夕食後などの決まった時間を、読書の時間にあてるようにします。

 第3に、できるだけ家族全員で読書に取り組むようにします。

 第4に、そのために小学校低学年(できれば1年生)からの習慣化が重要になります。


 読書のある生活をしていると、だんだん読書の結果を記録したいという気持ちが出てきます。

 学校などではよく、読んだ冊数のグラフを書くことがあります。また、読書ノートに読んだ本を記録するという方法もよく行われています。

 しかし、冊数のグラフをつけると、数をこなすことが目的化してしまいがちです。そうすると、本を楽しむというよりも、本を退治するような感じで読むようになることもあります。

 また、読書ノートは、書名、著者名、読んだ月日などを記録しますが、そういうわかりきった記録は、面倒で面白くないものです。また、読書ノートに本の感想を書くという場合、その感想はありきたりのものになりがちです。その結果、やはり感想を書くことも億劫になってきます。

 なぜ、面白くないかという言えば、そこに創造性がないからです。創造性ががないといことは、つまり自分らしさが打ち出せないということです。

 そこで、言葉の森では、通学教室で読書ノートの指導をする際に、読んだところまでで四行詩を書いてくることにしました。

 四行詩のよい点は、簡単に書けることです。本の中で自分が気に入ったところを四行に分けて書いていけばいいのですから、簡単に書こうと思えば、20字程度の短い文を四行に分けて書くだけでも四行詩ができます。しかし、ほとんどの子は、なるほどいい表現だと思うところを四行で書いてきます。更に、自分の考えなども入れて、作品としての完成度の高い四行詩を書く子もいます。

 四行詩は、このように、記録が残り、楽に書け、個性を発揮でき、表現の練習にもなるという利点があります。

 四行詩に慣れてくると、本の感想だけでなく、日常生活でふと思ったことなども四行詩で書くことができるようになります。

 この四行詩をもっと勉強の中に生かしていきたいと思っています。

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