https://youtu.be/OC6HMYKTtpM
◆◆大学入試は大切だが最終目標ではない
お父さんやお母さんの時代は、大学に合格することが大きな目標でした。
それは、もちろん今でも同じです。
学歴によって、就職できる会社の選択肢が広がるからです。
また、いい大学に入れば、知的なよい友達と出会える可能性も高くなります。
しかし、大学を卒業したあと、どういう人生を送るかということは、子供ばかりでなく、今の親にも本当のところはよくわからないと思います。
今の時点でよいと思われていることでも、子供が成長して30代・40代になったときにも同じような状況が続くとは言えません。
むしろ、状況が逆転することもしばしばあります。
◆◆これからの時代に必要なもの
世の中の流れがどう変わるかについて言えば、時期が早いか遅いかはわかりませんが、ベーシックインカムのような仕組みが少しずつ広がっていくと思います。
そこまで行かなくても、AIの発達によって働き方が大きく変わり、人間が生活のためだけに働く時代ではなくなる可能性があります。
そのときに人間に残る大切なものは、「自分が心からしたいことがある」ということです。
そのしたいことは、「受け身のしたいこと」ではなく、「能動的にしたいこと」である必要があります。
なぜかというと、「受け身のしたいこと」は、そこにいくら時間を費やしても、蓄積というものが生まれにくいからです。
例えば、「好きなだけ面白いYouTube番組を見る」とか、「好きなだけゲームをする」とか、「好きなだけおいしいものを食べる」とか、「好きなだけ行きたいところへ旅行する」といったことは、何年間続けても、自分の個性にはなりにくいと思います。
人間が他の人と豊かなコミュニケーションを交わすためには、費やした時間が受け身のものではなく、能動的なものであることが必要です。
◆◆個性は「学ぶこと」より「作ること」で育つ
ところで、今の学校教育は、本質的には受け身のものです。
「学ぶ」ということは、答えのあるものを学ぶことですから、自分を向上させることにはなりますが、学んだことだけが多くても、その人らしい個性にはなりにくいのです。
では、個性となる時間の過ごし方は何かというと、それは「作ること」です。
「学ぶこと」はみんなと同じになることですが、「作ること」は自分だけのものになります。
「作ること」は、最初のうちはレベルが低いことが多いので、個性というほどのものにはなりません。
しかし、その「作ること」を5年、10年と続けていけば、それは他の人にはない個性になります。
◆◆子供のうちから「作る好きなこと」を育てる
今、大人でも、自分が何をしたらいいかわからないと思う人が増えています。
昔は、日常生活や仕事に追われて忙しかったので、そんなことを考える余裕はなく、休みが取れればほっと一安心というような人生でした。
しかし今は、昔よりも自由に使える時間が増えています。
そのときに、自分のしたいことがあるということが、その人の個性になり、生きがいになります。
そのように考えると、子供時代の教育では、「学ぶこと」とともに、「作る好きなこと」を育てていく必要があります。
作ることとは、文章を書くことでも、音楽でも、プログラムでも、研究でも、ものづくりでもかまいません。
言葉の森がオンラインクラスの中で「創造発表」の時間を設けているのは、この「作る好きなこと」を育ててほしいからです。
ベーシックインカムの時代になれば、仕事をしなくても、つまり給料をもらわなくても、楽しく暮らしていける社会になるでしょう。
この2、3年でそうなることはないと思いますが、子供たちが成長する10年後、20年後の世界では、そのような社会が実現している可能性があります。
「定年になったら自分の好きなことをして暮らす」と言う人もいますが、熱中できる趣味を育てるには長い時間がかかります。
子供の大学入試や就職は当面は大切ですが、それと同時に、10年後、20年後に熱中できる「作ること」を持てるような子育てもしていく必要があります。
◆◆子供の進路は「やりたいこと」で選ぶ
日本のロケットの父と言われる糸川英夫が中学5年生のとき、志望校選びで迷っていました。
ひとつは上野の音楽学校(東京藝術大学)の作曲科、もうひとつは東京高校(今の東大教育学部附属中等教育学校)の理科でした。
入学願書を出す間際まで決心がつかず、悩みに悩んで母親に相談しました。
母親はさすがに一瞬顔色を変えましたが、返答は即座でした。
「自分のやりたいものを自分で選べ。ただし入試の難易度によって決めるな」(「私の履歴書」より)
このときの母親の考え方こそ、子育ての方針です。
どちらが得か、どちらが入りやすいかという基準ではなく、自分の本当にやりたいことを選ぶという姿勢が大切なのだと思います。
※言葉の森のnoteの記事もごらんください。
https://note.com/shine007
https://youtu.be/McfM0xemVU4
◆◆字数は作文力向上の最も確かな指標
作文の勉強を始めて、数か月のうちに字数がやや右肩上がりになっているとしたら、その生徒の作文力は向上しています。
作文の内容が上手かどうかということは、取り上げた題材によっても変化するので、人間が見てもなかなかわかるものではありません。
しかし、字数は客観的な指標なので、これが作文力の向上にとって最も確かな指標になるのです。
ただし、すでに基準の字数を達成している生徒については、作文の字数よりも、森リン点の評価がコンスタントに高得点を取っているかどうかを基準にしていくといいです。
◆◆字数の基準は学年の100倍から200倍
作文の字数の基準は、学年の100倍から200倍としています。
小学3年生で300字から600字、小学4年生で400字から800字、小学5年生で500字から1000字、小学6年生で600字から1200字、中学生以上も600字から1200字です。
作文の実力をつけるためには、小学6年生以上の生徒は常に1200字を超える作文を書いている必要があります。
◆◆1200字を書き上げる難しさと、やり遂げた喜び
もちろん、これはなかなか難しいことです。
小学6年生、中学生、高校生で、毎週1200字以上の作文を書いているような人は、言葉の森の生徒以外にはまずほとんどいないと思います。
1200字を書くためには、早くても1時間半はかかります。
これを早くする方法は、「予習メモ」プラス「音声入力」ですが、そういうやり方をやっている人はまだ少ないと思います。
文章を書くことが好きな人は、書き上げた後に喜びがあります。
それはやり遂げたという喜びです。
これが向上心です。
人間にはもともと向上心があるので、難しいことをやり遂げた後は満足感があるのです。
◆◆字数を増やすには、毎月100字ずつの目標で
ところで、基準の字数まで長く書くためには、どうしたらいいでしょうか。
まず、普段600字しか書いていない生徒に、今日から1200字頑張りなさいということはできません。
それはできないのが普通です。
まず600字の作文を、100字増やして700字にすることを、次の月の目標にするというふうにしていくといいです。
◆◆語彙の引き出しを増やすのは読書
作文の字数が増えないのは、言葉の引き出しに、実例と表現と意見の語彙が入っていないからです。
本をよく読んでいる生徒は、言葉の引き出しにいろいろな実例や知識や感想が詰まっているので、特に意識しなくても自分の書く文章が自然に続いていきます。
字数の少ない生徒は、字数を毎月少しずつ増やしていこうとするだけでなく、それ以上に読書の量を増やしていくことが必要なのです。
◆◆読書記録と学年別リストで本の幅を広げる
それぞれの生徒の読書記録は、学習グラフで見ることができます。
https://www.mori7.com/gs/
また、読書記録の全体を見ると、学年別の読書のリストが出てきます。(7/4現在、38,449件)
https://www.mori7.com/teraon/ds.php
同学年の生徒が読んでいる本の中には、易しい本も難しい本もあります。
自分が読んでいる本と同じようなレベルの本を読んでいる生徒を見つけて、その生徒の読んでいる本の傾向を見て、自分の読む本の幅を広げていくといいのです。
作文の実力はまず字数に表れます。
字数を増やすには、語彙の引き出しに多くの言葉が入っている必要があります。
そのためには毎日読書をすることが必要で、どういう本を選ぶかは読書記録の同学年の生徒を参考にするといいということです。
◆◆読書の量は1日50ページを目安に
読書は、何ページぐらい読んだらよいかというと、人によって個人差はありますが、だいたい学年の10倍ページ、大まかに言えば1日50ページ以上読むということです。
1日50ページ読めば、1週間で1冊は必ず読み終えます。
読書の質はもちろん大切ですが、最初のうちは読書の量を基準にして、毎日読書をするように心がけていってください。
※言葉の森のnoteの記事もごらんください。
https://note.com/shine007